外務省・新着情報

令和5年7月4日
  1. 日本政府が2021年4月に発表した基本方針を受け、日本政府と国際原子力機関(IAEA)との間で、令和3年7月8日に署名された、ALPS処理水の取扱いの安全性に係るレビューの包括的な枠組みに関する付託事項(TOR)に基づき、これまでIAEAによる一連のレビューが行われてきました。7月4日、これらのレビューを総括する包括報告書が、グロッシーIAEA事務局長から岸田総理に手交され、IAEAから公表されました。
  2. IAEA包括報告書の要旨(Executive Summary)においては、以下の結論が述べられています。
    1. IAEAの包括的評価に基づき、IAEAは、ALPS処理水の海洋放出に対する取組及び、東京電力、原子力規制委員会及び日本政府による関連の活動は、関連する国際安全基準に合致していると結論づけました。
    2. IAEAは、包括的評価に基づき、現在東京電力により計画されているALPS処理水の放出は、人及び環境に対し、無視できるほどの放射線影響となると結論付けました。
  3. ALPS処理水の安全性やその取扱いについて、信頼性や透明性を確保し、国際社会の理解を醸成していく上で、IAEA憲章に基づいて、原子力分野において国際的な安全基準の策定・適用を行う権限を有するIAEAによるレビューは極めて重要と考えています。日本政府は、今後とも、必要な情報共有を継続するとともに、ALPS処理水の取扱いについて、国際社会の一層の理解を醸成していくことに努めます。
(参考1)ALPS処理水

 ALPS(多核種除去設備(Advanced Liquid Processing System))等により、トリチウム以外の放射性物質について安全に関する規制基準値を確実に下回るまで浄化した水。さらにALPS処理水は、その後十分に希釈され、トリチウムを含む全ての放射性物質について安全に関する規制基準値を大幅に下回るレベルにした上で、海洋放出されることが想定されている。

(参考2)関連リンク(これまでに公表されたIAEA安全性レビュー報告書)

  1. 第1報告書(英語)(PDF)別ウィンドウで開く
     令和4年4月29日に公表された第1報告書は、同年2月に経済産業省及び東京電力に対して実施されたレビュー(放出されるALPS処理水の性状、海洋放出のシステムとプロセスの安全性、放射線環境影響評価等の8つの異なる技術的分野が対象)の詳細を取りまとめたもの。
  2. 第2報告書(英語)(PDF)別ウィンドウで開く
     令和4年6月16日に公表された第2報告書は、同年3月に原子力規制委員会に対して実施されたレビュー(政府の責任と役割、主要概念と安全目的、認可プロセス等5つの技術的事項が対象)の詳細を取りまとめたもの。 
  3. 第3報告書(英語)(PDF)別ウィンドウで開く
     令和4年12月29日に公表された第3報告書は、ALPS処理水の中の放射性物質に関するモニタリング、環境モニタリング及び東電福島第一原発の作業員の職業被ばくに係るデータの分析及び裏付けに関するIAEAの活動計画等をとりまとめたもの。 
  4. 第4報告書(英語)(PDF)別ウィンドウで開く
     令和5年4月5日に公表された第4報告書は、令和4年11月に経済産業省及び東京電力に対して実施された安全性レビュー(放出されるALPS処理水の性状、海洋放出のシステムとプロセスに関する安全性、放射線環境影響評価等の8つの異なる技術分野が対象)の詳細を取りまとめたもの。 
  5. 第5報告書(英語)(PDF)別ウィンドウで開く
     令和5年5月4日に公表された第5報告書は、同年1月に原子力規制委員会に対して実施されたレビュー(政府の責任と役割、主要概念と安全目的、認可プロセス等、5つの技術的事項)の詳細を取りまとめたもの。 
  6. 「ALPS処理水の放射性核種分析における第1回目の分析機関間比較結果」に関する報告書(英語)(PDF)別ウィンドウで開く
     令和5年5月31日に公表されたALPS処理水の放射性核種分析における第1回目の分析機関間比較結果に関する報告書は、IAEAのレビューのもとで実施されたALPS処理水中の放射性核種の測定に係る分析機関間比較(ILC)の結果をまとめたもの。 

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