外務省・新着情報

令和5年9月18日
グロッシーIAEA事務総長と会談する上川外務大臣
グロッシー事務総長と共に署名を行っている上川外務大臣
「ALPS処理水に関する日本とIAEAとの間の協力覚書」を交換し、グロッシー事務総長と握手する上川外務大臣

 現地時間9月18日午後5時(日本時間19日午前6時)から約30分間、国連総会出席のため米国・ニューヨークを訪問中の上川陽子外務大臣は、ラファエル・マリアーノ・グロッシー国際原子力機関(IAEA)事務局長(H.E. Mr. Rafael Mariano Grossi, Director General of the International Atomic Energy Agency)との間で、ALPS処理水に関する日本とIAEAとの間の協力覚書に署名するとともに、会談を行ったところ、概要は以下のとおりです。

  1. 冒頭、上川大臣は、グロッシーIAEA事務局長との間で、福島第一原子力発電所におけるALPS処理水の海洋放出に関するIAEAによる確認・評価活動に関する日本とIAEA間の協力覚書を署名しました。上川大臣から、本覚書は、IAEAによるレビュー及びモニタリングへの関与の継続等IAEAとの連携を再確認するものであり、ALPS処理水の海洋放出について国際社会の安心を一層高めるものである旨述べました。
  2. さらに、上川大臣は、ALPS処理水の海洋放出開始から1か月経とうとしているが、IAEAがモニタリングのデータをリアルタイムで確認し、透明性高く公表していることを評価する、日本は、引き続き科学的根拠に基づき高い透明性をもって、ALPS処理水の安全性を国内外に丁寧に説明していく、IAEAと引き続き緊密に連携していきたい旨述べました。
  3. これに対して、グロッシーIAEA事務局長は、本覚書は2年前から始まったALPS処理水に関する日本との協力を更に一歩進めるものであるとした上で、IAEAは引き続き、国際社会に対し、ALPS処理水の放出がIAEAの安全基準に即した形で計画どおり実行されていることを確認し、科学的見地から、透明性をもって説明していく旨述べました。
  4. また、グロッシー事務局長から、Atoms4Food等のIAEAのイニシアティブにつき説明があり、IAEAによる原子力の平和的利用の推進に係る日本の協力に感謝を表明しました。
(参考)「ALPS処理水に関する日本とIAEAとの間の協力覚書」

 IAEAによる確認・評価活動に関する枠組みを設定。主な要素は、以下のとおり。

  1. 確認・評価
     IAEAは、海洋放出中、安全に関する制度・活動について確認・評価。
  2. IAEAによる日本駐在
     IAEA職員(専門家)は、安全に関する現地での活動の技術的側面を直接監督。
  3. IAEAレビューミッション
     IAEAタスクフォースの国際専門家の支援を受けながら、IAEAが主導。
  4. 裏付け活動
     独立したサンプリング及び分析に基づくソースモニタリング及び環境モニタリングの裏付け等を実施。
  5. アウトリーチ・広報活動
     IAEAの活動への認識向上及び一般市民との情報共有を実施。

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