外務省・新着情報

冒頭発言

【林外務大臣】昨日から2日間にわたりまして、ここ、フランスのパリにおいて、新たな国際的開発資金取決めのための首脳会合に出席をいたしまして、この会議に出席をした各国首脳と会談を行うとともに、フランス外務省で日仏外相会談も行いました。
 まず、新たな国際的開発資金取決めのための首脳会合についてですが、気候変動をはじめとする地球規模課題は深刻化・複雑化し、SDGs達成に向けた進捗に大幅な遅れが生じておりまして、こうした状況を念頭に、本会合では、開発資金ギャップの問題に取り組む重要性について議論が行われたところでございます。
 私は、昨日行われた公式ラウンドテーブルのSDGsのための民間セクター動員持続可能なインフラと中小企業金融に、セネガルのサル大統領などとともにパネリストとして参加をいたしました。
 私からは、まず、G7広島サミットにおける開発資金関連の成果を紹介しつつですね、広島で謳われた連帯の原則、それがここパリの首脳会合でも共鳴していることを歓迎するとともに、開発途上国の発展には3つの連帯が重要であるということを指摘しました。すなわち、第一に、開発途上国のインフラや中小企業への投資を呼び込むための投資環境整備に資する公的セクターと民間セクターとの連帯であります。第二に、公的資金に加えて民間資金を動員することが重要であるという意味での資金調達における連帯です。そして第三に、開発途上国のオーナーシップを尊重しながら途上国の持続的な開発を支援することが重要であるといった意味での「オーナーシップとの連帯」であります。加えて、開発資金は透明かつ公正でなければならず、また開発途上国の債務の持続可能性を害してはならないことを強調し、すべての債務者及び債権者に対して、国際的なルール・スタンダードに従ってバランスのとれた持続可能な成長に資する開発資金これを推進することを求めたところでございます。
 また、バイ会談ですが、今回のフランス訪問の機会に、コロンナ欧州・外務大臣との間で日仏外相会談を行ったほか、バルバドス、マダガスカル、ニジェールの首脳と会談等を行ったところでございます。その際、開発資金ギャップの問題を始めとして、我が国との二国間関係、ロシアによるウクライナ侵略への対応といった国際場裡の様々な課題における連携強化等について議論をしたところでございます。
 特に、日仏外相会談におきましては、今回の会合を開催したフランスのイニシアティブに敬意を表するとともに、安全保障・防衛、経済・科学技術、そして文化・人的交流等の幅広い分野での二国間関係の進展を確認するとともに、地域情勢についても引き続き連携していくことで一致をいたしました。
 本年後半にはG20サミット、SDGサミット、そしてCOP28等々が予定されています。国際社会全体でのSDGs達成に向けて、多国間、二国間の連携を強化しつつ、日本として引き続き積極的に議論を主導していきたいと考えております。
 私からは以上です。

質疑応答

【記者】今回の一連の外遊日程を終えまして、ウクライナ復興会議、開発資金会合それぞれのにですね、大臣みずからが出席された意義について、どう感じているか改めてお聞かせください。また、外遊の成果も踏まえてウクライナでの中長期的な復興支援について、どのように取り組んでいく考えでしょうか。

【林外務大臣】まずウクライナ復興会議ですが、ウクライナ復興における民間企業の参画促進、これを実現するために必要な改革の実施等についてですね議論が行われました。ウクライナの復旧・復興に向けた今後の取組についての議論が一層深まる機会となったと考えております。私からはですね、今回の会議に繋がるG7広島サミットの成果を改めて強調しつつ、戦後の荒廃、また、度重なる自然災害から復旧・復興を遂げた日本の経験と知見を活用して、ウクライナの人々に寄り添った日本ならではの復興支援を実施していくと、こういうメッセージを力強く発信させていただきました
 このウクライナの中長期的な復興支援につきましては、年末から来年頭にかけて日本で開催を予定しております、日ウクライナ経済復興推進会議、これも念頭にですね、これまでの知見や経験に加えて、今回の会議で作り出された民間企業の参画の促進のモメンタムを活用しですね、ウクライナの人々に寄り添った復興支援を検討、実施したいと考えております。また、本年のG7議長国として、一刻も早い平和の回復及び復興の実現に向けて、国際社会の議論を積極的にリードしてまいりたいと思っております。
 開発資金会合の方ですが、新興国及び途上国を中心とする多くの首脳・閣僚、国際機関の代表等が参加をされまして、開発資金ギャップの問題へのですね、政治指導者たちの関心が一層高まったと考えております。今回の会合がですね、ドナーベースの拡大、国内資金・民間資金の更なる動員につながると期待をいたします。 先程申し上げたように、本年後半にはG20サミット、SDGサミット、そしてCOP28等が予定をされておりまして、国際社会全体でのSDGs達成に向けてですね、日本として関連する議論に引き続き積極的に貢献してまいりたいと考えております。

【記者】昨日の会談のフランスのコロンナ外相との会談についてお伺いいたします。昨日の会談で大臣は、フランスのコロンナ外相と経済安全保障に関する作業部会の立ち上げで一致されました。日仏関係において、この分野で今後どのような形での協力を期待されるかをお聞かせください。また、安全保障分野での協力に関して、両国の部隊間の相互往来に関する円滑化協定が検討されていますが、昨日の会談でも交渉開始に向けた議論をされたのでしょうか。

【林外務大臣】経済安全保障これは、国際社会全体が連携して取り組むべき課題でございまして、今般立上げについて一致した二国間でですね、作業部会も通じて、日仏間においても緊密な連携を一層進めていきたいと考えております。安全保障分野での協力に関して、会談の詳細については、外交上のやり取りということで、お答えを差し控えますが、両国間ではですね、部隊間の共同運用・演習のための行政上、政策上及び法律上の手続を相互に改善するための恒常的な枠組みについて議論を一層加速させるということで一致しております。引き続き、安全保障分野における様々な協力について、フランスとの連携を強化していく考えです。

【記者】2点お伺いします。一つが日仏外相会談に関してですが、一部報道でNATOの日本事務所設置にフランスが反対していることが報道を通じて明らかになっていますが、今回の会談でこの点について日本あるいはフランス側から言及はあったのかが1点で、もう1つは今回のフランスでの会合では、中国の李強首相が出席されていましたけれども大臣との接触の機会はあったのかおうかがいします。

【林大臣】まず一つ目でございますが、ご指摘の点についてのやりとりはございませんでした。それから李強国務院総理との特段の接点、これもなかったということでございます。


発信元サイトへ