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宮下農林水産大臣退任記者会見概要
日時 | 令和5年12月14日(木曜日)10時58分~11時12分 於: 本省講堂 |
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主な質疑事項 |
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冒頭発言
大臣
先ほど官邸にまいりまして官房長官に辞表を提出してまいりました。私が所属する清和政策研究会のパーティ問題に関連して、政治に不信を抱かせる状況になっているということでございます。私の政治資金については、法に則り適正に処理されているものと認識していますけれども、国政に遅滞を生じさせてはいけないという思いから、総合的に判断をして、辞表を提出してきたということです。3か月という期間ではありましたけれども、大変、この間の充実した活動を大臣としてできたということで、感謝の気持ちでいっぱいです。私からは以上です。
質疑応答
記者
今回、政治資金パーティの問題で、宮下大臣を含む4閣僚が交代することになりました。受け止めをお願いします。
大臣
今、申し上げましたが、政治に疑念を抱かれる事態になっているということを大変重く受け止めています。特に、端緒は私の所属する清和政策研究会のパーティ問題であるということも重く受け止めて、辞表を提出したということです。今、農林水産行政も大きな転換期を迎えて、停滞している暇はない。国政の遅滞を招いてはいけない。そういう思いから、辞表を提出したところです。
記者
農政の転換期、まさに道半ばでのご退任となると思います。例えば、大きなところだと基本法の改正、まさに今、議論中です。その中で官邸でも志半ばという言葉もありましたけれども、改めてどういう思いでしょうか。そして、後任の坂本氏は、ずっと基本法の議論にも関われてきた方で、どういうことを引き継ぎたいのか、また坂本氏をどのようにお思いになられているのか、その点をお聞かせいただけますか。
大臣
私自身、就任会見でも申し上げましたけれども、農林水産業、特に農政について大きな基本法の改正という課題を抱えている中で、それに向けての議論も国会でも多くされてきましたし、いよいよ来年の通常国会での議論が本番という思いで取り組んでまいりましただけに、今日をもって職を辞するというのは、私自身、残念な思いもありますけれども、やはり、政治は「信なくば立たず」ということですので、まずは信頼回復のためにも、総合的に判断したということです。それから報道では、坂本哲志新大臣がご就任予定と伺っていますけれども、共に農林部会で活動してきた同志でもあり、今回の基本法のPTでも、中心的役割を果たしてくださいました。農政に非常に明るい方ですし、安心して後を託せるという思いをしています。私も党に戻って、党の立場でしっかり新大臣を応援をしていきたい、支えていきたいと感じています。
記者
大臣はかねてから、ご自身の政治資金収支報告書については適切に処理をなさっているとおっしゃっていて、その中で、今回4閣僚、副大臣を含めて、同じような交代という形になったことについてどのような思いを持っているか。また、その岸田総理の判断について、どのようにお考えでしょうか。
大臣
冒頭にも申し上げましたけれども、今回の問題は、特に私が所属する清和政策研究会におけるパーティ問題が最も大きな課題だと指摘もされているところでして、そういう意味では、今回の私の辞任はそうしたことも踏まえて、自ら判断したと官邸でも申し上げたところです。昨日の総理の会見でも言葉があったように、まず、しっかり足元の確認をして、そして改善すべきは改善をし、前に進んでいくということが、今、政治に求められている。特に、私たちの政策集団に求められているということなのではないかと思います。しっかり政治が信頼を取り戻せるように、私も確認をし、説明をするということで、政治を前に進めるために頑張っていきたいと思っています。
記者
昨日、宮沢防衛副大臣が140万の還流を明らかにして派閥から口止めされていたと、大臣はこの同じような口止めをされておりましたでしょうか。
大臣
そういうことはありません。結論から言えばありません。そういう還流というような処理は、基本的にはありませんので、どう処理すべきみたいなことはありませんでした。
記者
そういうノルマを超えた分、云々という話は派閥からもともとあったのでしょうか。
大臣
私に対して直接そういうことがあったかと言えば、それはないと思います。
記者
政策集団の在り方というのは、今回の報道を踏まえてどのように思うことがありますか。
大臣
政策集団としての在り方も見つめ直すべき時期だと思いますけれども、本来、政策を磨いて、これまでであれば、その中から総裁候補も生み出すというエネルギーの源泉でありましたし、特に選挙等では、お互いに助け合うようなこともあるし、その中で、お互いに切磋琢磨する。そして、先輩・後輩の中で、お互いに政治家として成長する、そういった本来あるべき姿をもう1回原点を見つめ直して、そういった機能を強化していくことが必要なのではないかと思います。
記者
大臣(在任)わずか3か月ですね。大臣の座というのは、何か昔からの「末は博士か大臣か」と私の小さいころは言われていましたが、大臣の地位というのはこんなに軽いものなのでしょうか。どうも今回の決定に、いろいろな方が不思議に感じている。その辺、大臣の職責はこんなに軽いものなのでしょうか。
大臣
私から言えば、大臣の地位を辞するというのは重い決断だと思っていますので、決して軽い決断をしたとは思っていないということです。
記者
それだけ今回の問題が大きかったということなのですね。
大臣
はい。
記者
3か月前、9月に大臣になられて、地元の長野とか伊那谷の期待がより大きくなったと思うのです。それを一身に背負って、3か月やってこられたと思っているのですが、この3か月間を改めて振り返っていただきたいのと、このタイミングでの辞任、そして今後について、今考えていることとか、地元への思いであるとか、そういうことがあればお聞かせいただきたいのですが。
大臣
本当に地元の皆様にも、応援をいただき、喜んでいただいてスタートを切った3か月でした。この間、北海道での「豊かな海づくり大会」に出席したり、「(全国)育樹祭」に出席したり、公式行事でも、視察でも全国歩かせていただいたというのも貴重な経験ですし、それから何より、マレーシアにおけるASEAN農業大臣会合に出席をさせていただいて、みどりの協力プランを採択いただいたというのは、私にとって日本がASEANの皆さんとともに、地域を前に進めていく、その原動力となれた一つの歴史的なことだったと思っています。また、ALPS処理水に関連して、北海道、そして福島等々の水産業に携わる皆様の現場も、お尋ねして生の声をお伺いをして、支援も非常に大切だということも実感ができました。林業の現場も総理とともに視察させていただきました。茨城での視察も思い出深いです。農業も林業も水産業も、それぞれ課題は抱えていますけれども、本当に頑張って取り組んでおられる皆さんが、大勢いらっしゃって、大変私も元気をいただいたし、新たな魅力も感じました。私の地元、伊那谷も含めて、やはり農林水産業は、今、大きな転換期ですけれども、将来の発展に向けて様々な可能性を秘めた素晴らしい産業だと思います。職を辞した後も、そうした心を持ち続けて、農林水産業を通じた地方創生、日本全体の活性化にしっかり取り組んでいきたいと思っています。
報道官
よろしいでしょうか。それでは、これで大臣会見を終わります。
以上