外務省・新着情報

冒頭発言

【上川外務大臣】大変遅くのぶら下がり会見ということでありますけれど、今日初めて外務大臣としてこのドアをくぐらせていただきました。改めて、上川陽子と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

 さきほど外務大臣を拝命いたしました。20年ぶりの女性の外務大臣でございまして、極めて重要な任務を仰せつかっているということで、大変身の引き締まる思いで一杯でございます。先程岸田総理からは、様々な国々とこれまで関係を積み上げてきたことをしっかりと踏まえて日本外交に取り組んでほしいと、そうしたお言葉を頂戴いたしました。改めてその重責を担ったことの重みを感じた次第でございます。

 現在、国際社会は歴史的な転換点に直面しているところでございまして、我が国を取り巻く環境も大きく変化をしている状況でございます。そうした中におきまして、来週には国連のハイレベルウィークが予定されている状況でございます。我が国はG7議長国でございますし、安全保障理事会の非常任理事国でもあり、そうした重要な立場でございますので、来週のこのハイレベルウィークの中でどのような外交を展開するかということについては、極めて重要な舞台になるというふうに認識しているところでございます。限られた時間ではございますが、しっかりと準備を尽くし、そして臨みたいというふうに思っております。また、特にカウンターパート、世界的なレベルでの国連のハイレベルウィークでございますので、カウンターパートの皆様とできうる限りの人的な交流をすることができるようにしっかりと準備をし、そして、マルチの会談あるいはバイの会談に臨んで参りたいというふうに思っております。

 私が政治家を志したのは、私がアメリカに留学していた頃でありまして、今から30年近くになるわけでございますが、海外から日本を眺めるという貴重な経験をいたしました。当時の国際情勢と今の情勢は大きく異なっておりますが、その分、世界的な課題も山積しているということであります。その当時は外から日本を見るという視点を体験することになりまして、その意味で日本を大きな国際社会の中で絶えず変化に対応する改革を進めていく必要があるということを強く感じたところでございます。初心の私の志は「鵬程万里」というものでありまして、「鳳凰は一呼吸、万里を飛んでいく」ということであります。高い理想を掲げて遠くを見つめる。そしてこうしたまなざしをしっかり持って、今を刻んでいくということであります。そうした視点でこれまで政治活動をしておりましたが、まさにこうした視点が外交という分野におきましても特に重要になるというふうに思っております。その意味で改めて初心の志の中で外務大臣という重責をしっかりと担って参りたいというふうに思っております。今日は初めてのぶら下がりということでありますが、改めましてどうぞよろしくお願いを申し上げます。

質疑応答

【記者】本日、ロシアでは露朝首脳会談が行われました。日本政府としての受け止めをお願いいたします。また、今回の内閣改造を受け、女性閣僚が5人となりましたが、大臣としての受け止めをお願いいたします。

【上川外務大臣】まず一点目の御質問でございますが、9月13日、本日でありますが、ロシア・アムール州におきまして露朝首脳会談が開催されたと承知をしているところでございます。今次の首脳会談の結果につきまして、政府としてお答えをするといった立場にはないということでありますが、北朝鮮からの武器及び関連物資の調達を全面的に禁止している関連の安保理決議違反に繋がる可能性があるということでございますので、そういったことも含めまして、しっかりと懸念をもって注視をしているところでございます。また、ロシアによるウクライナ侵略は決して受け入れられるものではございません。これまで第三者に対しまして、ロシア軍等への支援を行わないようにと求めてきているところでございます。こうした観点からも関連する動向については絶えず注視をし、しっかりと懸念をもって注視して参りたいというふうに思っております。我が国といたしましては、関連する情報の収集・分析については、絶えず努めまして、また関連の安保理決議の完全な履行、これに向けまして、米国、あるいは韓国を始めとする国際社会としっかりと緊密に連携し、協調して取り組んで参りたいと考えております。

 二点目の御質問でありますが、女性閣僚の5人ということで、私もその中の一人として今回任命をされたところであります。総理も今日の記者会見で御発言をされておられましたけれども、自民党におきましては、今後10年間の間に、特に政治の分野が非常に遅れているという状況の中で、10年間で30パーセントの目標を達成するということを党の改革本部で徹底をさせていただきました。これは総理が極めて強いリーダーシップをもって党改革を進めていこうという趣旨の中で、多様な意見をしっかりと反映させるという意味で、この数値目標は極めて野心的な目標ということで、そのための準備を進めているところでございます。その意味で適材適所と仰っていただいておりますが、同時に女性の閣僚の一人として、特にジェンダーギャップ指数を含めまして、この政治の分野については大変遅れております。その背景には、閣僚の女性比率が非常に低いということもこの要素に入っていますので、その意味でこの重みをしっかりと受け止めさせていただき、しっかりと期待に答えられる外交をして参りたいというふうに考えております。

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