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令和5年6月29日
令和5年度中東アフリカ大使会議の様子
令和5年度中東アフリカ大使会議に出席する林外務大臣
令和5年度中東アフリカ大使会議において発言をする林外務大臣

 6月29日、午前9時30分から、林芳正外務大臣は、令和5年度中東アフリカ大使会議に出席し、出席した大使と意見交換を行ったところ、概要以下のとおりです。

  1. 令和5年度中東アフリカ大使会議は、6月28日から30日の日程で、中東・アフリカ地域の駐在大使等の出席を得て、4年ぶりに対面で開催されています。
  2. 林大臣からは、概要以下のとおり述べました。
    1. 外務大臣就任後、昨年3月の中東訪問や同年8月のTICAD8を含む様々な機会において、私(大臣)は、中東アフリカ諸国の外相等との対面や電話での会談を実施した。日本と中東諸国は、長年にわたり友好関係を築いてきており、また、アフリカ諸国には、30年間にわたるTICADプロセスを通じて寄り添ってきた。
    2. 国際社会が歴史の転換期を迎える中、G7広島サミットの成果も活かしつつ、中東アフリカの国々との間で、法の支配や国連憲章の諸原則の重要性について認識を共有し、国際場裡で更に協力するためにはどうすべきか。また、ロシアのウクライナ侵略により、食料やエネルギーを始めとする様々な面で大きな影響を受けている国々に対し、どのような協力を行うことが効果的か。これらの課題に取り組む上で、各在外公館の役割が非常に重要である。
    3. 中東地域においては、イラン・サウジアラビア間の外交関係再開に代表されるような緊張緩和の動きが顕著になっているが、同時に、中東和平等の長い経緯を有する問題は解決の目処がついていない。中東地域の緊張緩和と情勢安定化の動きを確固たるものにすべく、効果的な関与のあり方を追求していくことを期待する。また、中東産油国とは、日本へのエネルギー安定供給の確保及び国際エネルギー市場の安定化に向けた協力を推進するとともに、幅広い分野での協力を推進していく上で、各国との一層強固なパートナーシップを構築していくことが重要である。
    4. アフリカにおいては、ダイナミックな成長が期待されていると同時に、食料危機や不公正・不透明な開発金融といった課題への対応が急務となっている。また、スーダン情勢の急速な悪化による在留邦人の退避の経験を踏まえ、各国における治安情勢の把握とともに、各国・国際機関との危機対応時の連携強化など、今後も平時からこういった不測の事態に十分に備えていく必要がある。
    5. 安保理の理事国として、国際社会の平和と安全の維持において重要な、中東アフリカ地域の紛争等の諸問題の解決に向けて、各国との連携を強化していくことを期待する。また、安保理改革や核軍縮・不拡散に関する議論に積極的に貢献することを期待する。
    6. さらに、中東アフリカ地域の国々との協力は、FOIP実現にも不可欠である。
    7. これらの政策の遂行のため、各大使館においては、任地における情報収集、戦略的対外発信、邦人保護といった任務に、引き続き尽力いただきたい。
  3. 林大臣の発言を受け、各大使を交えた活発な意見交換が行われました。

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