外務省・新着情報

冒頭発言

(1)国連関係機関における日本人職員数

【小野外務報道官】冒頭私(小野外務報道官)から2件ございます。
 まず1点目が、国連関係機関における日本人職員数についてです。
 国際機関で活躍する日本人職員の人数について、最新数値が出ましたのでお知らせいたします。昨年末現在、国連関係機関における日本人職員数は、過去最高の961名となりました。2025年までに1,000人を達成するとの政府目標に向けて、進捗してきています。
 外務省としては、今後とも、国際機関に活躍の場を求め挑戦をする方々を支援してまいります。

(2)日米交流事業(SEED)

【小野外務報道官】続きまして2点目は、米軍施設・区域を活用した日米交流事業についてです。
外務省は、2020年度から米国防省教育部(DoDEA)ドディアとの共催で、在日米軍施設・区域が所在する地域において、地元の中高生と米軍人の子女との交流事業を実施しています。参加をされた学生や地元の自治体からは、お互いを理解し、関係性を深める良い機会となったとの声もいただいています。これまでも複数のメディアに取り上げていただいて、大変有意義な交流事業となっています。
 本事業を通じて、更なる日米交流が開花するきっかけとなるよう、いわば「種」を与えられるように、という思いから、本年度からこちらの事業の英語の名称をSEED、これは種という言葉の英語ですが、Student Educational Exchange and Dialogue(SEED)と改めました。
 来月の9日及び10日に、東京都の横田飛行場において、このSEEDの第1回目を実施いたしまして、10日にはこの事業についての取材機会も設けさせていただきます。その後、山口県の岩国飛行場、沖縄県の嘉手納飛行場、長崎県の佐世保海軍施設、神奈川県の横須賀海軍施設及びキャンプ・座間、青森県の三沢飛行場で、順次このSEED事業を開催していく予定となっています。
 外務省としては、このSEEDが、在日米軍と地元社会との相互理解の促進に貢献をするとともに、国際社会で活躍する人材育成にもつながることを期待しています。
私(小野外務報道官)からは、冒頭、以上になります。

ALPS処理水(WTO提訴)

【北海道新聞 荒谷記者】中国の水産物について伺います。昨日、林大臣は、今日官房長官も言っていましたが、日本は、引き続き、WTOの枠組みなどの下で必要な対応を行うと述べていますけれども、昨日、高市大臣は会見で、そのWTOへの提訴に触れて、対抗措置を検討しておく段階に入っていると述べています。政府として、今、そのWTOの紛争解決手続の活用を、どのように考えているのかをお尋ねします。

【小野外務報道官】我が国として、中国側の科学的な根拠に基づかない一連の本件措置は、全く受け入れることはできず、累次にわたって即時撤廃を求めてきています。
 その上で、これまでも、中国による日本産食品に対する科学的根拠のない輸入規制に対して、我が国は、WTOの場でも問題提起を行ってきています。今回の措置につきましても、様々な選択肢を念頭に、引き続き、WTOの枠組み等の下で必要な対応を行っていく方針です。

【読売新聞 谷川記者】その関連で、政府はWTOの枠組みなどを使ってその対応を行うということをおっしゃっていますけれども、WTO以外にどのような枠組みで対応することを考えていらっしゃるんでしょうか。見解をお聞きします。

【小野外務報道官】先ほど申し上げましたとおり、今回の措置について様々な選択肢を念頭に、引き続き、WTOやその他の関連措置の枠組み等の下で必要な対応を行っていく方針です。
 現在まさに、政府において、様々な検討を行っているところですので、これ以上の詳細についてはお答えは差し控えたいと思います。

ALPS処理水(外務省への迷惑電話)

【TBS 宮本記者】処理水の関連で伺います。日本各地に、中国から発信されていると思われる国番号86から始まる、いわゆる迷惑電話というか嫌がらせ電話が、各地で続いているようですが、外務省にもかかってきているか、件数・内訳などあれば教えてください。また、今後それに対してどういうふうに対策をとっていくか、考えがありましたらお聞かせください。

【小野外務報道官】8月25日以降、外務省の代表電話に対しても、数多くの迷惑電話がかかってきておりまして、今週に入って減少傾向にありますが、現時点まで断続的に継続しています。
 具体的な件数は、8月25日以降、合計500件前後ということで、そういった数の迷惑電話がございます。
 今ご指摘のとおり、外務省だけではなく日本国内において、中国から発信されていると思われる電話等の嫌がらせが多数発生しているほか、中国における日本の関連施設等に対しても、同様の事案が発生しています。こういったことは、極めて遺憾であり、憂慮しております。

【NHK 安藤記者】関連してお伺いします。そうした中国からの嫌がらせ電話などについてですが、今日、中国の有力紙の環球時報が社説で、事実上、沈静化を呼び掛けるような内容も掲載しているということでしたけれども、沈静化に向かっていくのかどうかをどう見てらっしゃるのかというのと、あと実際に、日本にかかってきている、外務省のみならず、国内にかかってきている苦情や嫌がらせ電話というのは、今週に入って減少傾向にあるのか、その辺の傾向が分かれば教えてください。

【小野外務報道官】先ほどお答えをさせていただきましたとおり、外務省の迷惑電話については継続しておりまして、合計500件前後の迷惑電話があります。他方、今週に入りましてから、若干減少傾向にあるということもまた事実でございます。
 その他については、それぞれ関係省庁で緊密に連携はしてございますけれども、外務省として全てにおいてお答えできる立場にはありません。
 また、御指摘の環球時報の記事については承知していますけれども、いずれにしましても、中国側に対して、状況の深刻化の防止のため、国民に冷静な行動を呼びかける等の適切な対応を早急に行うとともに、中国における在留邦人及び我が方公館の安全確保に万全を期すること、並びにALPS処理水について、正確な情報を発信することを、引き続き強く求めていく方針です。

ロシアによる歴史に関する一方的な発信への対応

【毎日新聞 村尾記者】話題変わりまして、ロシアの関連で伺います。最近、太平洋戦争当時の歴史問題に絡めて、ロシアが日本批判を強めているというような事案が続いていると思います。例えば、張鼓峰事件や731部隊を引き合いに出して、ソ連の対日参戦や、北方領土支配の正当化を図っているというふうに見られます。ロシアは今年9月3日を「軍国主義日本への勝利と第2次世界大戦終結の日」に名称変更し、これに向けて更なる発信が繰り返されるということも予想されますけれども、外務省としての受け止めや対応、見解を教えてください。

【小野外務報道官】ご質問いただきましたとおり、ロシア側が過去の歴史に関連して、様々な一方的な発言を繰り返していることは承知しています。そうした発言の逐一について、政府としてコメントすることはいたしませんが、この機会にいくつか申し上げておきたいと思います。
 まず第一に、戦後日本の平和国家としての歩みは今後も変わりません。我が国として専守防衛に徹して、他国に脅威を与えるような軍事大国とはならないということを、安全保障に関する基本的な原則として、日本としては、しっかりと堅持してきておりまして、昨年策定した国家安全保障戦略でも、その旨明記しているところです。我が国が再軍国主義化しているかのような主張は、全く当たらないと認識しています。
 第二に、我が国は、戦後一貫して、自由、民主主義、法の支配を擁護し、アジアのみならず世界の繁栄に貢献してまいりました。
 第三に、広島と長崎に原爆が投下されて78年間、核兵器が使用されていない歴史をないがしろにすることは、あってはならないと考えています。ロシアが核兵器の使用を示唆していることは、こういった考えと相容れるものではなく、極めて憂慮すべき事態と考えています。唯一の戦争被爆国である日本としては、ロシアによる核兵器による威嚇も、ましてや使用もあってはならないという立場は変わりません。ロシアが原爆をめぐって、いかなる主張をしようとも、こうした行動は正当化され得ないものです。
 また第四に、ロシアに対しては、過去の戦争をめぐって、日露両国民の間に無用な感情的対立を煽ることがないよう、適切に対応することを強く求めます。
 そして最後に、第五になりますが、改めてロシアに対しては、自らが現在ウクライナで行っている、明らかな国際法違反である侵略行為を一刻も早く止め、ウクライナから直ちに全ての部隊を撤収するよう、日本としては、改めて強く求めてまいりたいと思います。

ALPS処理水(中国からの迷惑電話)

【産経新聞 原川記者】先ほど確認です。外務省が受けた嫌がらせ電話の数ですが、500件前後というのは、これは全て国番号86からの電話であるというふうに理解してよろしいでしょうか。

【小野外務報道官】当方としては、外務省代表電話に対する迷惑電話の件数ということで、この数を把握しておりまして、この発信元については、改めまして調べさせていただきたいと思います。確認の上、また別途、御連絡をさせていただきたいと思います。

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