農林水産省・新着情報

野村農林水産大臣記者会見概要

日時 令和5年7月4日(火曜日)10時35分~10時47分 於: 本省講堂
主な質疑事項
  • (大臣から)福島県及び宮城県への出張について
  • ヴォイチェホフスキ農業担当欧州委員との会談について
  • 6月29日からの大雨に係る農林水産関係の被害状況等について
  • ALPS処理水の海洋放出による影響について
  • JA全中の次期会長について

冒頭発言

大臣

  本日、私から1点、御報告がございます。本日、これから明日5日にかけて、東日本大震災からの復興状況の現地調査を行うため、福島県及び宮城県に出張します。被災地の現場は、これまでも何回も見ていますけれども、復興が進んでいる状況を見てきましたので、大臣として1回は見ておきたいと思いまして、本日から行ってまいります。詳細は、この後、プレスリリースします。私からは以上です。

質疑応答

  • ヴォイチェホフスキ農業担当欧州委員との会談について

記者

  幹事社から1問お願いします。昨日ですね、ヴォイチェホフスキ(農業担当)欧州委員との会談がありました。EUは日本産食品の輸入制限の撤廃を検討しているタイミングでの会談だったかと思いますが、以前の会見でもいい答えを期待したいとの発言もあったかと思います。会談でどのようなやりとりがあったかということに加えてですね、措置の撤廃の事務的な進捗状況など、もし把握していたら教えてください。

大臣

  これまでG7、G20、そして昨日の3回と、お会いしまして、そういう意味では、やあやあというような間柄になっていまして、昨日、ヴォイチェホフスキ農業担当(欧州)委員とお会いしましたが、これまでの3回でずっと言ってきたのは、日本産食品の放射性物質輸入規制でした。これは私だけではなくて、林外務大臣からもバイ会談のときにも言っていただいたということも聞いておりますし、いろいろな機会をとらえてはEUの方に働きかけをしていましたけれども、(日本産食品の規制撤廃について)担当大臣が分かったという話にはならなくて、欧州委員会という委員会の中での決め方なものですから、時間がかかっておりましたが、昨日のやりとりは、相手のある話であり、お答えは差し控えさせていただきますが、私の思いは、これまで3回にわたって伝えてきて、感触的には、なかなかいい感触ではなかったかなと私は受け止めています。まだ日にちは申し上げられないのですが、総理が行かれて、首脳会談をやろうという話は、伺っていますので、それまでにはぜひ決着をつけてくださいということを昨日、(ヴォイチェホフスキ農業担当欧州)委員には申し上げたところです。

  • 6月29日からの大雨に係る農林水産関係の被害状況等について

記者

  九州各地で相次ぐ豪雨被害について伺います。度重なる雨の影響で、九州全域で被害が発生しております。現時点での農業被害の状況と農林水産省としての対応をお聞かせください。

大臣

  今日も線状降水帯(が発生して)、九州とかいろいろ(な地方で)大雨の被害が出そうな感じですが、大雨の被害にあわれた方、人的な被害もありましたので、全ての方々に心からお見舞いを申し上げたいと思います。6月29日からの大雨によりまして、農林水産関係の被害につきましては、今、農政局を通じながら、いろいろ指示はしていますけれども、現在調査中でして、農地や農業用施設の損壊、林地の荒廃等の被害があったとの報告は受けていますが、金額的な被害については、今から出てくる話だと思っています。現時点では延べ11人の農政局の職員を被災地に派遣して、技術的指導、排水ポンプの貸出等を行っているところでして、引き続き、現地との連携を密にし、(被害状況を把握した上で)農林漁業への影響を最小限にしたいと思っていますけれども、まだまだこの雨は止みそうにありませんので、今後どのぐらい(被害が)出てくるのか、非常に心配です。私も先週木曜日に、地元の奄美大島で、(大雨で)山地崩落をして、人的な被害はなかったのですが、福井県から入植した、まだ若い青年が、今年からマンゴーの収穫が始まるという寸前で、(果樹が)土砂にやられまして、全てが埋まってしまったという状況で、現地を見ましたが、もう(営農を)やめるのではないかなと思ったのですが、もう一遍やってみますということでしたので、できるだけ営農再開に向けた支援をしたいと思っています。

  • ALPS処理水の海洋放出による影響について

記者

  福島出張されるということですが、ALPS処理水の水産物の影響についてどのように考えられるかと、風評被害対策についてはどのように考えられるか、お聞かせください。

大臣

  ALPS処理水の処分に伴う対策としては、政府全体で国民の方々の不安を払拭するための取組を行っているところです。具体的には、国際原子力機関IAEAによる処理水の安全性の評価の実施、これはご承知のように、実は本日、(IAEAの)事務局長が、日本に来まして、岸田総理に(IAEAの包括報告書を)報告するということになっていまして、私の方からはまだ中身が全く知らされていませんので、コメントする立場にありません。それから二つ目は、東京電力による処理水を使ったヒラメなどの飼育試験の実施もしていまして、この影響がどうなのかということも発表されています。それから3番目は、トリチウムを対象とする海水や水産物のモニタリング検査の実施などを行ってきているところでして、こういったようなことを通じまして、(理解醸成等の)対策をとってもなお生じる風評影響として、ALPS処理水の海洋放出に伴う国産水産物の需要の減少等の事態に対しては、全国の漁業者の皆様が安心して漁業を続けていくことができるようにするための対策を講じていきます。農林水産省としては、各省庁とも連携しながら、関連対策を円滑に実施して、漁業者が安心して漁業に勤しめるように(環境を)整備していきたいと(思いますので対策には)万全を尽くしてまいります。

  • JA全中の次期会長について

記者

  JA全中の新会長に、大臣もよくご存知な山野さんがですね、一応内定される見通しです。これから農水省も基本法の改正におきまして、非常に重要な3年間だと思うのですが、政策的に何が必要で、何を期待されますか。

大臣

  私の地元の会長ですので、ぜひサポートしていきたいと思っていますが、期待をしていることは、これはもう今度、基本法(の改正案)が来年の通常国会に提出されますから、基本法検証部会の委員にも、中家会長が入っていて、随分と議論をしていただきました。中家会長のお考えについても、基本法(検証部会中間取りまとめ)の中に織り込んでいると思っていまして、そういう意味では、我々はJA全中と二人三脚で同じ方向を向いて農政を進めてまいりたいと(思います)。幸いに、中家会長も今の基本法の改正については大賛成だと。そして一番は、中家会長が言っていたのが、いわゆる農産物の価格の(形成に生産)コストを付加することをぜひ実現してくれというのを、ずっと中家さんは言っていましたので、もちろん今度の基本法(検証部会中間取りまとめ)の考え方の中にはそういうことも入れていますので、農林水産物の価格の在り方について、ずっとJA全中とも一緒に議論をさせていただいて(いるので)、これを何とかものにしていきたいなと思っています。

報道官

  よろしいでしょうか。それでは、これで大臣会見を終わります。

以上

 

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