農林水産省・新着情報

野村農林水産大臣記者会見概要

日時 令和5年7月11日(火曜日)10時51分~11時02分 於: 本省講堂
主な質疑事項
  • 英国のTPP加盟合意の見込み及びウクライナの加盟申請について
  • 令和5年梅雨前線による大雨の被害状況について
  • 畜産戸数の減少について

質疑応答

  • 英国のTPP加盟合意の見込み及びウクライナの加盟申請について

記者

  幹事社から1問お願いします。今週末にTPP委員会で英国の加盟が正式に決定する見通しです。改めて日本にとって英国加盟後のTPPの意義でしたり、あと先日加盟申請があったウクライナの影響などについてお聞かせください。

大臣

  英国のCPTPPの加入については、7月16日にニュージーランドにおいて、英国の加入に関わる署名式が開催される予定であると承知しています。英国との妥結内容については、本年3月の実質妥結時にお伝えしたとおり、英国からの輸入に係る日本の関税については、現行のCPTPPの範囲内で妥結しており、また、英国とは、すでに日英EPAも実施していることから、英国加入に伴う国内農林水産物への影響はないと考えています。他方、日本からの輸出に係る英国の関税については、新たに短粒種、中粒種の精米等の関税撤廃を獲得できました。現行では精米等の関税はキロ20円なのですが、これが撤廃されますので、米の輸出拡大に一層弾みがつくものであると認識しています。輸出量は約500tと量的には少ないのですが、この20円の関税が撤廃されることにより、今後拡大していかなければならないと思っています。ウクライナの加入については、TPPにウクライナの加入申請がされているということは聞いておりますが、ウクライナにつきまして7月7日に、CPTPPの寄託国、いわゆる窓口であるニュージーランドが、ウクライナの加入申請を受領したということを公表したと承知しています。ニュージーランドが加入申請を受け付けたというだけの話ですので、これから加入させるかさせないかということを関係国で協議していきます。我が国としては、新規加入に関心を示す他の国・地域と同様に、CPTPPの高いレベルを完全に満たす用意ができているかどうかについて、しっかりと見極める必要があると考えています。まだ日本の場合はウクライナが加入することに賛成だとか反対だとかという態度の表明はしていませんので、しっかりと見極めていく必要があると考えています。高い(CPTPP)のレベルの内容をウクライナが満たしてくれるのかどうか、そこが肝要だと思っています。

  • 令和5年梅雨前線による大雨の被害状況について

記者

  昨日の九州北部地域での大雨に関してお尋ねしたいと思います。昨日の今日ですのでまだ把握はできてないかもしれませんが、現状での農作物関係被害の状況ですとか、今後農水省としてどのような対応をとられるのか教えていただきたいと思います。

大臣

  ちょうど5年前も私は現地に行きました。党から行ったのですが、今回も大変な被害が出ていまして、今のところ、どの程度の被害となっているのかについては、九州農政局から、(本日)現在12名の職員を現地に被害調査に派遣しています。ただ、昨日の今日(のこと)なので、被害(現場)の水が引いていなければ、水稲にどの程度の被害が出ているのか、あるいは柿団地が崩落した被害がどの程度なのかというのは、水が引いてみないと分からないところがありますから、被害額は現在のところ調査中ということです。総理の方から(被害対応について)昨日指示がありました。総理は大変この九州地方及び中国地方の豪雨の被害を心配されていまして指示があったのですが、(総理指示を受けて私から省内に)4点の指示を出しました。1点目は被害状況の迅速な把握、2点目は災害応急対策と早期の復旧に向けた対策の実施、3点目は対応可能な体制の整備、九州農政局が中心になるかと思いますが、各農政局・本省の体制の整備、4点目は、適時的確な情報提供に省を挙げて取り組むよう、私から省内に指示をしたところです。最大限の緊張感を持って対応していかなければならないと思っていますが、被害額がどうなるかということについては、すぐにはわからないので、水が引いてから発表することになると思います。

  • 畜産戸数の減少について

記者

  先週金曜日に公表されました畜産統計についてお伺いいたします。2月1日の酪農家の戸数なのですが、前年に比べて5.3%の減少と、例年以上の減少率が、大きな結果となりました。また、肉用牛や豚、採卵鶏など、他の畜種の飼養戸数も軒並み減少傾向でした。こうした結果への受けとめや、今後の対応方針について、よろしくお願いいたします。

大臣

  畜産統計の結果は私も驚いたのですが、乳用牛については、(戸数が令和4年に比べ)5.3%の減少ということですが、ここで気をつけていただきたいのは、頭数(の減少)は1.1%です。戸数としては5.3%の減少であり、今までにないような大きな減り具合なのですけれど、頭数としては1.1(%の減少)です。肉用牛を申し上げますと、戸数は4.5%の減少ですが、頭数は2.8%増加しています。(肉用牛については)農家の減少と頭数とは比例していません。農家戸数が減少した理由としては、高齢ということや、後継者の不在、さらには飼料価格の高騰によって収支が悪化したということも大きな要因だろうと理解をしています。農林水産省としては、配合飼料の高騰対策や、金融支援などを通じ、最大限の影響緩和を図っているところであり、引き続き状況を注視してまいります。一番農家の関心が高いのは、餌高ですので、トウモロコシ(の価格)がどうかというと、アメリカの(現在の)先物の相場だと9月は6ドルを割って5ドル(付近)、4.9ドルということです。12月も4.9ドルで、これも5ドルを割っているということですから、今まで非常に高止まっていたトウモロコシが、先物相場とはいえ、このように下落に繋がっている状況です。ただ、トウモロコシの場合、8月が大体成熟期なので、8月になるとそれまでの天候によって豊作なのか不作なのかというのも、大体出てきますので、その時の相場が確実な相場になっていくかと思いますが、現在の先物相場でいうと、9月は5ドル(付近)、12月の先物も5ドル(付近)ということで、農家にとっては、先物相場が下がるという思いがあれば、励みになるのではないかなと思っています。

報道官

  よろしいでしょうか。それでは、これで大臣会見を終わります。

以上

 

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