外務省・新着情報

令和6年1月10日
ビルストロム外相と握手しながら記念撮影をする上川外務大臣
日・スウェーデン外相会談の様子

 現地時間1月10日12時00分(日本時間10日午後8時00分)から約90分間、ストックホルムを訪問中の上川陽子外務大臣は、トビアス・ビルストロム・スウェーデン王国外相(H.E. Mr. Tobias BILLSTRÖM, Minister for Foreign Affairs, Kingdom of Sweden)との間で、両外相間では初めてとなる日スウェーデン外相会談をワーキング・ランチの形で実施したところ、概要は以下のとおりです。

  1. 冒頭、上川大臣から、先月の電話会談に続き、ストックホルムを訪問して、ビルストロム外相にお会いし会談を実施できることをうれしく思う、能登半島地震に関しお見舞いの言葉を頂き感謝する旨述べました。また、日本とスウェーデンは二国間の友好関係を基礎として、安全保障を始め多くの分野の協力が進展していることを歓迎する旨述べつつ、価値を共有し、WPSを含むジェンダーや北極などの重要外交分野において高い発信力を持つ北欧諸国との連携を強化していきたい旨述べました。これに対し、ビルストロム外相から、上川大臣のスウェーデン訪問を歓迎する旨述べた上で、日本とスウェーデンは、政治、経済、文化等の幅広い分野において強固な関係を築いており、様々な分野で良好な二国間関係をより一層強化したい旨の発言がありました。ビルストロム外相は、日本との二国間関係を深化させることはスウェーデン政府の優先事項であるとし、2023年の日スウェーデン首脳会談に続き、安全保障、防衛、経済問題に関す る協力等、多くのことを積み上げていく必要があると表明しました。
  2. 上川大臣から、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序が揺らぐ中、同志国との連携はこれまで以上に重要になっていることを指摘しつつ、スウェーデンによるNATO加盟申請という決断を支持する旨述べました。これに対し、ビルストロム外相から、スウェーデンはNATO加盟を通じて欧州の安全保障の強化に貢献していきたい、日本がNATOと関係を強化していることを歓迎しており、NATOと日本、IP4との関係強化に貢献したい旨の発言がありました。また、両外相は、高い技術力を有する両国がGX、水素、ライフサイエンス分野、宇宙等の経済・科学分野での協力を深化させ、科学技術分野での協力も一層発展させていくことで一致しました。また、上川大臣から、スウェーデンの大阪・関西万博参加を歓迎し、双方の企業にとって更なるビジネス機会を生むことを期待する旨述べました。
  3. 上川大臣から、我が国が価値や原則を共有する北欧 5 カ国は高度に結びついた地域であり、二国間のみならず、日・北欧という枠でも協力を深めたいとして、日本と北欧5か国が共通して関心を有する、(1)北極と海洋、(2)WPSを含むジェンダー平等、(3)グリーン・デジタル・科学技術を含む経済関係強化、(4)安全保障・防衛協力の4分野を中心に、「北欧外交イニシアティブ」として北欧5か国との協力を進めたい旨述べました。ビルストロム外相は、「北欧外交イニシアティブ」に表される日・北欧協力を強化する意図に謝意を表明し、イニシアティブがカバーする分野は相互の関心事項である旨述べました。
  4. 両者は、中東情勢やロシアによるウクライナ侵略、東アジア情勢についても意見を交わし、核・ミサイル問題や拉致問題を含む北朝鮮への対応等を含め、緊密に連携していくことを確認しました。また、両者は、安保理改革を含む国連の機能強化、核軍縮・不拡散及び人権を含むグローバル課題での協力についても意見を交わしました。

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