外務省・新着情報

令和5年7月12日

 本日、南シナ海に関する比中仲裁判断の発出から7年が経過しました。国連海洋法条約の規定に基づき、仲裁判断は最終的であり、紛争当事国を法的に拘束するもので、当事国であるフィリピンと中国は、仲裁判断に従う必要があります。中国による仲裁判断を受け入れないといった主張は、国連海洋法条約を始めとする国際法に従った紛争の平和的解決の原則に反しており、国際社会における基本的価値である法の支配を損なうものです。我が国は、当事国がこの判断に従うことにより、南シナ海における紛争の平和的解決につながることを強く期待します。

 法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を維持・強化することは、大小を問わず全ての国の利益となるものです。こうした考えの下、我が国は、本件に関する昨年7月のマナロ外務大臣の談話を始め、一貫して比中仲裁判断に従い、南シナ海における紛争の平和的解決にコミットメントを示しているフィリピン政府の立場を高く評価しています。

 我が国は、南シナ海において、国連海洋法条約と整合的でない海洋権益の主張をすることに改めて反対し、引き続き、現場の状況を深刻に懸念しています。法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の重要性を強調した本年2月の日・フィリピン共同声明並びに本年5月のG7広島首脳コミュニケ及び本年4月のG7外相コミュニケを想起し、我が国は、改めて力や威圧による一方的な現状変更の試みへの強い反対を表明します。

 我が国は、引き続き、ASEAN諸国を始めとする関係国とも連携しながら、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持・強化を推進していきます。


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