外務省・新着情報

令和5年8月22日

 8月22日午前1時(現地時間21日午後6時)から約90分間、外務省のユース非核特使として日本からジュネーブを訪問している22名の高校生平和大使と、国連軍縮フェローシップ・プログラム参加者24名との意見交換が、小笠原一郎軍縮会議日本政府代表部大使主催のレセプションにおいて行われました。この意見交換会には、メラニー・レジンバル国連軍縮部ジュネーブ事務所長や国連軍縮フェローシップ・プログラムに参加する各国の若手外交官等が参加しました。

  1. 冒頭、小笠原大使から、広島、長崎における核兵器使用の経験に関する認識が核廃絶への国際的共同努力を支えるべきであり、このような経験を世代と国境を越えて伝えて行くことは日本の使命である旨、挨拶を行いました。
     続いて、国連軍縮部ジュネーブ事務所長、そして、国連軍縮フェローシップ・プログラム参加者を代表して、南アフリカ軍縮代表部の書記官が、国連軍縮フェローシップの意義やユースによる発信や交流の重要性等について述べるとともに、高校生平和大使の訪問を歓迎しました。
     これに続き、高校生平和大使の代表者が家族の被爆体験を語り、核兵器のない世界の必要性を訴えました。その後、高校生平和大使と国連軍縮フェローシップ参加者は自由な意見交換を行いました。
  2. この意見交換の機会は、高校生平和大使のジュネーブ訪問の機会をとらえ、同時期にジュネーブで軍縮外交に関する専門性向上のためのプログラムに参加する各国若手外交官と高校生平和大使を共に招待し、核軍縮等について率直な意見交換をしていただくために、軍縮会議日本政府代表部が催したものです。
  3. 高校生平和大使は本22日、ジュネーブ軍縮会議を傍聴した後、国連軍縮部ジュネーブ事務所を訪問し、活動の報告及び核廃絶に向けた署名の提出を行う予定です。
     また、国連軍縮フェローシップに参加する若手外交官は、本年9月28日から10月4日にかけて日本を訪問し、広島、長崎等を訪問する予定です。
(参考1)高校生平和大使

 1998年のインド・パキスタンの核実験を契機に開始。2001年から毎年、核廃絶を求めて高校生が集めた署名を国連欧州本部(於:ジュネーブ)に届ける取組(高校生1万人署名活動)を続けている。本年は第26代高校生平和大使22名及び第25代高校生平和大使1名の計23名が、8月20日から23日の間、スイスを訪問(外務省からはユース非核特使としての委嘱を行っている。)。

(参考2)ユース非核特使

 被爆者の高齢化が進む中で、被爆の実相の次世代への継承と活動の後押しを行うことを目指し、軍縮・不拡散分野で活発に活動する若い世代の人々に対して外務省として「ユース非核特使」の名称を付与するもの。2013年4月9日にオランダのハーグで開催された軍縮・不拡散イニシアティブ(NPDI)第6回外相会合において,岸田文雄外務大臣(当時)が「ユース非核特使」制度の立ち上げを発表し、これまでに47件692名に委嘱。

(参考3)国連軍縮フェローシップ

 特に発展途上国における軍縮専門家を育成することを目的とした国連による研修プログラム。1978年の第1回国連軍縮特別総会において実施が決定されたもの。対象は各国の若手外交官や国防関係者等。毎年日本をはじめとする、軍縮・不拡散に関係のある国際機関や国を訪問している。


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