外務省・新着情報

冒頭発言

【上川外務大臣】今日から5日間、国連総会ハイレベルウィークに参加をし、多くの国々等と会議や様々なフォーラムでの意見交換を行います。法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持・強化や、国際社会が直面するSDGsを始めとする諸課題の解決に向けて各国と緊密な連携を確認したいと思います。
 先ほどまで行われたG7外相会合においては、ウクライナ情勢について議論を行い、ロシアの侵略への毅然とした対応やウクライナ支援、食料・エネルギー安全保障への対応などについて、G7の連携を改めて確認をしました。また、中国やインド太平洋地域についても意見交換を行いました。私からは、ALPS処理水の海洋放出に関して、G7各国の理解と前向きな発信に感謝を述べ、各国から我が国の取組への歓迎の意が示されました。また、引き続きG7でも緊密に連携をしていくことで一致しました。
 そして、本年11月7日から8日にかけて、東京で対面のG7外相会合を開催することを決定いたしました。引き続き、本年のG7議長国としての役割をしっかりと果たしていく考えです。
 米国のブリンケン国務長官とは、先週電話会談を行いましたが、本日初めて対面となる外相会談を行い、かつてなく強固な現在の日米同盟を更なる高みへと引き上げられるように、一層連携を深めていくことを確認をいたしました。会談では、国際社会が直面する多くの課題について率直な意見交換を行い、ブリンケン長官と引き続き緊密に連携していくことを確認しました。また、安全保障分野や経済分野における協力を更に進めることで一致しました。
 さらには、本日、IAEAのグロッシー事務局長との間で、「福島第一原子力発電所におけるALPS処理水の海洋放出に関するIAEAによる確認・評価に関する日本とIAEA間の協力覚書」を署名しました。署名後、グロッシー事務局長と会談を行いました。日本が引き続き、科学的根拠に基づき高い透明性をもって、ALPS処理水の安全性を国内外に丁寧に説明していくとともに、今回の協力覚書を基礎にIAEAと引き続き緊密に連携していくことを確認いたしました。
 また、英国のクレバリー外務・英連邦・開発相とも外相会談を行いました。私から、日本にとっての英国の重要性は不変であり、「グローバルな戦略的パートナー」である英国との連携を重視している旨述べました。また、クレバリー外相と、日英両首脳が発表した「日英広島アコード」に基づき、安全保障等、幅広い分野において日英関係を一層強化していくことで一致しました。
 そして、ブラジルのヴィエイラ外相とも会談し、「戦略的グローバル・パートナー」としての連携強化と、G7広島サミットの成果も踏まえた来年のG20リオ・サミットに向けた協力を確認しました。また、ヴィエイラ外相と、短期滞在査証の相互免除の開始を歓迎し、G20リオの来年、外交関係樹立130周年の再来年に向けて人的交流を活発化させていくことで一致しました。
 明日の昼前に総理はNYに到着をされ、夕刻には一般討論演説を実施されます。今回の訪問を通じて、安保理理事国、G7議長国として、国際社会の平和と安全に一層貢献し、日本外交のプレゼンスを高めるべく努力していく考えです。
 私からは以上です。

質疑応答

【記者】G7外相会合についてお伺いします。大臣は就任後初めての出席となり、議長国としての役割も果たされました。会合について、率直にどのような印象をもたれたか、所感をお伺いします。また今日の会合では、先日の北朝鮮とロシアの首脳会談について議題になったのか、もし議題になったのであればどのような議論があったのかお伺いします。

【上川外務大臣】ウクライナ情勢を始めとする国際社会の喫緊の課題に対応するため、G7外相間の連携はかつてなく緊密になっており、頻繁に顔を合わせる関係となっています。議長として、ウクライナ情勢、中国やインド太平洋地域などについて、率直かつ突っ込んだやり取りを行うことができました。今回のG7外相会合は、私(上川大臣)にとりましてG7のコミュニティに初めての参加をする機会となりました。各国の外相からは大変暖かく受け入れていただきました。互いにファーストネームで呼び合うなど、個人的な関係も築くこともできたと考えております。今後こうした関係を継続・強化をしていくことが重要であります。今年のG7議長国として、11月の東京でのG7外相会合に向けて引き続き取り組みを進め、G7外相間の議論をリードしていきたいと思っております。そうした気持ちを今回の外相会合を通じて強く意識したところでございます。
 また、議論の詳細についてでありますが、これは差し控えますが、露朝関係については、G7間で、露朝間の協力が、関連する安保理決議違反につながり得るとともに、インド太平洋地域及びそれを超えた地域の平和と安全を損なうおそれがあるという懸念を共有したところでございます。
 さらに、ALPS処理水の海洋放出に関して、私(上川大臣)から、G7各国の理解と前向きな発信に感謝を述べ、各国から我が国の取組への歓迎の意が示されましたところであります。また、引き続きG7でも緊密に連携していくことで一致しました。

【記者】就任からわずか一週間と立たない中で、国連総会という大きなイベントがありました。今後の日程のなかで、大臣としてどういう点でご自身のカラーを出して行きたいかおうかがいします。

【上川外務大臣】冒頭申し上げたとおりでありますけれども、ニューヨークに到着して早速ですね、アメリカ、イギリス、ブラジルのカウンターパートとバイの会談を致しました。また、グロッシーIAEA事務局長との会談ではALPS処理水の海洋放出について改めて立場を説明をし、引き続き緊密に連携していくということを確認したところでございます。また、G7外相会合は、私にとりまして初めての参加となりました。議長という大役を務めることになりまして、ウクライナ情勢等さまざまな問題につきまして、率直かつ突っ込んだやり取りができた事については大変有意義だったと考えているところであります。明日からもさまざまな各国のカウンターパートの方々と、バイ会談をする予定であります。そうした会談を通じて、信頼関係を作っていく、至って重要な会談にしていきたいというふうに改めて今日の一日を振り返って、明日への熱意を新たにしたところであります。また安保理改革に関するG4外相会合、未来サミット閣僚級準備会合、女性・平和・安全保障フォーカルポイントネットワークハイレベル・サイドイベント等、さまざまな会合に出席する予定であります。これらの会合を通じ、ひとつずつにミッションがありますので、そういったことを十分に理解した上で、安全安保理の理事国、G7の議長国として、国際社会の平和と安全に一層貢献する、そうした姿をしっかりと示し、国際社会をリードしていく、私自身のミッション、これを貫ぬきたいと思います。

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