経産省・新着情報

2023年10月24日(火曜日)
10時32分~10時45分
於:本館10階記者会見室

冒頭発言

特になし。

質疑応答

燃料価格激変緩和措置、中国黒鉛輸出規制

Q:2点質問させていただきます。1点目、ガソリンや電気、ガスなどの激変緩和措置について伺います。昨日の所信表明演説で岸田首相は、来春までの支援継続について表明されました。一方で、支援の長期化が懸念される中、具体的に来春までどういった形での支援の実施を考えていらっしゃるか、現時点でのお考えをお聞かせください。
2点目、中国が打ち出した黒鉛輸出の規制について伺います。黒鉛はEVについて欠かせない物資でもあると思いますが、日本のEV関連企業への影響について、現時点でどう考えていらっしゃるか、併せて教えてください。

A:おはようございます。まず、ガソリンの価格支援について、足元の燃料価格の高騰が、国民生活や経済に様々な影響があるということを踏まえ、さらに冬場を迎え、国民の皆さんの負担や使用量も多くなることから、灯油などを含めて負担軽減に向けた取組を、昨日の所信表明演説の中で総理から、来年春まで継続するということが表明されたところです。
支援がなければ、全国平均で200円を超えているガソリン価格も、足元では175円程度に抑えてきているところです。
こうした効果も見ながら、また、緊迫する国際情勢、エネルギー価格がどう変動していくかということも踏まえながら、一方で、出口も見据えなければならないと思っています。このペースでいくと、年間数兆円の財政支出になりますので、いつまでも続けるわけにもいかないということもあります。この間にエネルギー危機に強い構造に変えていくということも必要です。
そうした様々な観点を踏まえながら、この激変緩和措置を柔軟に、かつ機動的に実施していくということで進めてきていますので、与党からの提言も踏まえ、今回の経済対策全体の中でしっかりと検討して、その中で対応を考えていきたいと思います。
それから、黒鉛についてのお話です。10月20日に中国の商務部が国家の安全と利益の保護を理由として、黒鉛関連品目の新たな輸出管理措置を12月1日から導入する旨を公表したと承知しています。このことの影響について精査をしているところでありますので、今の段階ではコメントを控えたいと思いますが、今後、中国側にその意図や国の方針なども確認し、そして仮に我が国に対して、WTOなどの国際ルールに照らして、不当な措置が講じられているということであれば、ルールに基づいて適切に対応していきたいと考えています。
いずれにしても、特定国に依存しない形で重要鉱物のサプライチェーンを構築していくということが重要だと思いますので、黒鉛も特定重要物資として、経済安保法に基づいて規定をされているところでありますので、我々にとっては重要な物質でありますから、そうした強靱なサプライチェーンの構築も考えていかなきゃいけないというふうに思います。

大阪・関西万博

Q:1点お伺いいたします。金曜日、万博の石毛事務局長が、これまで万博に掛かる予算が一番初めは1,250億と言っていたのが、2回目の引上げということで2,350億円になるとおっしゃいましたが、大臣はどのように受け止めるか、御見解を伺えればと思います。

A:御指摘のように、会場建設費について、先週20日に博覧会協会から精査結果について報告がありました。従来の最大1,850億円から建設価格の高騰等の影響を受けて500億円の増加になるということで、最大2,350億円になるとの精査結果が報告されたところです。この間の物価高騰、人件費の高騰など理解できる部分もあるわけですが、私ども政府として、未来を切り開いていく、そういう趣旨にふさわしい万博にしていく上で真に必要なものなのかどうか、現在精査をしているところです。これは大阪府、大阪市においても精査をされていると承知していますので、その結果を持ち寄ることになると思いますが、その上で必要があれば国、自治体、経済界で対応を協議していくことになります。その協議の結果を踏まえて今後の対応については検討していくことになると思いますが、いずれにしても、まずはしっかり精査したいと考えています。

IMFのGDP見通し

Q:IMF(国際通貨基金)が、2023年の日本の名目国内総生産が、ドルベースで世界4位に転落するという見通しを示しました。もちろん為替の影響もかなりあると思いますので、単純にドイツに国力が劣るという結論には至らないと思うんですけれども、GDPの順位が変わるという事実は、国際社会の中でそれなりの反響があると思います。大臣が今回のこの発表を受けた御所感がありましたらお願いします。

A:IMFの報告や発表した内容について、私はまだ詳細を見ておりませんので、そのことについてはコメントを控えたいと思いますが、日本の成長力が低下している、あるいは低迷しているのは事実でありますので、この間、デフレの中で為替の影響ももちろんありますし、全体として売上げやGDPが伸びてこなかった、賃金も上がってこなかったということがあります。正に昨日、総理が表明されたとおりでありますが、成長していく経済をどうつくっていくかというのが我々にとっても、私にとりましても最大の課題です。
今年は過去最高の国内投資額になりそうですし、賃上げも私は常々5%プラスアルファと申し上げてきましたけれども、思い切った人材投資を行って、賃上げも行う中で、多様な人材、多彩な才能のある人たちがイノベーションに挑戦をし、成長する経済をつくっていくということを何よりも実現をしたいと考えていますので、こうしたデータももちろん頭に置きながらですが、まず、このイノベーションを起こし成長していく経済、そして一人一人の所得が大幅に上昇していく、この間の20年、30年分を取り返し、取り戻す、そうした経済政策を是非今回の経済対策の中でも実現していきたいと考えています。

ALPS処理水

Q:今日でちょうど福島第一原発の処理水の放出から、ちょうど日数的には2か月ということで、輸出に取り組んできた水産事業者さんとかは、今も中国向けは苦しい状況が続いていますけれども、改めてになりますが、所感と今後の取組についてお願いします。

A:この間、私も漁業者の皆さんとの意見交換を続けておりますけれども、やはり中国の日本の水産物の全面輸入停止の影響があるということで漁業者の皆さんや水産関係の皆さんからもこうした声を頂いております。私ども1,007億円の基金、予算を用意しておりまして、既に6件ほど措置しておりますが、相談を受けている案件もありますので、迅速に、的確に国の予算で一時保管などの対応を進めていきたいと考えています。
あわせて、当面の資金繰りの相談も先般宮城の関係の皆さんから頂きましたので、セーフティーネット貸付けで、これも要件を緩和して、最大7億2,000万円まで貸付けができます。日本政策公庫で窓口も作り対応しておりますので、この資金繰り支援もしっかりと行っていきたいと考えています。
加えて、経団連、日本商工会議所を始め、多くの事業者の皆さん、団体の皆さんがこの水産物のキャンペーン、三陸・常磐ものを含め、日本全国各地でこうした取組が進んでいます。今も各地の商工会議所、あるいは経済団体からも相談を受け、そうしたイベントの実施に我々も協力しているところですが、国民の皆さんも、ふるさと納税などを含めて地域で、あるいはネットでの購入も非常に増えているようですので、そうした協力に感謝をしながら引き続き日本の水産物の消費拡大に向けてしっかりと進めていきたいと考えています。
そして、最終的には東京電力が、被害があった場合には賠償しますので、各地に賠償のための窓口も設置してくれています。こちらも迅速に、そして適切に賠償が進むようにしっかりと東京電力を指導していきたいと考えています。中国・ロシアには、科学的根拠に基づく対応を、今の措置の即時撤廃を含めて、強く引き続き求めていきたいと考えておりますし、私どもとしては、データは海水や水産物のモニタリングを含めて、全て透明に公表してきておりますし、これも引き続きIAEAのレビューを受けながら、しっかりと進めていきたいと考えています。
IAEAが先般も、中国、韓国、カナダの団体や専門家と一緒にサンプリングをして、それぞれ持ち帰って分析していますので、国際的に開かれた形で、我々は透明性高く、全て公表していきたいと思っています。国際基準にのっとって、IAEAのレビューを受けながら、適切に進めていきたいと考えています。

以上

最終更新日:2023年10月24日

発信元サイトへ