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2023年7月19日

7月18日(火曜日)、経済産業省及び国際エネルギー機関(IEA)は、「LNG産消会議2023」を東京で開催しました。本年のLNG 産消会議は、IEA 加盟国や産消国との対話を通じて、エネルギー危機の拡大と再発を防ぐための具体的な施策を議論しました。
本会議では、LNGセキュリティの強化とLNGのバリューチェーンのクリーン化に向けた課題を整理した上、解決に向けた政策のヒントを得るべく、日本とIEAの共催により開催してきたワークショップと本会議の議論の成果として、議長国サマリーをとりまとめ、西村経済産業大臣から“LNG Strategy for the World”を発表しました。
なお、本会議は、アジア太平洋エネルギー研究センター(APERC)と協力を得て開催しています。

※ 会議全体のアーカイブを公式ウェブページ上に公開予定です。

会議の概要

本年のLNG産消会議は、10年以上の同会議が紡いできた歴史の中で初めて、公式にIEAと共催しました。本会議では、IEA加盟国や産消国間での対話を通じて、危機の拡大と再発を防ぐための具体的な施策を見出す、という大きな一歩を踏み出すことを目的として議論しました。

本会議では、岸田内閣総理大臣が冒頭挨拶を行い、LNGは各国で活用されている重要なエネルギーであり、将来的にはよりクリーンな利用に向けた課題に対し産ガス国と消費国が連携して取り組んでいく必要があり、今回の会議が、エネルギーのそして地球環境の未来を救うターニングポイントとなることを期待する、と述べました。

スペシャルセッションでは、日本企業のJERA、と韓国企業のKOGAS、そしてJOGMECがメタンガス削減に向けた官民一体の取組である「Coalition for LNG Emission Abatement toward Net-zero(CLEAN)」を発表しました。

また、米国、韓国、豪州、欧州委員会(EC)、日本政府は、LNGバリューチェーン全体の特にメタンガスを中心とするGHG削減のため、「CLEAN」の重要性を強調する共同声明に署名し、メタンガス削減の取り組みをさらに推進する方向性を示しました。共同宣言では、LNGのバリューチェーンにおけるメタン排出削減の重要性を認識し、LNGバリューチェーン全体からメタンガスを削減する官民の国際的な協力への支援と、世界全体でLNG生産者・消費者と協働していくことへのコミットメントが示されました。経済産業省は、本会議で発表された「CLEAN」の取組を最大限サポート致します。

閣僚会合では、IEA加盟国や産ガス国、消費国のリーダーたちが、ネット・ゼロを達成するためのクリーンなLNGの活用やエネルギーセキュリティにおけるLNG及び天然ガスへの期待や、自国の政策を紹介しました。

西村経済産業大臣は、2050年のカーボンニュートラルに向けて、よりグリーン・トランジションを加速しなければならないと述べ、そのために不測の事態に備えたリザーブを確保し、各国との新たな協力関係を築く必要がある旨を述べました。また、日本の取組として、戦略的余剰 LNG(Strategic Buffer LNG)という新たな「リザーブ」制度、仕向地条項撤廃に向けた世界的な取組、機動的な資金調達が必要なLNGトレーディング事業へのNEXIの新たな支援を発表しました。

本会議では、LNGセキュリティの強化とLNGのバリューチェーンのクリーン化に向けた課題を整理した上、解決に向けた政策のヒントを得るべく、日本とIEAの共催により開催してきたワークショップと本会議の議論の成果として、議長国サマリーをとりまとめ、西村経済産業大臣から“LNG Strategy for the World”を発表しました。なお、本会議に合わせてIEAからGlobal Gas Security Review 2023が発出されております。

本会議を通して、日EU間でのLNG協力に関する共同声明を発表しました。これまでEUとは、現下のエネルギー情勢を受けて、脱炭素化を加速する中でのLNGへの期待や求められる国際協調について、本会議に向けて精力的な議論を行ってまいりました。この結果、本会議にて、国際機関との協力も視野に入れたLNGセキュリティ向上のための仕組みや具体的な施策、LNG市場の情報の透明性の向上、メタン対策を柱にする協力を進めることで一致しました。今後、当該共同声明及び7月13日に発表された第29回日EU定期首脳協議共同声明に基づき、EUともLNG協力を進めてまいります。

経済産業省は、引き続き、産消国と民間企業の皆様との対話を通して、LNGの安定供給と現実的なエネルギー移行の実現に向けた取組を続けてまいります。

 

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担当

資源エネルギー庁 資源・燃料部
資源開発課長 長谷川
担当者:平井、中、桑野
電話:03-3501-1817(直通)
メール:bzl-lng★meti.go.jp
※ [★]を[@]に置き換えてください。

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