外務省・新着情報

令和6年1月30日
開会の辞を述べる辻󠄀副大臣 (写真提供:AHK Japan)
グローバル・ビジネス・セミナー会場の様子 (写真提供:AHK Japan)

1 概要

  1. 1月29日(月曜日)、外務省は、「グローバル・ビジネス・セミナー 変化する国際環境に対応した日本の魅力的な投資環境」をオンライン併用で対面にて開催しました(共催:経済産業省、協力:内閣府、JETRO)。
  2. 同セミナーでは、対日直接投資の推進をテーマに、昨今の日本への投資傾向や、海外から見た日本のビジネス環境、日本に投資するメリットについて、日本に拠点を置く外国商工会代表や外資系企業等から講演をいただくとともに、日本国内における対日直接投資促進に向けた政府の取組方針やその内容について関係省庁等から講演を行いました。在京大使館、駐日経済団体・商工会議所関係者、企業関係者、政府・地方自治体関係者等、約180名が参加しました。(プログラム(PDF)別ウィンドウで開く

2 開会の辞、基調講演

  1. 冒頭、辻󠄀清人外務副大臣から開会の辞を述べました。 辻󠄀副大臣からは、ロシアによるウクライナ侵略やイスラエル・パレスチナ情勢等、国際社会の不確実性が増し、ビジネスする際に費用の効率性のみならず地政学上のリスクを考慮していく重要性が高まっている旨述べました。 また、日本は法の支配の下、自由で開かれた経済秩序を支持している旨強調した上で、日本国内の安全かつ安定したビジネス環境には予見可能性があり、また、英語対応も積極的に進めていることから、是非日本に投資してほしい旨述べました。
  2. その後、マークゥス・シュールマン駐日ドイツ商工特別代表兼在日ドイツ商工会議所専務理事が基調講演を行い、日本は経済的、政治的、社会的な安定性があり、魅力ある投資先である旨述べました。また、国際ビジネスの分野でグローバルサプライチェーンの多様化と一か国への依存度低減が意識される中、日本は製造業にとっても魅力的な選択肢となり得るとともに、研究開発や管理機能の地域的なハブとしての役割を果たすことができる旨指摘しました。
  3. 続いて、吉田正紀日本取引所グループ執行役が基調講演を行い、日本企業の企業価値向上に向けたコーポレート・ガバナンス改革やグローバル投資家との対話の場の設定など、資本市場の健全化に向けた取組を紹介しました。また今後、新興企業を対象とするグロース市場において上場維持基準の引き上げを検討し、基準に合わない新興企業が新陳代謝を促されることで、日本市場はより一層活性化される旨述べました。

3 個別講演(1):日本の対日直接投資促進の取組の概要

  1. 明珍充内閣府審議官(経済財政運営担当)・対日直接投資推進室室長から、直近の円安等の影響により海外からの日本への投資コストが低下し、日本からの輸出環境についても10年前より好転している旨指摘した上で、日本政府は2030年までに対内直接投資残高を100兆円とする目標を掲げており、2023年4月、同目標達成に向けた「海外から人材と資金を呼び込むためのアクションプラン」を策定し、そのフォローアップを行っているところ、対日直接投資を戦略的に一層推進していく旨述べました。
  2. 仲條一哉独立行政法人日本貿易振興機構(JETRO)理事からは、日本の対日直接投資残高は伸びており、日本の新興企業への投資総額は堅調な伸びを示している旨説明しました。その上で、JETROはイノベーション創出を念頭においた取組に注力しており、研究開発投資、先端技術、グローバル・エコシステムの分野等で多くの成果が生まれている旨述べました。

4 個別講演(2):日本に拠点を置く外国企業の取組の概要

  1. 髙松聡株式会社ARCALIS代表取締役から、mRNA(メッセンジャーRNA)ワクチンと治療薬の国内一貫生産体制の確立に向けた福島県南相馬市における工場設立に向けた取組を紹介するとともに、日本でビジネスを行う利点として、研究者と産業界との協業の簡便さ、グローバルネットワークへのアクセスの良さ、政治及び法制度の安定性等がある旨述べました。
  2. 続いて、中野守Tenstorrent(テンストレント) Japan株式会社代表取締役から、高性能AIチップの製造からAIを活用したサービスの提供までを手がける同社のビジネスの概要及びサービスの具体例を紹介するとともに、同社のエコシステムに関心のある日本のパートナーとの協業を通じて、顧客企業のサービス向上に貢献する旨説明しました。
  3. 最後に、リュック・ペジョ株式会社Ciel Terre Japan代表取締役から、農業用ため池等にも設置できる同社の水上太陽光発電設備は地震や台風等の災害リスクに左右されにくい点、日本の貴重な土地資源を有効活用できる点を指摘の上、日本における親和性について説明しました。

5 閉会の辞

 石井拓経済産業大臣政務官兼内閣府大臣政務官から、日本政府は持続的な賃上げや活発な投資が牽引する「成長型経済」の実現に向けて、昨年末に「国内投資促進パッケージ」をとりまとめた旨説明しました。また、対日直接投資促進に向けた「海外からの人材・資金を呼び込むためのアクションプラン」について、引き続きJETROとの連携を強化しつつ、人材育成などビジネス環境と海外企業誘致に一体的に取り組んでいく旨述べました。


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