農林水産省・新着情報

野村農林水産大臣記者会見概要

日時 令和5年9月12日(火曜日)10時50分~11時11分 於: 本省講堂
主な質疑事項
  • (大臣から)令和5年10月期の輸入小麦の政府売渡価格について
  • 「水産業を守る」政策パッケージについて
  • 食料・農業・農村基本法検証部会における最終とりまとめについて
  • 令和5年10月期の輸入小麦の政府売渡価格について
  • 日本産水産物の消費拡大について

冒頭発言

大臣

  今日は、1件だけ御報告がございます。非常に明るいニュースでありますが、本日、輸入小麦について、令和5年10月期の政府売渡価格を決定しましたので、お知らせします。令和5年10月期の売渡価格については、ウクライナ情勢前の水準に落ち着きつつあります。直近6か月間の買付価格をベースに算定し、1トン当たり68,240円、対前期比で11.1%の引下げとなります。詳細は、この後、事務方からブリーフィングを行いますので、そちらで聞いていただきたいと思います。まずは、久方ぶりに価格が下がったということで、消費者の皆さん方にとって、あるいは製造者の皆さん方にとっても、明るいニュースだろうと思っています。令和2年10月期から上がって、そして、3年ぶりに引下げになったということで、ウクライナ情勢前の水準に落ち着いてきているということです。

質疑応答

  • 「水産業を守る」政策パッケージについて(1)

記者

  先週金曜日の国会の閉会中審査において、大臣から水産業者の支援事業の一部について、補助率のその辺、言及がありました。政府がまとめた「水産業を守る」政策パッケージにおいて、輸出先の転換対策と国内加工体制の強化対策にそれぞれ予備費を充てると承知しておりますが、この前、言及されたもの以外でも何か具体的に予備費と補助率なり、決まったり、あるいは検討している事業があれば、お教えください。

大臣

  先日の衆議院(及び参議院)での閉会中審査の中で、特に北海道の委員の方から、ホタテについてのご質問がありましたので、私が申し上げたのは、いろいろ支援策を考えていてパッケージで考えていますということで、その中で特に、北海道が殻付きのホタテを輸出して、中国がその殻を取って、アメリカとか、他の国に輸出をしているという実態がありましたので、今度はホタテの殻剥きのための(機器の)費用、特に1億数千万、1台(導入)するそうですが、通常よりも高い3分の2の補助率で支援しますと申し上げたところです。その他に、殻剥きの機械の導入にしても、すぐ入れられるということではなく、年間製造台数があまりないそうでして、やはり人手でやっていかなければならないという問題もありますので、人材雇用に関わる掛かり増し経費や募集経費などのソフト的な面に対しても、定額で支援ということもパッケージの中でありまして、他にも経済産業省、水産庁が考えていますが、引き続き現場の情報把握に努めながら、どうしたら皆さんの支援になっていくのかというのも、今後引き続き検討をしていきたいと思っています。

  • 食料・農業・農村基本法検証部会における最終とりまとめについて(1)

記者

  昨日、食料・農業・農村基本法の改正に向けた審議会が最終答申をまとめました。改正作業については年度内に工程表をまとめると承知していますけれども、この進捗状況について、どのように議論を加速化していくのか、お教えください。

大臣

  昨日、多くの皆さん方にもご出席をいただきまして、食料・農業・農村政策審議会の最終取りまとめが行われまして、答申をいただきました。昨年9月に諮問をしまして、(計)17回の検証部会を開いていただき、加えて、11ブロックで地方の意見の交換会を精力的に(実施)していただきました。各地の意見を伺いながら、あるいは各界各層の皆さんの意見を聞きながら、取りまとめをいただいたのが、昨日いただいた答申でございまして、我が省としては、この答申で示された4つの基本理念や基本的施策の方向性を踏まえて、令和6年の通常国会への基本法改正案提出に向けた検討を深化させたいと思っているところでして、法案作成について、事務方で鋭意取り組んでいますが、これは党の方との擦り合わせもしていかなければなりませんので、党の力を借りながら国会に提出をしていくということになりますので、まだ具体的なスケジュールについては、現時点ではまだ未定と、お答えさせていただきたいと思います。

  • 令和5年10月期の輸入小麦の政府売渡価格について

記者

  小麦の価格についてなんですけれども、3年ぶりの下落ということで、その背景と受け止めについて改めてお願いします。ウクライナ侵攻、ロシアによる侵攻はまだ続いてますけれども、どういったことが影響したのかお願いします。

大臣

  ウクライナの港(からの輸出)が止まったときも、小麦の価格は上がったのですけれども、日本が小麦を輸入しているのは、カナダ、アメリカ、こういう友好国からの輸入が中心でありましたので、小麦自体(の輸入)がストップすることはなかったのですが、やはり品薄ということもあって、価格的には非常に上がってきたのです。今回、下がった主な要因は、アメリカの主要小麦産地での天候が改善をしたことによって、国際相場が下落したと捉えているところでございます。農林水産省としては、引き続き小麦の国際価格等の動向を注視していきたいと思っていますけれども、天候にも恵まれて、豊作ということで、これだけの価格の下落を設定することができたと思っています。

  • 食料・農業・農村基本法検証部会における最終とりまとめについて(2)

記者

  基本法についてお伺いします。昨日の食農審では、適正な価格形成について、委員の複数の皆さんから実現に期待する声があったほか、地方意見交換会でも特に関心が高いという結果でした。今回の答申において、適正な価格形成について盛り込まれたことの所感を改めてお伺いしたいのと、今後のセッションはどのように取組を進められるかお聞きします。

大臣

  基本法検証部会でも、地方(意見交換会)の中でも、特に適正な価格形成に非常に意見が集中していた、期待する意見が多かったという受け止めをしています。このことについては、前々から農林水産省でも内々の検討はしているのですが、具体的にどうするかというのがなかなか難しいということです。生産者は上げて欲しい、消費者はできるだけ安いものを供給して欲しいと。それで、どういう形で、適正な価格設定をやったらいいのかというのは、内々でもいろいろな議論をしています。今回、8月29日に、「適正な価格形成に関する協議会」を立ち上げました。既に第1回目が(開催され)まして、生産者、消費者、そして、流通業者の方々にも入っていただいて、トータル的にどういう議論を進めていけば、適正な価格形成を実現できるのかという議論を29日にしていただいたところでして、どういうやり方で、どういう品目から行っていくのかということを議論をしていただいたところです。外国でも、フランスは法律まで作りましたけれども、畜産物を中心にしていまして、これらも見ながら聞きながら、日本の場合にどういう当てはめ方をしていくかというのは、皆さんの要望は強いのですけれども、実現に向けての議論というのは、時間をかけないと簡単にはいかないと私も思っています。また、今までの意見の中でも、農家の皆さんの意見としてそうなのだけれども、消費者の皆さんの理解が十分得られるか、あるいは小売の皆さん方の理解が得られるか、いろいろな方面でのコンセンサス作りをしていかないと、農家の皆さんからの要望があったからというのは、難しいんだろうと思っていまして、農業に関わるいろいろな消費者の皆さんや流通業界の皆さん方の意見もお伺いしながら、いい着地点を見い出していければと思って関係者の理解醸成を図っているという段階です。具体的に品目は何からやっていくのか、あるいはどういうような議論の入口を開いていくのかというのは、今から皆さんで議論をしていただこうと思っています。

  • 「水産業を守る」政策パッケージ(2)、日本産水産物の消費拡大について

記者

  処理水の放出に絡んで2つありまして、1つはこのあいだの国会でも触れたのですが、いわゆる殻剥きの人件費とかあとHACCP対応の向上、このあたり何か具体的なやり方は何かお考えはありますか。あともう1つ、処理水の放出に絡んで、農林水産省も食堂でやっていますが、食べて応援という動きが、全国的に自然発生的に広まっている気がします。これに対してどう見ているのか、何か情報があれば、お願いいたします。

大臣

  ホタテの殻剥きの話は、日本に機械が無いということはないのですけれども、工場が、規模が小さく、量的に製造できないということ、(また、機器を導入するのには)、新たな工場を作らないといけないのではないかということです。機械が非常に高いものですから、それに対する3分の2の支援をすることを決めさせたところです。それから、人件費の問題も、なかなか、人が集まらないということもあるものですから、どういう形で上乗せしていくかということは、今から具体的に検討していかなければいけないのですが、そこで皆、働いているわけで、あるいはいろいろな職種で働いている方々にも来ていただけるような、魅力ある賃金を設定したい。これは緊急を要する話ですから、そこまで踏み込んでやろうということを検討しているところです。食べて応援についても、皆さん非常に賛同していただきまして、農林水産省の方では、今週から庁舎内の一部食堂でホタテを使用した料理のメニューの提供が始まったということです。各省庁にも私の方から、先般の閣議の中で、ぜひ各省庁の職員食堂でホタテだけではなくて、水産物を活用した料理を提供してくれとお願いをして、各省庁、取り組んでいるところで、一番最初に取り組んでくれたのが、防衛省でして、隊員の食堂での食事につきましては、これは全面的に、防衛大臣の方から声をかけていただいて、今、魚料理を活用しているということで、一番(取組の)トップを走っているのは、防衛省だと思っています。あと学校給食とかいろいろなことも検討をしています。

報道官

  よろしいでしょうか。それでは、これで大臣会見を終わります。

以上

 

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