外務省・新着情報

令和5年8月2日

 私は日本の外務大臣として初めて、ウガンダを訪問します。「アフリカの真珠」と呼ばれるほどに美しい国土を有するこの国への訪問を以前から楽しみにしており、今回の訪問を大変嬉しく思います。
 日本が他国に先駆けて立ち上げたアフリカ開発を協議するアフリカ開発会議(TICAD)、昨年8月に開催したその8回目の会合では、日本は、アフリカと「共に成長するパートナー」でありたい、アフリカ自身が目指す強靱なアフリカの実現に向けて協力したいとの確固たる意思を表明しました。
 なぜ、今このタイミングで私がウガンダを訪問するのか。それは偶然ではありません。本年、日本は、G7議長国として、アフリカの「声」を直接聞くことを重視しています。そして、インド洋沿岸国と内陸国とを結ぶ要所にあるウガンダを訪れ、国際社会が抱える様々な課題について意見交換するとともに、どうやって両国が協力していけるか、具体的に議論したいと考えたためです。

 国際社会は今、歴史の転換期にあります。ロシアによるウクライナ侵略は、食料危機や肥料価格の高騰を含め、特にアフリカに大きな影響を及ぼしています。また、気候変動・エネルギー、不透明で不公正な開発金融等、国際社会が直面する様々な課題に効果的に対応していくために、国際社会が連携して対応していく必要があります。
 ロシアによるウクライナ侵略は、欧州の安全保障の問題であるのみならず、国際秩序の根幹を揺るがす暴挙です。今日のウクライナは明日の東アジアかもしれず、アフリカかもしれず、世界のどこでもあり得ることです。こうした危機感をウガンダの皆様とも共有したいと思います。
 また、ロシアは黒海穀物イニシアティブ(BSGI)を一方的に終了する決定をしました。極めて遺憾なことです。本イニシアティブは食料を必要とする国や地域に届け、食料価格の安定や世界の食料安全保障に貢献していた大事な取組です。ロシアが国際的な枠組みに復帰し、ウクライナからの穀物輸出が再開されるよう、ウガンダにも共に声を上げていただけることを期待しています。
 国際法を擁護し国際秩序を維持することは、全ての国にとって、明白な責任であるとともに、明白な利益です。日本は、ウガンダを含むアフリカ諸国と共に、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を守り抜く考えです。

 二国間関係に目を向ければ、日本はウガンダの独立以来、内陸国とインド洋沿岸国を結ぶ要所にあるウガンダの連結性を向上させるべく、ケニア・モンバサ港からウガンダ、そしてルワンダ、ブルンジ、コンゴ民主共和国を結ぶ東アフリカ地域の国際幹線道路「北部回廊」上にあるナイル架橋建設をはじめとするインフラ分野などでの協力を行ってきました。TICAD8で表明したとおり、日本は「人への投資」を重視しており、50年以上にわたりナカワ職業訓練校への支援を実施してきたほか、現在、ICT分野での人材育成の技術協力なども行っています。
 さらに、ウガンダの食料安全保障の確保及び農業従事者の所得向上に資するべく、高収量のアジア稲と病気や雑草に強いアフリカ稲を交配して誕生したネリカ米の普及を含む稲作の振興支援も行ってきました。ロシアによるウクライナ侵略により、食料安全保障の確保がますます重要な課題となっている今日、同分野における協力の重要性は一層高まっています。これら協力を通じて、日本は引き続き、ウガンダの経済・社会開発に貢献していきます。
 また、アフリカのスタートアップが世界的な注目を集める中、2021年に行われたJICA等主催のビジネスプランコンテストで、妊産婦の死亡率の危険因子を検出できる携帯型超音波診断装置を提供するウガンダの企業が優勝するなど、日本においても、ウガンダのスタートアップへの関心が高まっています。着実な経済成長を続けるウガンダとの間で、ビジネス・投資を更に進めていきたいと考えています。

 今回のウガンダ訪問を通じ、日・ウガンダ二国間関係のさらなる発展について、また、国際社会が直面する様々な課題について、東アフリカの平和と安定の要であるウガンダの同僚の方々と率直に議論し、両国間の連携強化を図りたいと思います。


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