外務省・新着情報

令和6年1月9日
会談前に、フィンランド外相と握手する上川外務大臣
ワーキングランチの様子
共同記者発表の様子

 現地時間1月9日午後2時(日本時間同日午後9時)から約75分間、ヘルシンキ(フィンランド)を訪問中の上川陽子外務大臣は、エリナ・ヴァルトネン・フィンランド外相(H.E.Ms. Elina VALTONEN, Minister for Foreign Affairs of the Republic of Finland)との間で、両外相間では初めてとなる日・フィンランド外相会談をワーキング・ランチの形で実施したところ、概要は以下のとおりです。
 また、会談後の共同記者発表において、上川大臣から我が国の北欧外交の基本方針となる「北欧外交イニシアティブ」(PDF)別ウィンドウで開くを発表しました。

  1. 冒頭、上川大臣から、日本の外務大臣として39年ぶりにフィンランドを訪問し、ヴァルトネン外相と初めて会談を実施できることをうれしく思う、能登半島地震に関しお見舞いの言葉を頂き感謝する旨述べました。また、日本とフィンランドは価値や原則を共有する戦略的パートナーであり、二国間関係の強化に加え、NATOやEUの文脈でも連携を強化していきたい旨述べました。また、女性大臣同士、WPSやジェンダーなどの問題についても協力していきたい旨述べました。これに対して、ヴァルトネン外相から上川大臣に対し、フィンランドを訪問いただいたことを大変うれしく思う、日本とフィンランドは、政治、経済、文化等の幅広い分野において強固な関係を築いており、良好な二国間関係をより一層強化したい旨述べました。
  2. 二国間関係に関し、上川大臣から、ヴァルトネン外相に対し、フィンランドのNATO加盟を支持する旨改めて伝達しつつ、日NATO協力の一層の強化に向けて連携を深めたい旨述べました。その上で、両者は、先端技術や再生可能エネルギー、5G/6G、スーパーコンピュータ等の経済・科学分野での両国間の協力の深化を確認しつつ、とりわけワーキング・ホリデー制度を利用した両国の人的・知的交流を含む様々な交流を一層強化することで一致しました。また、上川大臣から、フィンランドの大阪・関西万博参加を歓迎し、双方の企業にとって更なるビジネス機会を生むことを期待する旨述べました。
  3. 上川大臣から、我が国が価値や原則を共有する北欧5カ国は高度に結びついた地域であり、二国間のみならず、日・北欧という枠でも協力を深めたいとして、日本と北欧5か国が共通して関心を有する、(1)北極と海洋、(2)WPSを含むジェンダー平等、(3)グリーン・デジタル・科学技術を含む経済関係強化、(4)安全保障・防衛協力の4分野を中心に、「北欧外交イニシアティブ」として北欧5か国との協力を進めたい旨述べました。同イニシアティブに関して、ヴァルトネン外相からは、素晴らしい考えであり、賛同する旨の発言があり、同イニシアティブに基づく協力を推進していくことで一致しました。
  4. 上川大臣が7日にウクライナを訪問したことを踏まえ、ロシアによるウクライナ侵略について意見交換しました。ヴァルトネン外相からは、上川大臣のウクライナ訪問を含め、日本の強いコミットメントへの謝意が表明されました。また、両外相は、イスラエル・パレスチナ情勢、インド太平洋についても意見を交わし、核・ミサイル問題や拉致問題を含む北朝鮮への対応等を含め、緊密に連携していくことを確認しました。また、両者は、安保理改革を含む国連の機能強化等のグローバル課題についても協力していくことで一致しました。

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