農林水産省・新着情報

野村農林水産大臣記者会見概要

日時 令和5年9月1日(金曜日)11時45分~12時01分 於: 本省講堂
主な質疑事項
  • (大臣から)防災の日について
  • ALPS処理水に関する会議後における発言について
  • 佐賀県における豚熱の発生について
  • 令和4年新規就農者数について
  • 「水産業を守る」5本柱の政策パッケージについて

冒頭発言

大臣

  私の方から1点御報告がございます。本日9月1日は「防災の日」であり、関東大震災の発生からちょうど100年を迎えたところですが、先ほど、官邸で首都直下地震を想定した訓練が行われました。当省においても、農林水産省緊急自然災害対策本部設置訓練を行うとともに、地方農政局等において、徒歩参集訓練と災害対策本部の設置訓練を行ったところです。今年は、石川県能登地方を震源とする地震や梅雨前線による大雨等により、農林水産業に大きな被害が発生しています。また、本格的な台風シーズンを迎えていることから、大規模な風水害や地震などの自然災害に備えていくことが重要です。近年、自然災害が頻発化、激甚化し、大規模災害のリスクに直面しています。平時から、防災意識の向上を図り、万が一の大規模災害発生時には速やかに初動対応を行うなど、しっかりと対応ができるように体制を今一度、確認・点検しておきたいと思います。本日、私からは以上です。

質疑応答

  • ALPS処理水に関する会議後における発言について(1)

記者

  大臣は昨日、処理水を汚染水と発言されたことについて謝罪されました。謝罪はし尽くされたとお考えでしょうか。また今後の進退について、どのようにお考えでしょうか。改めてお聞きします。

大臣

  昨日もお答えいたしましたが、昨日、記者の質問に対しまして、処理水という言葉を言い間違えたことについて、全面的に謝罪をして撤回したところですが、その間、福島の皆様をはじめ関係者の皆様に不快な思いをさせて申し訳なかったという気持ちでいっぱいです。今回の反省を踏まえて、改めて緊張感をもって、水産事業者に寄り添った対策の実施に万全を尽くしてまいりたいと思っているところです。

記者

  進退についてはいかがですか。

大臣

  今、申し上げましたように、進退については今回の反省を踏まえて、改めて緊張感を持って、水産事業者に寄り添って職務に当たりたいと思っています。

記者

  辞任のお考えはないということでよろしいでしょうか。

大臣

  今、申し上げたように今回の反省を踏まえて改めて緊張感を持って、水産事業者に寄り添った職務に当たっていきたいということです。

  • ALPS処理水に関する会議後における発言について(2)

記者

  汚染水の関係のことで質問させていただきます。昨日のぶら下がりでも、今日も謝罪のコメントを、下を向いて原稿を読みながらされているように見えて仕方がないのですが、反省とか謝罪というのは、やはり、紙を見て喋るというふうに誤解されてはいけないと思うのですが、紙を見ないで大臣のお言葉でまっすぐ前を向いて、大臣の思い・コメントをもう一度お聞かせいただけますでしょうか。

大臣

  昨日から申し上げているように、こういった間違いを起こしたことに対して、大変申し訳ない、不快な思いをさせて申し訳なかったと思っていますということを申し上げて、そういったことを踏まえながら、今までもそうだったのですが、私のところ(地元・鹿児島)も水産県でありますので、水産業の皆さん方、加工業者の皆さん方もたくさんおられますので、そういう皆さん方に寄り添った政策を行い、職務に当たっていきたいと、こう、顔を上げて言えばよかったのでしょうけれども、私はときどき口がすべってしまう恐れがあるので、間違わないように、昨日は読ませていただいたということですが、気持ちはもう大変反省をしているのが、紙を見て読んでいるのではないか、通り一遍で謝罪しているだけではないかというような印象をお受けになったのだろうと思いますが、本当に、昨日から反省をしているところでございます。

  • 佐賀県における豚熱の発生について(1)

記者

  佐賀の豚熱についてお伺いします。大臣のお膝元、鹿児島県、私の出身地、宮崎県。どちらとも養豚が非常に盛んです。佐賀の豚熱に関して、予防的ワクチンの接種を、例えば、宮崎県とか熊本県、鹿児島県、いわゆる佐賀県以外に予防的ワクチンを接種する、接種推奨地域に指定すれば、できるということをお聞きしているのですが、それについてお考えをお聞かせください。

大臣

  本日、牛豚等疾病小委員会を開催して、九州全体でワクチンを打つかどうかというご判断をしていただこうと思っています。他の地域も、この豚熱が発生したところは、ほとんど地域全体、(接種推奨地域に)指定をしてワクチンを摂取しているわけですから、これは佐賀が(九州の)一番端から(豚熱が)出ているということで、鹿児島とか宮崎は免れるかというのは分かりません。今日は4時半からの会合ですけれども、ここでご判断をし(ていただこ)うと思っていまして、他の地域と同じように、九州全体に打つのか打たないのか議論していこうと思っています。

  • ALPS処理水に関する会議後における発言について(3)

記者

  昨日の謝罪会見の後、特に漁業関係者の方ですとか、どういった意見、声が、大臣のもとに入ってきていますでしょうか。何かお話できるものがあればお聞かせください。

大臣

  漁業者の方から直接のご連絡はいただいておりません。ただ同じ党の人や立憲の方からも、励ましの声がありました。それは励ましというのはやはり、「大臣がああいう発言をしてはいけないよ」というのは一言あって、「しかしそれにもめげずに、これからも一生懸命やれと。」こういう励ましの声はいただきました。

  • 佐賀県における豚熱の発生について(2)

記者

  佐賀県の豚熱の関係でお伺いできればと思います。豚熱の発生が九州でも、久しぶりに確認されたということで、南九州中心に、九州は全国の飼育頭数約3分の1を占める畜産地域というところですけれども、この九州で豚熱が発生したことの受け止めと、あとワクチンの接種に関しては、今日夕方に会合を開くということではございましたけれども、それ以外に、農水省としての対応ですとか、九州への感染拡大を防ぐための取組としてお考えがありましたら、お聞かせいただけますでしょうか。

大臣

  九州でこの豚熱が発生したのは、平成30年以降初めてでして、北海道と九州だけがまだ未感染地域だったのですが、残念ながら、昨日の疫学調査で、豚熱だということがはっきりしました。しかも、1件ではなく、2件出たということで、私どもも、今まで恐れていたことがついに出てしまったという思いです。頭数でいきますと全国の3分の1(の豚生産が)九州に集まっているわけですから、いわば大養豚地帯ですので、ここに火がついたとなると大変なことだということで、昨日も藤木政務官が現地に飛びまして、知事とも綿密な打ち合わせをさせていただきました。これはどういった感染経路なのかというのは、今から専門的に検討していきますが、人か、鳥か、何が運んできたのか分かりませんが、その辺の感染経路も調べて、沖縄で出たことがあったので、沖縄で(感染した)のは残渣からではないかと言われていましたので、今回は、佐賀の唐津の方ですから、どういった感染経路で発生したのかというのは、非常に私どもも気になるところでして、農林水産省としては、今日の夕方の、(牛豚等疾病)小委員会の結論を待って、ワクチンを打つのか打たないのか、こういったことを検討して、今後進めてまいりたいと思っていまして、(牛豚等疾病)委員会で専門的な意見をお伺いしながら進めてまいりたいと思っています。

  • 令和4年新規就農者数について

記者

  新規就農者について伺います。令和4年の新規就農者数が発表されまして、前年から12%少なく、調査開始以来、最少という結果になりました。この結果への受け止めと、今後どのように対応されるお考えかお聞かせください。

大臣

  我々もこの12%減少というのがショックでして、今後の対応については、今回、(食料・農業・農村)基本法の見直しの中でも、新規就農者の皆さん方の育成というのが大きなテーマにもなっていますので、それらを踏まえながら、政策を集中させたいと思っています。新規就農者の方々が一番望んでおられるのが、機械などの導入なのです。農地もそうですが、機械等の導入に対して、都道府県と協力をしながら、今のところ1,000万円を限度に支援をしていますので、こういったものをよく皆さん方にも、こういったような制度がありますということも申し上げながら、新規就農者の人たちが希望を持って就農できるようにやっていきたいと思っていますが、一挙にはなかなかいかない。ですから、計画的に農業高校の生徒さんたちとか、中学校の生徒さんたちに農業に親しんでもらって、その中から育成していかなければいけないのかなと思っています。

  • 「水産業を守る」5本柱の政策パッケージについて

記者

  来週発表する処理水の関係で対策パッケージ、大臣もこれまで以上に力を入れるということなので、この来週発表する(対策パッケージは)、ほとんどが農林水産省の懸案だと思うのですが、その辺の大臣の思いを、何をやるのか、今決まっているものがあれば、お考えをお聞かせください。

大臣

  昨日、ぶら下がりの前に関係閣僚会合があって、農林水産省としてどういったことを考えているのか、というお尋ねがありましたから、私の方からは、輸出が止まっているわけですから国内消費拡大。それから生産の継続の維持、これが1つ目。2つ目は中国の輸入禁止があるものですから、他の国に転換をしていかなければなりませんので、輸出先の転換をしていくというのが2つ目。3つ目は、国内の加工体制の強化。ホタテは中国には殻付きを輸出していましたので、日本の場合も殻付きの殻を取る工場は小さいのがあるのですけれども、工場、ハード面の整備をしていかないと(いけないということです)。今までは殻付きで中国に輸出していましたので、これを日本の国内でもやって、殻を取ったものを輸出していくということ等に力を入れていかなければいけないだろうという、この3つについて、農林水産省としては検討していきたいと総理に申し上げ、総理からは、各省庁と連携して対策の具体化を速やかに検討してくださいという指示がございました。

報道官

  よろしいでしょうか。それでは、これで大臣会見を終わります。

以上

 

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