外務省・新着情報

令和5年7月29日
アリ・サブリー外務大臣と握手しながら記念撮影をする林外務大臣
日・スリランカ外相会談が行われている様子
日・スリランカ両外相による共同記者発表の様子

 現地時間7月29日、午前11時(日本時間午後2時30分)から約1時間50分、スリランカ民主社会主義共和国を訪問中の林芳正外務大臣は、アリ・サブリー外務大臣(Hon. M.U.M. Ali Sabry, Minister of Foreign Affairs of the Democratic Socialist Republic of Sri Lanka)と外相会談及びワーキング・ランチを行ったところ、概要は以下のとおりです。

  1. 冒頭、林大臣から、日・スリランカ関係は外交関係樹立70周年を迎えた昨年以降、ウィクラマシンハ大統領の二度にわたる訪日を始め、要人往来が活発化していることを歓迎する旨述べるとともに、インド洋におけるシーレーン上の戦略的要衝に位置し、「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」の実現の観点からも重要なパートナーであるスリランカに今後も積極的に協力していきたい旨述べました。
  2. 林大臣から、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持・強化を含むG7広島サミットの成果と「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」の新たなプランについて説明し、またスリランカが10月から議長を務める環インド洋連合(IORA)との協力を重視する旨述べました。サブリー外相からは、IORA議長国として日本の積極的な関与を期待する旨の表明がありました。
  3. 林大臣から、債務再編プロセスの更なる進展を期待しつつ、全ての債権国が参加する透明かつ公平な債務再編の重要性について述べました。サブリー外相からは、スリランカは透明かつ公平な債務再編プロセスにコミットしている旨の発言があるとともに、債務再編を巡る議論における日本の貢献に対し、改めて謝意の表明がありました。
  4. 林大臣から、スリランカのIMFとの合意に基づく、汚職対策や政策決定過程の透明化を含むスリランカの努力を評価し、スリランカが一日も早く発展への軌道に戻ることを期待する旨述べました。また国民和解について、テロ防止法の改正や真実和解委員会の設置に向けた取組が進められていることを評価し、かかる取組を日本としても後押ししていく旨述べました。サブリー外相からは日本の協力に対し謝意が表明されました。
  5. 両大臣は、核軍縮・不拡散を含む国際的な課題について意見交換を行い、林大臣からスリランカ政府によるCTBT批准を高く評価し歓迎する旨述べました。
  6. 林大臣より、ALPS処理水についての我が方立場を述べ、これに対しサブリー大臣より、スリランカはIAEA加盟国であり、IAEAのプロセスを信頼している旨の発言がありました。
  7. また両大臣は、ウクライナ情勢や東アジア情勢を含む地域情勢についても率直な意見交換を行いました。この中で、黒海を通じてウクライナからの穀物輸出を世界各地に届けてきた黒海穀物イニシアティブの取組の重要性を改めて確認するとともに、ロシアにより同イニシアティブが終了したことは食料不安に対処する国際社会の取組に完全に逆行しており極めて遺憾であるとして、ロシアに対して国際社会が一致して強く働きかける必要がある旨確認しました。

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