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プレスリリース

「国連気候変動枠組条約第28回締約国会議(COP28)」等の結果(農林水産省関係)について

令和5年12月18日
農林水産省

11月30日(木曜日)から12月13日(水曜日)まで、アラブ首長国連邦(ドバイ)において開催された、「国連気候変動枠組条約第28回締約国会議(COP28)」及び関連会合の結果(農林水産省関係)をお知らせします。

1. 概要

今次「国連気候変動枠組条約第28回締約国会議(COP28)」及び関連会合(※)期間中には、グローバル・ストックテイクに係る決定文書が採択され、農林水産関係では、持続可能な農業及び強靭な食料システム等の実現や2030年までの森林減少及び劣化の阻止・反転に向けた取組、メタンを含む非CO2ガスについて2030年までの大幅な削減の加速、海洋に基づく緩和及び適応・強靭性等の内容が含まれました。
また、12月1日(金曜日)から2日(土曜日)に開催された「世界気候行動サミット」において、気候変動と食料システムに関する首脳級宣言(エミレーツ宣言)が公表され、食料・農業分野の持続可能な発展と気候変動対応の強化の重要性が強調されました。
さらに、我が国からは、12月10日(日曜日)の「食料・農業・水デー」に行われたサイドイベントにおける宮下農林水産大臣のビデオメッセージをはじめ、期間中のさまざまな機会を利用して、「みどりの食料システム戦略」及び「日ASEANみどり協力プラン」の経験や取組を広く世界に発信しました。
このほか、農業分野における二国間クレジット制度(JCM)の活用、持続可能な森林経営と木材利用の促進等について、国際的に発信しました。

※国連気候変動枠組条約締約国会議(COP)は、大気中の温室効果ガスの濃度を安定化させることを究極の目標として平成4年(1992年)に採択された「国連気候変動枠組条約(UNFCCC)」に基づき、平成7年(1995年)から毎年開催されている年次会議で、今回は第28回の会議が開催されました。また、京都議定書第18回締約国会合(CMP18)、パリ協定第5回締約国会合(CMA5)、科学上及び技術上の助言に関する補助機関(SBSTA)及び実施に関する補助機関(SBI)第59回会合が併せて開催されました。

2. COP28における当省関連事項

(1)「世界全体でパリ協定の目標に取り組むための日本政府の投資促進支援パッケージ」の公表
12月9日(土曜日)に伊藤環境大臣から「世界全体でパリ協定の目標に取り組むための日本政府の投資促進支援パッケージ」が公表されました。この中には、「日ASEANみどり協力プラン」に基づく取組(官民の協議体の設立を通じた協力案件の形成等を含む)や農業及び森林分野のJCM等、当省関係の取組が盛り込まれています。

(2)グローバル・ストックテイクに係る決定文書の採択
パリ協定の実施状況を検討し、長期目標の達成に向けた全体としての進捗を評価する仕組みである、グローバル・ストックテイクに係る決定文書が12月13日(水曜日)に採択されました。同文書では、2025年までの排出量のピークアウト、全ガス、全セクターを対象とした野心的な排出削減、分野別貢献(再エネ3倍・省エネ改善率2倍、排出削減対策が講じられていない石炭火力の逓減加速、エネルギー部門の脱・低炭素燃料の使用加速等)などが明記されました。農林水産関係では、持続可能な農業及び強靭な食料システム等の実現や2030年までの森林減少及び劣化の阻止・反転に向けた取組、メタンを含む非CO2ガスについて2030年までの大幅な削減の加速、海洋に基づく緩和及び適応・強靭性等の内容が含まれています。

(3)パリ協定第6条の下のクレジット制度の運用に係る協議
パリ協定第6条の下のクレジット制度の運用については、国連への報告等に関する詳細事項について見解の一致に至らず、引き続き議論されることとなりました。

(4)「農業・食料安全保障に関するシャルム・エル・シェイク共同作業」に係る協議
昨年のCOP27で立ち上げられた「農業・食料安全保障に関するシャルム・エル・シェイク共同作業」においては、その具体的な実施のあり方について協議が行われたものの、先進国・途上国間で議論が収れんせず、次回の補助機関会合(来年6月)に持ち越しとなりました。

3. 当省関連のサイドイベント等

(1)ジャパンパビリオンで開催された当省主催セミナー等
12月10日(日曜日)(「食料・農業・水デー」)には、当省主催で「アジアモンスーン地域における農業分野の温室効果ガスの削減とイノベーション」をテーマとしたセミナーを実施しました。この中では、宮下農林水産大臣がビデオメッセージにより「みどりの食料システム戦略」及び「日ASEANみどり協力プラン」の取組を広く国際的に発信しました。また、FAO事務局次長が基調講演を行うとともに、ラオス、カンボジア、インドネシアの各農業省から局長級及び我が国民間企業が参加し、今後の協力について議論を行いました。
12月5日(火曜日)には、林野庁は森林総合研究所他と合同で、「持続可能な森林経営を通じた気候変動の緩和策及び適応策の促進」をテーマとしたセミナーを実施し、持続可能な森林経営及びそこから生産される木材利用の促進によりカーボンニュートラル実現等に貢献するとのメッセージを発信しました。
12月3日(日曜日)には、環境省・当省・タイ・チリ政府他と合同でJCM関係国際セミナーを開催し、JCMの活用による農業分野の温室効果ガス削減の可能性や、当省のアジア開発銀行(ADB)への拠出による関連プロジェクトの立上げ等について発信しました。

(2)各国が主導する農林水産分野の主なイニシアティブ
12月9日(土曜日)には、「森林・気候のリーダーズ・パートナーシップ(FCLP)」のハイレベル公開イベントが開催され、FCLP参加国の閣僚、先住民団体、経済界リーダー等の参加の下、森林減少を食い止め、反転させるための各般の取組強化に向けた議論が行われました。
12月10日(日曜日)には、各国の環境・農業担当閣僚や国際機関の幹部の参加の下、エミレーツ宣言の実行に関する閣僚級会合が開催され、同宣言の署名国が152か国(12月18日現在で159か国)に達したことが発表されるとともに、COP30(2025年)に向け、各国や関係国際機関が協調して気候変動対応を強化していくとの共通認識が確認されました。
また、同日、「AIM for Climate」(米国及びUAEが主導する、農業分野のイノベーションの加速化を目標とするイニシアティブ)関連イベントとして、当省主催により、国際農研(JIRCAS)によるアジアモンスーン各国への技術の応用促進の取組(グリーンアジアプロジェクト)を紹介するセミナーを開催し、BNI強化コムギの栽培実証研究の紹介等を行いました。

添付資料

農林水産省関連の議論及び関連イベント(PDF : 436KB)
国連気候変動枠組条約第28回締約国会議(COP28)結果概要(PDF : 2,300KB)

お問合せ先

(農業分野について)
大臣官房みどりの食料システム戦略グループ
地球環境対策室
担当者:続橋、大島、渥美、諸江
代表:03-3502-8111(内線3290)
ダイヤルイン:03-3502-5303

(森林分野について)
林野庁森林整備部森林利用課
担当者:増山、飯田、越前、安田
代表:03-3502-8111(内線6213)
ダイヤルイン:03-3502-8240

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