外務省・新着情報

令和5年8月8日

 8月8日(現地時間同日)、フィリピン共和国の首都マニラにおいて、越川和彦駐フィリピン共和国日本国特命全権大使と、エンリケ・マナロ・フィリピン共和国外務大臣(Hon. Enrique A. Manalo, Secretary for Foreign Affairs of the Republic of the Philippines)との間で、300億円を限度とする災害復旧支援のための円借款(注)、及び11億円を限度とする衛星通信システム関連機材の供与のための無償資金協力「経済社会開発計画」に関する書簡の署名・交換が行われました。

(注)円借款: 開発途上国に対してインフラ等の整備や財政上必要な資金を緩やかな条件(低い金利や長い返済期間)で貸し付ける協力。開発途上国にとっては、日本への返済を前提とした資金なので、効果的な活用や自立的発展に繋がることが期待される。

  1.  災害復旧スタンド・バイ借款(フェーズ3)
    1. 対象案件の概要
       フィリピンは、東南アジアにおいて最も自然災害の多い国の一つです。
       本案件では、災害リスク低減・管理に係るフィリピン政府の政策を支援します。また、災害発生後の復旧時に増大する資金ニーズに備えるため、災害宣言の発出等をもって同国政府が災害復旧費用の貸付けを請求できることをあらかじめ合意することにより、同国の迅速な復旧を支援します。
    2. 供与条件
      ア 金利:年0.01%(固定金利)
      イ 償還期間:40年(10年の据置期間を含む。)
      ウ 調達条件:アンタイド
  2. 衛星通信システム関連機材の供与(無償資金協力「経済社会開発計画」)
     フィリピン沿岸警備隊は人命救助、海域監視、海上警備等、海上保安業務のために様々な場面で活動しています。しかしながら、現在の同国沿岸警備隊の通信体制は脆弱であり、特に洋上の船と陸上間での通信手段が確立されていません。本計画は衛星通信システム関連機材を供与することにより、同国沿岸警備隊の海洋状況把握(MDA)能力及び海上法執行能力の向上を図り、フィリピンの経済社会開発やスールー・セレベス海とその周辺地域における協力強化、ひいては「自由で開かれたインド太平洋」の実現に寄与することが期待されます。
(参考1)フィリピン共和国基礎データ

 フィリピン共和国は、面積約30万平方キロメートル(日本の約8割)、人口約1億1,138万人(2021年、世界銀行)、人口一人当たりの国民総所得(GNI)は3,640米ドル(2021年、世界銀行)。

(参考2)フィリピン政府が行う災害リスク軽減・強靭性強化に係る政策アクション

  1. 災害リスク削減・管理に係る政策・制度的枠組みの強化  
  2. 自然災害及び気候変動に対する財務的強靭性の強化  
  3. 自然災害及び気候変動に対する農業強靭性の強化

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