外務省・新着情報

令和5年9月15日

 9月15日(現地時間14日)、モーリタニア・イスラム共和国の首都ヌアクショットにおいて、内田立国駐モーリタニア・イスラム共和国日本国特命全権大使と、アブデッサラーム・ウルド・モハメド・サーレハ・モーリタニア・イスラム共和国経済・持続可能な開発大臣(H.E. Mr. Abdessalam Ould MOHAMED SALEH, Minister of Economy and Sustainable Development, Islamic Republic of Mauritania) との間で、総額6.02億円となる2件の無償資金協力に関する書簡の交換が行われました。対象案件の概要は、以下のとおりです。

  1. 無償資金協力「食糧援助」(供与額5.5億円)
     モーリタニアは国土の約9割が砂漠地帯であり、十分な耕作地が存在しない上に、気候変動の影響により、2003年以降は毎年南部や東部で干ばつが発生し、食料不足を引き起こしています。同国ではまた、隣国マリの不安定化による難民・帰還民の流入や、ウクライナ情勢の影響を受けて、食料需給の逼迫や物価上昇等が起きています。このような状況下、我が国の実施する食糧援助は、同国の食料安全保障の確保のために必要不可欠となっています。
     我が国は、2022年8月に開催した第8回アフリカ開発会議(TICAD8)において、食料危機対応への取組を表明しており、この協力は同表明を具体化するものです。
  2. 無償資金協力「漁業調査船建造計画(詳細設計)」(供与限度額0.52億円)
     モーリタニアにおいて、水産物は輸出額の30%から40%を占め、水産業は同国の基幹産業となっています。他方、同国の海域では、海洋環境の変化や水産資源の乱獲等により、資源の持続的な利用が懸念されています。
     1997年に我が国の無償資金協力により整備した外洋調査船は、モーリタニア海洋水産研究所(IMROP)により約25年間にわたり良好に運航・維持管理されてきましたが、老朽化により外洋調査が実施できない状況にあります。また、近年は、海洋統計や水産政策策定のために求められる情報の幅や精度が増しており、周辺国を含めた域内の海洋環境保全と水産資源の持続的な利用のために、最新の調査機能を有する漁業調査船を調達し、水産資源・海洋環境調査における体制を整備することが喫緊の課題となっています。
     本事業は、漁業調査船を建造することにより、IMROPの水産資源調査・海洋環境調査の機能・技術力の向上及び航行安全の維持を図り、もって同国及び周辺国の科学的根拠に基づく持続的な水産資源の利用及び水産業への包括的支援に寄与するものです。
     我が国は、2022年8月に開催した第8回アフリカ開発会議(TICAD8)において、アフリカにおける持続可能な水産の推進を支援する旨表明しており、この協力は同表明を具体化するものです。
(参考)モーリタニア・イスラム共和国基礎データ

 モーリタニア・イスラム共和国の面積は103万平方キロメートル(日本の約2.7倍)、人口は465万人(世界銀行、2020年)、一人当たり国民総所得(GNI)は2,160ドル(世界銀行、2022年)。


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