経産省・新着情報

2023年9月12日(火曜日)
10時58分~11時14分
於:本館10階記者会見室

冒頭発言

なし。

質疑応答

【内閣改造、ALPS処理水】

Q:1点目、13日の内閣改造があるとされておりますが、改造前にして現在の大臣の御心境をお聞かせください。例えば、経産省として引き続き取り組みたい分野があるかどうかなど、続投したいお考えはございますでしょうか。これが1点目です。
2点目、11日、昨日、処理水放出の第1回目分が終わったということで、こちらに関しての大臣の受け止めをお聞かせください。
また、中国などによる水産物の禁輸措置も続いておりますが、2回目分以降の放出に向けて、政府としてどのように事業者支援に取り組んでいくのか、大臣のお考えについて、こちらも併せてお聞かせください。よろしくお願いします。

A:まず明日、内閣改造など行われる予定と聞いておりますけれども、人事は総理の専管事項ですので、私から何か言うことは控えたいと思います。
その上で、どういう立場であれ、今は経産大臣という立場ですので、与えられた任務をとにかく前に進めると。日本の成長、そして安定のために、前に進めていくということで取り組んでおりますし、今後も与えられた任務を全力で取り組んでいきたいと考えております。
ALPS処理水の海洋放出について、8月24日に開始いたしまして、昨日、11日に第1回分、タンク10基分、約7,800立方メートルの放出が終了したと承知しております。
これまでのモニタリングの結果からは、後ほどちょっと詳しく言いますけれども、トリチウム濃度の1,500ベクレル/リットル未満という基準、これはWHOの飲用基準1万ベクレルの約7分の1ということで、十分に低い数字ですけれども、これまでのモニタリングの分析結果は極めて低い数字ですので、安全に進められていると認識しています。
今年度はこの第1回の7,800立方メートルを終えたところですが、同じ量を3回予定しております。次回の放出については、現場での点検などを踏まえて行いますが、引き続き安全性の確保に万全を期して行うこととしたいと思います。そして、今年度の放出トリチウム総量は約5兆ベクレルになります。
一方で、ALPS処理水の海洋放出以降、御指摘のように、中国、香港、マカオが日本の水産物に対しての輸入規制を拡大・強化してきております。極めて遺憾であるという中で、輸入規制措置の即時撤廃を引き続き求めていきたいと考えています。私どもとしてこのALPS処理水の安全性について、透明性高く、全てのデータを公表し、科学的根拠に基づいて即時撤廃を求めていきたいと考えています。
また、影響が出てきておりますので、既に用意をしております約800億円の基金に加えて、予備費の207億円で、計1,007億円の5本柱からなる政策のパッケージを発表しております。このパッケージを早急に実行に移して、全国の水産業支援に万全を期していきたいと考えております。
ちなみに、データも皆さん御存じのとおり、毎日公表しています。東京電力が迅速に結果を出すということで、毎日8月24日以降出しています。1回だけ1地点で、10ベクレルということですが、基準は先ほど申し上げたとおり1,500ベクレル未満ということで、これはWHOの飲料基準の約7分の1ということですし、700ベクレルが3キロ地点以内に出れば、あるいは10キロ四方内で30ベクレルを超えるものが出れば、直ちに放出を止めるということにしていますので、31日の時点で10ベクレル、それからより精密に厳格に行ったものでは、8月30日に採取したものが1から1.5ベクレル、それからその他4地点は出ていません。8月24日採取したものは200メートルの地点で2.6ベクレル、これも極めて低い数字ですし、その他は検出できる限界値未満であったということです。
そして、環境省も行っておりますが、全て下限値未満、水産庁は魚について毎日行っていますが、これも全て限界値未満ということ、福島県も同様です。
IAEAの検査も先般行われましたけれども、トリチウムについて、飲用の上限値未満、700ベクレル未満ということが発表されています。
それから、それ以外のものについては、セシウムについて3キロ圏内において毎日東京電力が実施していますが、これも限界値未満。
ガンマ線核種、これもセシウムなど全体で分かるものとして、これも検出下限値未満ということであります。
ストロンチウムなどについても環境省は実施予定としておりますが、トリチウム以外のものについては全て放出前に基準を満たしているということを確認しておりますので、大丈夫ですが、全て実施をしていく予定にしております。
こうしたモニタリングの分析結果は全て迅速に公表しております。透明性高く、科学的根拠に基づいて私どももしっかりと安全性を国内外にしっかりと説明していきたいと考えています。

【ALPS処理水放出需要対策基金】

Q:先ほど大臣から話があった基金の件、既に300、500と、あと200億の計画を設けていますが、300億の方で申請が既にあるという話をされていますが、今どれぐらいの件数が来ているのかということと、あと、速やかにこの支援を実行に移していきたいということですが、この実行の時期的なめどというのはいつ頃を念頭に置いていらっしゃるのか、その2点をお聞かせください。

A:まず、300億円の基金について、水産物の買取り・保管事業に関する支援ですが、先月末に申請を受領し、今月4日に最初の交付決定を行いました。現時点でその件以外の申請はまだ受領しておりませんが、相談を受けている案件、あるいは申請準備を進めている案件が幾つかございます。そういう報告を受けておりますので、相談に乗りながら、今後申請を受領次第、手続きを速やかに実施したいと考えております。
いずれにしても、丁寧にこの予算の説明も行いながら、影響が出ている場合には、適切な執行、迅速な執行を行って、風評対策、なりわい継続のための支援に万全を期していきたいと考えております。

【柏崎刈羽原子力発電所】

Q:一つ目の質問ですが、柏崎刈羽原発についてお伺いします。現在、再稼働のめどが立たない状況になっていまして、その理由をどのように分析されていますでしょうか。併せて、柏崎刈羽原発をいつまでに再稼働させるべきだとお考えなのか伺えますでしょうか。

A:御指摘の東京電力柏崎刈羽の原子力発電所ですけれども、一連の核物質防護事案を受けて、現在、原子力規制委員会により核物質防護に係る検査に加えて、この原子力発電所を運営する適格性についての検査も行われていると承知しています。
私からは、東京電力に対して、まずは規制委員会の検査に真摯に対応するよう、また、この核物質防護体制の再構築、そして地域からの信頼回復、緊張感を持ってしっかりと対応するように繰り返し伝えているところです。東京電力においては、引き続き全力を挙げて取り組んでもらいたいと考えています。
その上で、今申し上げたとおり、原子力規制委員会による追加検査中です。再稼働の時期は見通せる状況にはないわけですが、まずは規制庁の検査に真摯に対応してもらいたいということです。その上で、今後の電力の安定供給、そしてカーボンニュートラルの実現、その両立を図るために、原子力発電所の再稼働は私どもとして重要であると考えているところです。

【柏崎刈羽原子力発電所】

Q:政府は原発の再稼働に国が前面に立つとの方針を打ち出していると思います。柏崎刈羽原発の再稼働に向けては、どのような対応が必要だというふうに考えていらっしゃいますでしょうか。

A:まず前提として、原子力発電所については原子力規制委員会が新規制基準に適合すると認めた場合のみ、その判断を当然私どもとして尊重して、その上で、国が前面に立って地元の理解を得ながら再稼働を進めるというのが政府の方針です。今申し上げたとおり、柏崎刈羽原子力発電所においては規制委員会によって、今、核物質防護に関する検査に加えて、原子力発電所を運営する適格性についても検査が行われております。東京電力においては、まずはこれまでのそうした適格性に関する厳しい指摘も真摯に受け止めていただいて、核物質防護の再構築はもちろんのこと、組織改革、それを着実に遂行すること、そして不断の安全性の行動への取組、そうしたものを通じて地域からの信頼回復に全力を挙げてもらいたいと考えております。そうしたことをこれまでも伝えてきているところであります。
その上で、安全確保を大前提として、そして経産省としても柏崎刈羽原子力発電所の必要性や意義について、新潟県などの立地自治体の関係者の理解、協力を得られるよう丁寧に説明をしていきたいと考えています。

【高レベル放射性廃棄物処分】

Q:高レベル放射性廃棄物の最終処分場をめぐり、本日は長崎県の対馬市議会で文献調査受入れを求める請願の採択がある予定になっております。実際の文献調査受入れの決定には市長判断が必要になるかと思いますけれども、北海道の2町村で受け入れて以降、文献調査の受入れは広がっていなかったかと思います。今回このような文献調査受入れ可否を問う声が上がってきたことについての受け止めをまずお聞かせいただけますでしょうか。
また、今回の動きが、他の地域も含めた最終処分場選定に対してどのような影響を及ぼすとお考えか。
あと、最終処分場の基本方針を見直して、政府の責任で取り組むとされてあったかと思うのですが、文献調査受入れ拡大に向けて、国としてどのように取り組むかもお聞かせいただけますでしょうか。

A:まず、対馬市においてそうした動きがあるということは承知しております。最終処分の文献調査に関心を示していただいて議論を重ねていただいていることは我々として有り難いことだと受け止めております。
最終処分は、全国的な課題として取り組むべき課題、重要なテーマであります。先行する御指摘の北海道寿都町、神恵内村、そして今の対馬市の動きなどを通じて、全国でこうした関心が高まって理解が進むことを期待しております。
その上で、最終処分事業に関しましては、様々な意見があるものと認識しております。地域で丁寧に議論を深めていただくことが何より重要であると考えております。
国としては、全国での説明会なども重ねながら、引き続き地域の声を踏まえながら必要な情報提供を重ねていきたいと考えております。

【柏崎刈羽原子力発電所】

Q:すみません。柏崎刈羽で引き続き。
大臣、今ほど、いろいろと東電に対しては働きかけをされているということでしたけれども、それでも東電の不祥事というか不適切事案が相次ぐ状況をどのように受け止めていらっしゃるか伺えますでしょうか。

A:これは私自身、国会答弁などでも申し上げてきたことですが、東京電力については、特に震災前、大企業で、電気はみんなが使ってくれるわけですから、何か新しいことをしなくても電気は売れるという、そうした甘えがあったものと思います。そうしたことを反省し、体質改善を図っていくべきという認識を強く持っていたところであります。
特に原子力部門は、リスクに関する認識が甘かったということ、そして現場の課題の把握が不十分である、こういった体質的な問題もあったと承知しております。
一方で、組織の体質は変えていくことはできるとも考えております。原子力規制検査を所掌する立場の山中委員長も、本年5月の定例会見で東京電力に関して、この2年間の取組・改善の状況の結果を見ると、今後、自律的に改善をしていく能力はあると期待したいとのコメントもされていると承知をしています。
これまでの一連の不適切事案については、極めて残念な遺憾なことであります。その上で、私からも東京電力の経営陣に対しては、会長、社長にも会うたびに、改善の取組を組織全体にまで徹底するよう、これは是非トップ自らが率先して取り組んでいただきたいということ、それから緊張感、スピード感を持って成果につなげることを強く求めているところです。
今後とも事業を監督する立場から、引き続き東京電力の改革の取組を厳しく指導していきたいと考えております。

以上

最終更新日:2023年9月12日

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