外務省・新着情報

令和6年1月30日

 1月30日、IAEAは、ALPS処理水及び海洋環境中の放射性核種分析における分析機関間比較(Interlaboratory Comparison(ILC))の結果に関する報告書をそれぞれ公表しました。

  1. ALPS処理水の放射性核種分析における分析機関比較結果に関する報告書
  1. 2022年10月にALPS処理水等貯蔵タンクから採取したALPS処理水に対して、東京電力、IAEAの研究所及びIAEAに選定された韓国の分析機関が実施した分析の結果比較をIAEAが行い、その結果を公表しました。
  2. 本報告書は、2023年5月31日に公表された第1回目のALPS処理水の分析機関間比較結果に続く、2回目の分析結果に関する報告書となります。
  3. 公表された報告書において、IAEAは、東京電力は正確で精密なALPS処理水の分析能力を有していることに留意し、東京電力が、ALPS処理水の放出中における東京電力福島第一原子力発電所での継続的な技術的ニーズを支えるための持続可能で堅固な分析体制を構築していることを実証した旨結論づけられています。

  1. 海洋環境中の放射性核種分析における分析機関間比較結果に関する報告書
  1. 2022年から、IAEAは、ALPS処理水に係る日本の海域モニタリング結果を裏付けるためのILCを行っています。今般、同年11月に採取した試料に対して、日本の分析機関、IAEAの研究所及びIAEAに選定された韓国の分析機関が実施した分析の結果比較をIAEAが行い、その結果を公表しました。
  2. 本ILCは、国際原子力機関(IAEA)との間で2021年7月に署名されたALPS処理水の取扱いの安全面のレビューに関する付託事項(TOR)に基づき実施されているものです。
  3. 公表された報告書において、IAEAは、日本の分析機関の試料採取方法は、代表的な試料を得るために適切な方法論を示した必要な基準に従っており、かつ、ILCの結果から、海洋環境中の放射性核種の分析に参加した日本の分析機関が、高い正確性と能力を有している旨報告しています。
  4. なお、東京電力福島第一原子力発電所の廃炉について、2013年度にIAEAがとりまとめた報告書に記載されている海洋モニタリングに関する助言のフォローアップとして、2014年から実施しているILC(令和4年採取分)の報告書については、昨年12月にIAEAから公表されています。

3 日本政府は、今後とも、IAEAへの必要な情報共有を継続するとともに、ALPS処理水の取扱いについて、国際社会の一層の理解醸成に努めます。

 
(参考2)ALPS処理水

 ALPS(多核種除去設備(Advanced Liquid Processing System))等により、トリチウム以外の放射性物質について安全に関する規制基準値を確実に下回るまで浄化した水。さらにALPS処理水は、その後十分に希釈され、トリチウムを含む全ての放射性物質について安全に関する規制基準値を大幅に下回るレベルにした上で、海洋放出されている。

(参考3)「分析機関間比較(Interlaboratory Comparison(ILC))」

 ILCとは、放射性核種を分析する機関が、試料の採取から分析までの過程において同一の試料を用いての測定方法の確認及び分析結果の比較を行い、放射性核種の測定方法及び分析結果の適切さを確認するもの。


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