外務省・新着情報

令和5年9月19日
演台に立ち、スピーチを行う、岸田総理の様子(接写) 国連総会議場で一般討論演説を行う岸田総理(写真提供:内閣広報室)
演台に立ち、スピーチを行う、岸田総理の様子(遠写) 国連総会議場で一般討論演説を行う岸田総理(写真提供:内閣広報室)

 現地時間9月19日午後9時28分(日本時間20日午前10時28分)から約20分間、国連総会出席のため米国・ニューヨークを訪問中の岸田文雄内閣総理大臣は、一般討論演説を行ったところ、概要は以下のとおりです。

  1. 冒頭、岸田総理大臣から、世界が歴史の転換点にある中、SDGsは大きな課題に直面し、ウクライナ侵略は継続していることを指摘し、分断・対立ではなく協調に向けた世界を目指したいとして、国連を中核においた強く実効的な多国間主義に改めてコミットすることを呼びかけました。
  2. その上で、岸田総理大臣から、国際社会が複合的危機に直面し、分断を深める中、人類全体で語れる共通の言葉として「人間の尊厳」に改めて光を当てることで、国々の体制や価値観の違いを乗り越えて、「人間中心の国際協力」を着実に進めていくことができるのではないかと述べました。この点、岸田総理大臣から、我々が目指すべきは、脆弱な人々も安全・安心に住めるような、「人間の尊厳」が守られる世界であると述べました。
  3. 岸田総理大臣から、このような「人間の尊厳」を守り・強化するための国際協力の一つとして、核軍縮の流れを確実に進めていくこと、カットオフ条約(FMCT)への政治的関心を再び集めること、核兵器国と非核兵器国の間の議論を促進すべきこと等の重要性を訴えつつ、新たに30億円を拠出して「核兵器のない世界に向けたジャパン・チェア」を設置することを表明しました。
  4. また、紛争下における女性・子どもの安全、人間の尊厳と両立するデジタル化、ネット・ゼロ実現までの人々への負担の軽減、次の感染症への備えといった課題について日本の立場を発信しました。さらに、脆弱な国・人々が平和に生きる権利を守るべく、法の支配の重要性を強調しました。また、強固な国連を実現すべく、安保理改革等の取組について日本の立場を発信しました。
  5. 最後に、岸田総理大臣から、「人間の尊厳」こそが、2030年以降の国際目標を今後検討する上でも、国際社会の未来を照らす中核的な理念となるべきことを指摘しつつ、「人間の尊厳」を強化するため、力を結集し、「協調のための国連」を実現したい旨の決意を述べました。

[参考]岸田内閣総理大臣による一般討論演説原稿(和文(PDF)別ウィンドウで開く英文仮訳(PDF)別ウィンドウで開く


発信元サイトへ