外務省・新着情報

令和5年7月7日

 7月6日、包括的核実験禁止条約(CTBT)発効促進に向けた地域会合が、外務省において開催されました。

  1. 今次会合には、インド・太平洋地域を中心に、オーストラリア連邦、カナダ、インドネシア共和国、カザフスタン共和国、シンガポール共和国、スリランカ民主社会主義共和国、太平洋島嶼国等のCTBTの批准国、署名国及び未署名国から政府関係者・専門家並びに国内の関係者約50名が出席しました。
  2. 会合においては、「核兵器のない世界」の実現に向けた現実的かつ実践的な取組の一つとして、CTBTの早期発効が重要であるとの認識の下、各国の参加者からCTBTの締結や発効促進のための各国の取組について紹介がありました。また、質疑を含め、CTBTの普遍化を促進するための方策について議論が行われました。さらに、CTBTを支える検証技術の重要性についても議論が行われ、参加者からは、自国のCTBT国内運用体制の整備、CTBT検証技術の民生利用等についての紹介がありました。
  3. 7月7日には、関連行事として、長野県を訪問し、CTBT検証体制における国際監視制度(IMS)上の施設である松代地震観測所の視察を行いつつ、核実験検知に係る地震波解析の演習を実施しました。演習においては、各国参加者により、各国の核実験検知システムに関する知見も踏まえた、活発な意見交換が行われました。
  4. 我が国は、引き続き、CTBTの早期発効及び検証体制強化に一層貢献していくとともに、「核兵器のない世界」の実現に向け、現実的かつ実践的な取組を一歩ずつ、粘り強く、着実に進めていく考えです。
(参考1)包括的核実験禁止条約(CTBT)

 宇宙空間、大気圏内、水中、地下を含むあらゆる場所における核兵器の実験的爆発及び他の核爆発を禁止。国際監視制度、協議及び説明、現地査察、信頼醸成措置からなる検証制度を条約発効時までに設けることとなっている。条約発効には、日本を含む発効要件国44か国すべての批准が必要。日本は1997年に批准。

(参考2)CTBTの検証制度

 CTBTは、条約の遵守について検証するため、(1)国際監視制度(IMS)、(2)協議と説明、(3)現地査察、(4)信頼の醸成についての措置からなる検証制度を条約発効時までに設けると規定している。このうちIMSは、地震学的監視施設、放射性核種監視施設(公認された実験施設を含む。)、水中音波監視施設及び微気圧振動監視施設並びにその各通信手段からなる。各種IMS監視施設は、世界89か国で計321か所設置される。


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