農林水産省・新着情報

野村農林水産大臣記者会見概要

日時 令和5年7月28日(金曜日)10時54分~11時05分 於: 本省講堂
主な質疑事項
  • 中国による日本産食品の輸入規制について
  • スマート農業の推進について

質疑応答

  • 中国による日本産食品の輸入規制について(1)

記者

  日本産食品への輸入規制についてお伺いします。今週に入って、中国が日本産の米や酒などの輸入時に放射性物質(の検査)を行っているとか、あと香港やマカオでも、同様に水産物以外の食品も輸入規制を厳格化したとの報道が出ています。農林水産省として把握している事実関係と、今後の対応方針についてお聞かせください。

大臣

  中国や香港、マカオにおいて、水産物から始まって、米や野菜などの食品の通関に遅延が生じているという報道については承知しており、現在、政府として詳細な状況を確認しているところです。日本産食品の安全性については、科学的に証明されており、輸入規制は科学的根拠に基づき早期に撤廃すべきだということを申し上げています。EUについては、先般、岸田総理が訪問したときに、(日本産食品に対する全ての輸入)規制を撤廃しました。科学的な根拠に基づいて、EUも判断したと思っていますが、このような(中国をはじめとする通関の遅延という)新たな問題で、実際に遅延が生じていると思いますが、(中国に対しては)外務省、大使館等を通じて申し入れをしています。今後、(中国、香港及びマカオに対しては、現行の規制の早期撤廃を求めるとともに更なる規制の強化を行わないよう)IAEA包括報告書も踏まえて、関係省庁と連携して、強く働きかけていきたいと思います。

  • 中国による日本産食品の輸入規制について(2)

記者

  今の質問に関連して、水産物以外の米や野菜などの遅延の、農林水産省としてもそういった相談があったり、何らかの形でそういう事象が起きているということは、把握しているということでよろしいでしょうか。

大臣

  そういうことが起こりつつあるということは把握しています。調査を行ったわけではなく、輸出を行っている関係者などから「なかなか検査が通らない」というような話は聞いています。具体的にどういった止め方をされているのかなどについては、(詳細な状況を確認しているところです。)

記者

  これは輸入規制といいますか、検査を厳密にするということで、なかなかこう規制とも言えなくて、難しいところだと思うのですけれども、外務省を通じて、そういったその厳格化に対しても、申し入れといいますか、そういった対応をとらないようにということは、伝えているということでよろしいでしょうか。

大臣

  通関の事務が、例えば通常で1週間ぐらいしかかからないものが3週間もかかり、生ものがだめになっていくなどの話はまだ聞いていません。そういうことが現場で少しずつ起こりつつあるというのは、想定できるのですけれども、詳細な状況がまだ確認できていませんので、具体的な事象が出てくれば、大使館等を通じて情報が上がってくれば、対応していかなければならないと思います。今回のALPS処理水(放出計画)がどうこうということではなく、通関の事務が滞っているという話だけでは、私どもも真正面から言えないところもあるのです。実際の通関事務が遅れているという、原因が明確になっていないので、こちらとしても正面切ってそれはだめではないのかと言えないのです。例えば、EU(の輸入規制)では、いろいろな証明書(の添付)はもう必要ないのではないかと、(科学的根拠に基づき)証明されているのだからと正面から(働きかけて)いったのですけれども。今回は通関が遅れているというだけですから、まだ具体的な現象というのを完全に把握していませんので、詳細な状況を確認してどうするかというのは、外務省、経済産業省とも話をしていかなければならないだろうと思います。

  • スマート農業の推進について

記者

  7月11日に開催された農業DX構想の改訂に向けた有識者検討会において、担当部局からスマート農業の振興の法制化を進めるとの発言がありました。この法制化に向けた取組の状況はいかがでしょうか。

大臣

  スマート農業の法制化につきましては、「(食料・農業・農村政策の)新たな展開方向」の中でも、明確にしていまして、スマート技術等の新技術の開発の推進、技術等に対応するための生産・流通・販売方式の変革などの取組を促進する仕組みについて検討するということです。法律の内容については、まだ検討はしていませんし、今後、内容について検討を進めていきたいと(思っています)。

記者

  関連して、先ほど、新たな展開方向というところ御発言ありましたが、その柱として位置付けられているスマート農業を、今後どのように取り組んでいかれるか、お聞かせください。

大臣

  スマート農業につきましては、今まで、全国217か所で、実証事業をいろいろな分野でやっています。これらをまとめて、今後どういうふうにしていけば、スマート農業が進んでいくのかというところを検証していかなければならないだろうと思います。私がよくやっていると思っているのは、地元・鹿児島でも、初年度は10か所でやって、その後も追加しながら、この実証事業をやっているのですけれども、皆さん喜んでいるというか、これだったらやれるというような(実証事業)が出てきました。これらをまとめて、法律はどこを改正していけばいいのか、現在ある法律のどこを改正していけばいいのかというのを今から検討していきたいと思っています。まずはこの217の実証事業をよく検証してみたいと思います。

報道官

  よろしいでしょうか。それでは、これで大臣会見を終わります。

以上

 

発信元サイトへ