外務省・新着情報

令和5年8月26日
岸田総理大臣のビデオメッセージの様子
林外務大臣が基調演説を行う様子
会場に設置されたブース会場の様子

 アフリカ開発会議(TICAD)が1993年に立ち上げられ、本2023年が30年になることを記念し、8月26日、TICAD30周年行事「TICAD30年の歩みと展望」を東京で開催しました。林芳正外務大臣及び髙木啓外務大臣政務官が参加した他、国会議員、在京アフリカ大使館、民間企業、市民社会、学術界、地方公共団体などから約400名が参加しました。また、関係省庁、国際機関等によるブース展示(和文(PDF)別ウィンドウで開く英文(PDF)別ウィンドウで開く)も実施されました。

 冒頭、岸田文雄内閣総理大臣がビデオメッセージ(和文(PDF)別ウィンドウで開く英文(PDF)別ウィンドウで開く仏文(PDF)別ウィンドウで開く)を発出し、TICADのこれまでの歩みと今後の展望について活発な意見交換が行われ、2025年に横浜で開催予定のTICAD9を始め、今後のアフリカの発展と安全に繋がることへの期待を述べました。そして、林外務大臣が基調講演(和文(PDF)別ウィンドウで開く英文(PDF)別ウィンドウで開く)を行い、アフリカとの関係強化は最優先課題の一つであると述べるとともに、2025年に横浜で開催されるTICAD9を視野に入れ、アフリカとの戦略的なパートナーシップを構築に繋げていくことを宣言しました。

 その後、官民のパネリストの出席を得て、3つのパネルを開催し、活発な議論が行われました。議論の主要点は次のとおりです。

1 パネル1「TICAD30年の歩み」

森元総理大臣が挨拶を行っている様子
セッション1が行われている様子

 冒頭、森喜朗元内閣総理大臣が挨拶を行い、2001年に行われた現職の総理大臣として初めてのサブサハラ・アフリカ訪問、2003年の日・アフリカ連合(AU)議員連盟創設等に触れつつ、先人の努力に言及し、TICAD30年の歩みを振り返りました。
 その後引き続いて行われたパネルディスカッションでは、TICADがこれまで達成してきた成果、TICADの価値、TICADに対する評価等についての議論が行われました。TICADが提唱してきた、アフリカ開発におけるアフリカ諸国の「オーナーシップ」と国際社会による「パートナーシップ」の重要性や、多様なアクターの取組を促すプラットフォームとしての機能の有用性が確認されました。また、TICADを活用し、貧困撲滅、民間投資の促進等について、更に取組を加速する必要があるとの認識が示されました。さらに、その他の開発フォーラムと比較し、TICADが今後ともパートナーシップに基づく取組であり続けることが重要との声もありました。同時に、TICAD開始以降、アフリカは大きく発展してきているものの、更に取組を加速する必要があるとの認識も示されました。

2 パネル2「TICADの変化、援助から民間投資へ」

パネル2が行われている様子

 TICADが官民連携の促進にどのように活用できるか、また、アフリカの持続可能な成長への貢献、更にはアフリカでのビジネス促進における課題等について取り上げられました。ここでは、アフリカビジネスの形態が多様化しているとの指摘や、まずは日本の経済活動を拡大した上で、TICADをアフリカにおける日本企業ビジネス拡大の一つのきっかけとしつつ、アフリカの市場を見る目を養うことが必要であるとの指摘がありました。また、インパクト投資の重要性、アフリカ企業と日本企業のマッチングや、ハード、ソフト及び人材のインフラ等の支援の必要性、持続可能な発展の伴走者としての支援、アフリカにおけるグリーン成長の促進、外国企業との連携の重要性等が指摘されました。

3 パネル3「TICADの将来」

パネル3が行われている様子

 現下の厳しい国際情勢を踏まえ、TICADが今後果たしていくべき役割、「日本らしい」アプローチと日本の役割について議論が行われました。TICADを国際的なプラットフォームとして気候変動・食料安全保障などの地球規模課題への取組に活用することの必要性や、開発資金の確保、人材育成・技術移転やスタートアップとイノベーションの重要性が指摘されました。また、アフリカが魅力的なビジネスのフィールドであるという認識を広める必要があるとの指摘や、日・アフリカ関係の深化に向けてオールジャパンで取り組むことの重要性、TICADの知名度拡大の必要性等についても意見が述べられました。

挨拶を行う髙木外務大臣政務官と登壇した若者の様子

 3つのパネル終了後、逢沢一郎衆議院議員(日・AU議連会長)が挨拶し、TICADをアフリカにとって一層魅力的なものとする必要性を強調しつつ、アフリカを希望の大陸としていくことを訴えました。最後に、髙木政務官が閉会挨拶(和文(PDF)別ウィンドウで開く英文(PDF)別ウィンドウで開く)を行い、本行事における各パネルの議論を総括した上で、日本とアフリカの未来を担う若い世代への期待を表明し、本行事に参加した日本の学生並びに「アフリカの若者のための産業人材育成イニシアティブ」現役生及び修了生を壇上に紹介しました。登壇した代表者からは、本行事に参加した感想や、将来どのように日・アフリカ関係に貢献していきたいかという自らのビジョン等について発言がありました。その上で、髙木政務官から、本行事での議論を、2024年に東京で開催されるTICAD閣僚会合及び2025年に横浜で開催されるTICAD9に繋げていく旨述べました。

(参考1)アフリカ開発会議(TICAD)

 アフリカ開発をテーマとする国際会議。1993年の第1回会議以降、2013年の第5回会議までは5年に1回開催され、2016年に初めてアフリカ(ケニア・ナイロビ)で行われた第6回会議からは、3年に1度の開催となった。直近の第8回はチュニジアの首都チュニスで開催され、第9回は2025年に横浜で開催予定。我が国政府に加え、国連、国連開発計画(UNDP)、世界銀行及びアフリカ連合委員会(AUC)がTICADの共催者となっている。

(参考2)パネルディスカッション出席者

  1. パネル1
  2. パネル2
  3. パネル3

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