外務省・新着情報

令和5年8月24日

 8月24日、林芳正外務大臣は、地方の魅力を世界に発信する「地方を世界へ」プロジェクトとして、駐日外交団と共に長野県を訪問したところ、概要は以下のとおりです。

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長野県内視察

諏訪大社上社本宮で写真撮影する林外務大臣と参加大使
諏訪大社上社本宮を視察する林外務大臣と参加大使

(1)諏訪大社上社本宮(諏訪市)
 午前、林大臣は、駐日外交団と共に、全国各地にある諏訪神社総本社であり、国内最古の神社の一つとされている「諏訪大社」を視察し、その歴史や建造物としての特徴について説明を受けました。

カモシカシードル醸造所を視察する林外務大臣と参加大使
カモシカシードル醸造所で写真撮影する林外務大臣と参加大使

(2)カモシカシードル醸造所(伊那市)
 この後、林大臣は、駐日外交団と共に、地元の特産物であるリンゴを使ったシードルやスパークリングワインを製造・販売する会社である「カモシカシードル醸造所」を視察し、シードル醸造の工程などについて説明を受けました。

視察する林外務大臣と参加大使
隊員候補生と対面する林外務大臣

(3)駒ヶ根青年海外協力隊訓練所(駒ヶ根市)
 午後、林大臣は、駐日外交団と共に、国際協力機構(JICA)の駒ヶ根青年海外協力隊訓練所を視察し、開発途上国への派遣に向けた訓練中の隊員候補者を激励しました。引き続いて行われた懇談では、隊員候補者から、派遣先国での活動について抱負を述べました。

集合写真撮影の様子
伊藤駒ヶ根市長及び宮下衆議院議員と意見交換する林外務大臣

(4)伊藤駒ヶ根市長及び宮下衆議院議員との意見交換(駒ヶ根市)
  その後、林大臣は、伊藤駒ヶ根市長及び宮下一郎衆議院議員と、駒ヶ根市における国際協力の取組などについて意見交換を行いました。
  伊藤市長から、市の様々な取組について説明があったのに対し、林大臣からは、地方の活発な取組が国際的な相互理解、国際社会における日本の地位の向上等の面で、外交上の重要なプレイヤーとしての役割を果たしており、外務省としてもしっかりと連携していきたい旨述べました。

昼食会で挨拶する林外務大臣
昼食会参加者と写真撮影する林外務大臣
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長野県知事、伊那市長、駒ヶ根市長、諏訪市副市長、地元経済関係者及び駐日外交団との昼食意見交換会
 林大臣は、阿部守一長野県知事、白鳥孝伊那市長、伊藤祐三駒ヶ根市長、後藤慎二諏訪市副市長、長野の経済関係者及び駐日外交団と共に、地元食材を使った昼食をとりながら、長野の魅力を地域の経済の活性化に繋げていくための効果的な発信等について意見交換を行いました。また、林大臣から、本年4月に長野県軽井沢町で、議長国としてG7外相会合を主催し、G7外相間の連携を確認したことや、同会合でのもてなしの機会に南信を含む長野県各所の豊富な食材や食品をふんだんに用い、長野県の食文化の魅力発信も行ったことを紹介し、長野がさらに世界に発信されることを期待している旨を述べました。

車座対談の様子
車座対談参加者と写真撮影する林外務大臣
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長野を拠点に活躍する方々との車座対話
 また、林大臣は、 長野県を拠点に国際協力、観光・スタートアップ、農業・環境、特産物、文化の各分野で活躍されている6名の方々の間で、「長野を世界へ」をテーマに車座対話を実施しました。
 林大臣からは、G7広島サミットや数多くの外国訪問等を通じ、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の重要性を再確認したことを紹介し、今後も関係国と一層緊密に連携し、国際社会が直面する課題に対処して行くことを述べるとともに、長野県は、ぶどうやコメを始めとする農産品、ワインや日本酒などの輸出が活発であることや、伝統文化振興などのインバウンド拡大の可能性といった大きな潜在力を有していることに触れ、海外の方々が、日本の食・文化・観光といった長野県の魅力に触れる機会を促進し、また、長野県の皆様の温かい気持ちに根ざした国際協力・国際交流を力強く進めていく旨述べました。
 参加者からは、自らの経験に基づく・提言が寄せられ、活発な意見交換が行われました。

(参考1)「地方を世界へ」プロジェクト

 「地方を世界へ」プロジェクトは、外務大臣及び外務副大臣が、駐日外交団と共に我が国の地方を訪れ、駐日外交団に地方の魅力を体験してもらい、また、地域の方々との対話を通じて地方への理解を深めてもらい、外交団から自国民への発信を促すことにより、インバウンド需要を喚起し、地域の更なる活性化を目指すもの。今回は、昨年11月の長崎県、同年12月の宮城県及び山形県(ただし駐日外交団は同行せず。)、本年2月の岡山県、本年6月の秋田県への訪問に続く第5弾。

(参考2)同行駐日外交団

 カナダ、ガーナ、ブラジル、ネパール、ベトナム、シンガポール(6か国)

(参考3)視察先概要

  1. 諏訪大社上社本宮
     諏訪大社は、長野県の諏訪湖の周辺に4か所の境内地をもつ神社で、上社(前宮、本宮)と下社(春宮、秋宮)の二社四宮からなる神社である。全国各地にある諏訪神社総本社であり、 国内最古の神社の一つとされている。諏訪大社の歴史は大変古く、古事記の中では出雲を舞台に国譲りに反対して諏訪までやってきて、そこに国を築いたとあり、また日本書紀には持統天皇が勅使を派遣したと記されている。本殿を持たない「諏訪造り」という独特の様式が用いられており、上社建造物のうち六棟は国の重要文化財に指定されている。
  2. カモシカシードル醸造所
     カモシカシードル醸造所は、2016年に長野県伊那市に設立された、リンゴから作られたシードルやスパークリングワインを製造・販売する会社であり、リンゴのフレッシュな味と果実味をシードルでも実現するため、原料となるリンゴや酵母、醸造タンク等の醸造環境にもこだわった、長野初のシードル専門の醸造所である。製造されるシードルは、2016年の製造開始以来、シードルの国際コンクールであるFuji Cider Challenge(フジ・シードル・チャレンジ)において、2017年から2022年まで6年連続受賞している。
  3. 駒ヶ根青年海外協力隊訓練所
     JICA海外協力隊は、開発途上国や、中南米地域の日系人社会からの要請に基づき派遣され、 現地の人々と共にその国や地域の課題解決に取り組む。派遣期間は原則2年間。また、駒ヶ根青年海外協力隊訓練所は、1968年に設立された広尾訓練所(2012年に閉鎖)に次ぐ2番目の派遣前訓練所として1979年に開設。 JICA海外協力隊員として必要な心構えや、言語や異文化理解など必要最低限の知識や能力・適性を養うことを目的として、約60日間の合宿制で実施。これまで、駒ヶ根訓練所で訓練を修了し、出発済みの隊員人数は21,000名を超える。

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