経産省・新着情報

2024年1月9日(火曜日)
13時05分~13時20分
於:本館10階記者会見室

冒頭発言

令和6年能登半島地震への対応状況について

お疲れさまです。
初めに、私から1点申し上げます。閣議後に官邸での非常災害対策本部会議に出席し、最新の被害状況・対応状況について報告を行うとともに、先ほど経済産業省内の非常災害対策本部も開催しました。
被害状況についてですが、まず電力につきましては、停電は残り約15,800戸となっています。大規模避難所については、電源車の活用をすることで、アクセス困難な輪島市、珠洲市の7か所を除きまして、全てに電気をお届けできています。
その他の避難所についても、二次避難の状況など、現場の実情を踏まえながら、道路状況等の制約の少ない場所から順次復旧工事を進めてまいります。
燃料につきましては、能登北部6市町で営業しているSSは5件増え、46か所となり、それらのSSに対しては、ガソリン・軽油・灯油の重点的な配送を行っています。大型ローリーでの輸送も継続しておりまして、輪島市、珠洲市を除けば、給油を待つ行列は解消されつつあると聞いています。
また、昨日は七尾市に避難所用の灯油3,000リットル(ポリタンク150個相当)、軽油400リットル(ポリタンク20個分相当)を配送するなど、これまで6市町に灯油と軽油を合わせて15,400リットル(ポリタンク770個相当)を配送しています。そこから孤立地域や避難所などへの配送は、地元自治体との調整も進めつつ、自衛隊等の協力を得て実施していきます。
被災地・避難所への物資の供給については、避難所の衛生環境及び生活環境の改善に向け、消毒液等の衛生用品や段ボールベッド等の発送を順次進めています。
また、寒さへの対策として、ジェットヒーターを含む防寒物資や燃料等の集積と避難所への供給を強化しています。
仮設トイレは、政府がプッシュ型で設置したものも含めまして、輪島市、珠洲市、七尾市、内灘町等に405基が設置されています。本日も追加で12基を発送予定です。
引き続き、石川県や被災市町からの追加の御要望を踏まえ、約500基の早期配備を目指すとともに、断水地域における仮設トイレへの給水やランタン等の照明器具、芳香剤等の関連物資の供給を進めてまいります。
最後に、中小企業、小規模事業者対策については、今後、激甚法の本激指定がなされる見込みであると承知しており、これを踏まえ、現地の状況に合わせた支援策となるよう検討を加速してまいります。
また、政府として引き続き、サプライチェーンの実態把握に努め、その維持に万全を期してまいります。
以上、経済産業省として、被災者に寄り添い、引き続き総力を挙げて災害対策に取り組んでまいります。なお、これは事務方からもブリーフィングをさせていただきます。
私からは以上です。

 

質疑応答

被災事業者支援

Q:先ほどの冒頭発言と絡むんですが、先週政府の対策本部で岸田総理が被災者の生活支援となりわい支援のためのパッケージを早急に取りまとめるという指示がありました。これについて経産省の今の検討状況、特に今日の対策本部では雇用維持にも言及されましたけれども、そこら辺も含めて何か検討しているところがあれば教えてください。

A:まず、石川県を中心とする北陸地方には、半導体・電子部品、繊維、伝統工芸品など多くの産業が集積をしています。現在多くの企業と連携しながら、今回の地震による被害の状況やサプライチェーン全体に与える影響について実態把握を進めているところです。
特に地震の揺れが強かった能登半島北部を中心に、被害は甚大であると承知しておりまして、影響を受けた中小企業、小規模事業者への支援策については、先ほど申し上げたように、今後激甚法の本激指定がなされる見込みであると承知していますので、現場の声を聞きながら、施設復旧支援や追加の資金繰り支援など、被災企業に寄り添った支援策の検討を可及的速やかに進めていきたいと思っております。雇調金の話は私から答弁するのは差し控えたいと思います。

柏崎刈羽原発

Q:能登半島地震を受けた柏崎刈羽原発の再稼働の状況についてお伺いします。
政府や東電は地元新潟への説明を進める中で、今回の地震では柏崎市や刈羽村を含めた地域で地震が発生いたしました。原発が立地する地元住民から原発事故に対する不安も出かねません。こうした地震の不安払拭も含めた地元同意を得るために、政府として今後どのように対応する方針かお聞かせください。
また、大臣は昨年末に東電に対して地元の意向や事情を踏まえた信頼回復に向けた取組方針を年明けに報告するように求めておりましたが、こちらの状況も併せてお伺いさせてください。

A:まず前提として、今回の地震によりまして、柏崎刈羽原子力発電所を含む各原子力発電所において、現時点で放射線管理上の問題は生じておらず、また、冷却にも異常がない状況と承知しています。私としては、まず足下の災害復旧に向けて全力を尽くしていきたいと考えています。
いずれにせよ政府としては高い独立性を有する原子力規制委員会が新規制基準に適合すると認めた場合のみ、地元の理解を得ながら再稼働を進めていくという方針でおります。
それから東電の話がありました。私からは信頼回復に向けた取組の方針について、昨年、年明けに聞かせてもらいたいと東京電力にお伝えをしていますが、まだ現時点でその報告の日程は決まっておりません。

地震の経済への影響

Q:これまでの質問と重なってしまう部分もあると思うんですけれども、地震から1週間たって多くの企業も被災しました。日本経済、北陸経済にどのような影響が及びそうか教えていただけますでしょうか。
また、先ほども発言ありましたが、そういった方たちへの支援をどういうふうに取り組んでいくのでしょうか。

A:まず、石川県を中心とする北陸地方ですけど、半導体・電子部品、繊維、伝統工芸品など多くの産業が集積をしています。現在多くの企業と連携しながら、今回の地震による被害の状況やサプライチェーン全体に与える影響についての実態把握を進めており、先ほど申し上げたとおりです。電子部品などエレクトロニクス分野については、徐々に生産が再開されてきておりまして、経済産業省が把握している限り、北陸に生産拠点を持つ主要企業15社のうち9社が既に生産を再開、又は再開のめどが立っている状況です。自動車の生産への影響については、自動車メーカーにおいて被災地域外の在庫を活用するなどして、もともと予定されていた8日から新年の生産活動が開始されていると承知しています。ただし、引き続き今回の震災のサプライチェーンの影響、在庫の状況などについて精査中であると聞いています。
また、繊維や工芸品産業ですが、災害の影響を受けやすい中小・小規模事業者が多く、特に地震の揺れが強かった能登半島北部を中心に被害が大きくて、現時点では生産活動の再開の見通しが立っていない企業も多いと聞いています。影響を受けた中小企業・小規模事業者への支援策につきましては、今後、激甚法の本激指定がなされる見込みだということですので、現場の声を聞きながら施設復旧支援や追加の資金繰り支援など、被災企業に寄り添った支援策の検討、これを可及的速やかに進めたいと思っています。

ダイハツ工業不正問題

Q:ダイハツ工業の不正問題について、サプライチェーンへの影響について調査状況をお聞かせください。

A:まず、経済産業省はダイハツの生産停止に伴うサプライチェーンへの影響の把握に向けて、既に昨年12月25日にダイハツのサプライヤーに対して、今般の生産停止による売上げへの影響について調査票を発出したところです。この調査票は1月12日を締切りとしておりまして、今後、その集計結果を踏まえて速やかに必要な対策を講じてまいりたいと考えています。
なお、ダイハツにおいては、影響を受ける取引先に対しては説明会や個別相談等での相談に加えて、1月までの発注分については、実績にかかわらず支払に応じるなど対応を進めていると聞いています。引き続き、取引先に寄り添った丁寧な対応をお願いしたいと考えています。

被災企業の実態把握・池田議員逮捕

Q:すみません、先ほどのちょっと質問に絡むんですけれども、地震の絡みで、半導体、電子部品、伝統工芸品などの企業が多くあるということで、企業の実態把握を進められているということですが、この実態把握がどの程度進んでいるのかということを教えていただきたいのが1点と、あともう一つ全く別の質問でちょっと恐縮なんですが、安倍派の池田議員が逮捕されたことへの受け止めがもしあれば教えてください。

A:最初のお尋ねですが、情報収集の範囲を繊維・工芸品分野を中心とした中小企業にまで広げているわけで、その結果でありますが、被災地域外のサプライチェーンに影響を及ぼし得る業種について地震の影響を評価したところ、全体では8割超が生産を再開又は再開のめどが立っている状況だと聞いています。
一方で、工芸品や繊維・印刷製造業においては、半分弱の企業においてまだ生産再開のめどが立っていない状況だと聞いています。引き続きウォッチしていきたいと思っています。
二つ目の質問ですが、能登半島地震が発災した状況の中でありまして、私の立場としては、全力で震災対応に取り組むのみということですが、一自民党の国会議員として申し上げれば、この事態を私は極めて深刻に受け止めています。今後一連の事態を踏まえて、党としてどういう対応をしていくかというのが厳しく問われるだろうと考えています。

志賀原発

Q:先ほど原発に関しての安全に関しての言及があられましたが、北陸電力の志賀原発について、一部週刊誌にありがちな報道ではあるんですけれども、実は重大な被害が出かねなかったのではないかですとか、福島の原発に匹敵するような事故だったのではないかというような憶測に関する記事も散見されるようになっています。これに関して、大臣の受け止めないしは思いがあればお聞かせいただけますでしょうか。

A:私としては、先ほど答弁させていただきましたが、現時点で志賀に限らず柏崎刈羽原子力発電所を含む全ての原子力発電所において、放射線管理上の問題は生じていないと認識していますし、冷却にも異常がない状況と聞いています。
いずれにしても、関係の皆様には、引き続き高い緊張感を持って安全最優先で万全の対応をお願いしたいと考えています。

大阪・関西万博

Q:昨日、ダウンタウンの松本人志さんが芸能活動の休止を発表しました。松本さんをめぐっては、ダウンタウンということではありますが、万博のアンバサダーを今務めております。今日午前中の長官会見では、詳細は経産省に尋ねてほしいというのでお尋ねしますが、今後の万博のアンバサダーについてダウンタウンの対応、どう万博協会と連携を取って対応していくのかというのがもし決まっていれば教えてください。

A:突然の松本さんの発表でありますので、しっかり検討してお答えしたいと思っています。

 

 

以上

最終更新日:2024年1月9日

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