農林水産省・新着情報

宮下農林水産大臣記者会見概要

日時 令和5年10月13日(金曜日)10時50分~11時05分 於: 本省講堂
主な質疑事項
  • (大臣から)食料安定供給・農林水産業基盤強化本部(第5回)について
  • (大臣から)全国森林計画について
  • 「食料安定供給・農林水産業基盤強化に向けた緊急対応パッケージ」について
  • コメの作柄について
  • 不測時における食料安全保障について
  • 適正な価格形成に関する協議会について
  • コメの現物市場「みらい米市場」の開設について

冒頭発言

大臣

  本日は私から2点報告があります。1点目は、本日、総理を本部長とする第5回食料安定供給・農林水産業基盤強化本部が首相官邸で開催され、「食料安定供給・農林水産業基盤強化に向けた緊急対応パッケージ」が決定されました。緊急対応パッケージでは、農林水産物・食品の輸出促進、農林水産業のグリーン化、スマート農林水産業による成長産業化、食料安全保障の強化の4本柱について、昨今の農林水産業を取り巻く情勢の変化を踏まえ、緊急的に取り組むべき対策が取りまとめられています。総理からは、農林水産大臣を中心として「『緊急対応パッケージ』の内容を総合経済対策へ反映させるとともに、年末を目途に食料安全保障強化政策大綱を改訂」するよう指示がありました。農林水産省としては、この総理指示を踏まえて、しっかりと対応してまいります。
  2点目は、本日の閣議において、令和6年度から15年間を計画期間とする「全国森林計画」が閣議決定されましたので御報告します。今回、策定する計画は、国土の保全、水源の涵養、地球温暖化防止、木材の生産等の森林の持つ多面的機能の発揮を図ることを旨として、令和6年度から15年間の森林の整備及び保全の目標、さらには花粉発生源対策も踏まえた計画量等を明らかにしております。本計画に基づき、適切な森林の整備及び保全を進め、森林の多面的機能の発揮を図ってまいります。私からは以上です。

質疑応答

記者

  冒頭お話がありました基盤強化本部について、まずお聞きしたいと思います。総理指示を踏まえて、これから経済対策が盛り込まれることになると思うのですが、特にポイントとなるようなところですとか、今後の農水省としての対応についてお願いいたします。

大臣

  本日決定された緊急対応パッケージですけれども、今月中に取りまとめる経済対策を見据えて、食料の安定供給、農林水産業の基盤強化の観点から、緊急的に取り組むべき対策を取りまとめたものとなっています。先ほど4本の柱、申し上げましたが、まず、農林水産物・食品の輸出促進につきましては、2030年輸出額5兆円目標の達成に向けて、品目団体によるオールジャパンの輸出力の強化、食料供給基盤を支える輸出産地の形成等を支援します。2番目の農林水産業のグリーン化についてですが、みどりの食料システム戦略の加速化、肥料・下水汚泥資源など国内資源の活用等を支援します。3番目のスマート農林水産業による成長産業化ですけれども、経営技術等でサポートする事業体の育成確保や、スマート技術に適した生産流通方式への変革を支援するための法制化に向けた検討の加速化を行います。また4番目の食料安全保障の強化につきましては、過度な輸入依存からの脱却に向けた構造転換、生産者の急減に備えた生産基盤の構造転換、国民一人一人の食料安全保障の確立に向けた食料システムの構造転換を図ります。総理からは、本パッケージ内容を総合経済対策に反映させること、そして年末を目途に食料安全保障強化対策大綱を改訂するように指示がありましたので、指示を踏まえてしっかりと対応してまいります。

記者

  今日午後に米の作柄の発表が予定をされています。産地によっては高温障害の影響等も懸念されていますけれども、作柄への影響についてはどのように見ていらっしゃいますか。また、生産者、消費者への影響について、どのように評価をしていらっしゃるかと農林水産省として今後の対応方針があればお願いします。

大臣

  「令和5年産水稲の作付面積及び9月25日現在の予想収穫量」及び「令和5年産米の水田における作付状況(9月15日時点)」については、ご指摘のとおり一部地域において、高温による影響が出ていることは承知しています。ただ、まだ発表前ということでありますので、コメントは差し控えさせていただきますけれども、本日15時から、事務方から皆様方にご説明をさせていただく予定にしています。生産者や消費者への影響などについても、その際、ご説明をさせていただくことにしていますので、ご了解いただければと思います。

記者

  昨日、不測時における食料安全保障に関する検討会の中で、不測時においては食料と同様に飼料などの生産資材についても、要請等の措置の対象にするべきだという考えをお示しになりました。改めて背景となっている課題認識ですとか、措置の必要性についてお考えをお聞かせください。

大臣

  昨日開催された「不測時における食料安全保障に関する検討会」では、生産資材の確保対策を主なテーマとして、世界的な食料の供給不足時には、生産資材の価格高騰や供給不足が同時に発生する可能性が大きく、我が国においても、食料の輸入が減少した場合には、生産資材も同時に不足し、国内の生産減少を引き起こす可能性があること等の課題認識を共有したところです。その上で、生産資材についても、食料と同様の検討を行う必要性について議論されたと報告を受けています。今後、検討会では、さらに議論を重ねていただいて、年内に取りまとめを行うこととしています。農林水産省としては、その取りまとめを踏まえて、必要な法制度の検討を進めてまいります。

記者

  適正な価格形成について伺います。11日に開かれました協議会で農水省は、豆腐、納豆と飲用牛乳について、ワーキンググループを新設する方針を示しました。今後、これらの品目とその他の品目も含めて、どのように議論を進められたい考えかお聞かせください。

大臣

  農林水産省では適正取引を推進するための仕組みを検討するために、8月から「適正な価格形成に関する協議会」を開催しており、11日に第2回目の会合を開催したところです。今回の会合では、先ずは流通経路が簡素でコストの把握も比較的可能であり、生産等の持続性を確保すべき品目である「飲用牛乳」と「豆腐・納豆」を対象として、実務に精通した取引担当者等によるワーキンググループにおいて検討を進めること、また、その他の品目についても、コストデータの把握・収集や、価格交渉や契約においてどのような課題があるか等を協議会において検討を進めることについて了承をいただいたところです。今後、ワーキンググループにおいて一層具体的な議論に入れるように準備を進めてまいります。

記者

  靖国神社の秋季例大祭が17日から始まります。大臣は参拝するかどうか、もし行くのであればいつ頃なのか、参拝しない場合、真榊などをお供え物として奉納する予定はありますでしょうか。

大臣

  ちょっとまだ先の日程でもありますし、この場では申し上げることは差し控えさせていただきます。いずれにしても、個人として適切に判断をするとだけ申し上げたいと思います。

記者

  週明けの16日にコメの現物市場「みらい米市場」が開設され、取引が開始されますが、期待されることと価格指標を提供していくために今後課題になることはどのようなことと認識されているかお聞かせください。

大臣

  公益財団法人流通経済研究所が主体となって準備を進められてきた「みらい米市場」について、10月16日より開設すると発表がありました。みらい米市場では、生産者が「自分で価格を決めて」販売できること、産地や品種銘柄だけでなく、品質や付加価値を含めて価格に反映されるよう、生産履歴やGAP認証を受けているなどの生産者の情報も開示できることなどから、需給状況だけではなく、コストを含めた生産者の努力や品質を反映した価格形成が行われることを期待しています。単なる需給ではなく、質的な情報も含めて、コミュニケーションが取られて、それが適正な価格形成に繋がってくれればということを期待しているわけですけれども、これは走り出してみないとなかなか分からないところもあります。いずれにしても、例えば生産者努力とか、その品質とかが適正に評価されて価格が決定される、そういう価格決定システムの一つのモデルになればいいと考えています。

記者

  本日の緊急対策パッケージの決定について、小麦などは足元では価格は下がっていますが、引き続き日本の農業についてはどのような部分に課題を感じて取り組んでいかれたいか、お気持ち面でのご発言もお願いします。気持ちというか、意気込みです。

大臣

  主要な生産物、生産資材、足元では落ち着いてはきているわけですけれども、世界的なリスクの高まりによって、今後も、価格変動するリスクがやはりあるということを認識しています。それだけに、国内での供給の強化であるとか、輸入のルートの多角化であるとか、いろいろな手を普段から打っていかなければ、食料安全保障の強化に繋がらないという思いで取り組んでまいりたいと思っています。

記者

  緊急対応パッケージについてお伺いします。この夏、猛暑で全国的に高温障害が発生していますが、こういった問題への対応は盛り込まれているのでしょうか。また、この問題にはどのように取り組んでいかれるか、お伺いします。

大臣

  パッケージの骨といいますか、柱立ては、今日決定をされたわけですけれども、その具体的内容につきましては、さらに検討を進めて、総合経済対策に反映させてまいりたいと思っていますので、詳細については、もう少しお待ちをいただきたいと思います。

報道官

  よろしいでしょうか。それでは、これで大臣会見を終わります。

以上

 

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