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2024年2月13日

石井経済産業大臣政務官は、2月3日(土曜日)から10日(土曜日)までの日程で、南アフリカ共和国及びコンゴ民主共和国(以下、DRC)に出張しました。
南アフリカ共和国では、マイニング・インダバ2024に出席し、日本とアフリカ諸国等との鉱業分野における協力推進に向けて基調講演を行うとともに、二国間会談を行いました。
DRCでは、2022年12月に西村大臣(当時)とンサンバ鉱山大臣との間で締結した鉱業分野の協力に関する共同声明で合意した「DRC官民ミッション」を実施し、アフリカにおける鉱山操業の実態に関する日本企業の理解促進、同地域への参入検討に繋げました。

1.南アフリカ共和国

(1)マイニング・インダバ2024への参加

南アフリカ共和国・ケープタウンにおいて、アフリカ諸国の閣僚級のほか、世界各国の政府関係者、投資家、資源関係企業が参加する世界最大級の鉱業分野の展示会・カンファレンス「マイニング・インダバ2024」に参加し、日本とアフリカ諸国等との鉱業分野における一層の関係強化に取り組みました。詳細は以下のとおりです。

※インダバ(INDABA)とは、ズールー語で「重要な問題を議論する会議」を意味します。

(2)JOGMECセミナー基調講演の概要

講演では、重要鉱物サプライチェーンの確保に向けた政策、特にアフリカでの取組を中心に紹介し、アフリカにおける有望プロジェクトへの日本企業の投資促進とともに、アフリカ諸国の鉱業分野における人材育成支援など、日本がアフリカ諸国とのウィン-ウィンの関係を重視していることを強調しました。

  • 基調講演の様子基調講演の様子
  • 基調講演の様子

(3) 政府関係者とのとの会談

マイニング・インダバ2024の機会を捉えて、計7名の閣僚級を含む政府関係者との間で、重要鉱物分野等の協力について意見交換を行いました。

ザンビア共和国 カブスウェ鉱山・鉱物開発大臣との会談

二国間の重要鉱物分野の協力関係を具体的に進めていくために、早期の、カブスウェ大臣の訪日、ザンビアにおける投資環境や投資機会を日本企業へ紹介する鉱業投資セミナーの開催を再確認しました。また、カブスウェ大臣からは、ザンビア全土に対する探査協力について改めて強い関心表明があり、JOGMECとのMOUに基づき、探査協力の取り組み強化について合意しました。

石井政務官、カブスウェ大臣(中央)ほか
※中央がカブスウェ大臣

コンゴ民主共和国(DRC) ンサンバ鉱山大臣との会談

DRCへの官民ミッションに参加する日本企業のうち5社が同席し、今般の官民ミッションの派遣が2022年12月に大臣間で署名した「鉱業分野に関する共同声明」で合意した取組であることを確認するとともに、官民ミッション後の取組について今後議論していくことで合意しました。また、2023年11月にJOGMECとDRCの国営鉱山会社であるGecaminesが締結したMOUを歓迎し、今後、具体的な案件形成につながるよう両国で支援していくことで一致しました。

  • 石井政務官とンサンバ大臣
  • 日本企業も交えた面談の様子日本企業を交えた面談の様子

タンザニア連合共和国 キリサワ鉱山副大臣との会談

二国間の重要鉱物分野の協力強化に向けて意見交換を行いました。とくに、タンザニア側からは探査に対する強いニーズが示され、今後、JOGMECと探査協力の強化について議論を進めていく方向で一致しました。

石井政務官とキリサワ副大臣

南アフリカ共和国 ンカバニ エネルギー鉱物資源副大臣との会談

日本企業が参画する鉱山プロジェクトに対するこれまでの同国の協力に感謝を示し、電力供給問題などプロジェクト推進に当たって解決すべき課題について議論を行いました。また、今後も二国間の重要鉱物分野の協力を強化していくことで一致しました。

ンカバニ副大臣と石井政務官

南アフリカ共和国 パテル貿易産業競争大臣との会談

パテル貿易産業競争大臣との会談では、二国間経済協力等について意見交換を行いました。石井大臣政務官からは、日南ア貿易合同委員会の開催に期待が示され、パテル大臣からは、自動車分野の脱炭素化における両国間の協力について関心が示されました。両者は、両国の経済関係の深化に向けて、引き続き連携していくことを確認しました。

南アフリカ共和国 パテル貿易産業競争大臣との会談

米国 フェルナンデス国務次官との会談

MSP(鉱物資源安全保障パートナーシップ)における同志国間の協力強化やアフリカにおける二国間の協力可能性について議論を行いました。とくに、DRCにおける案件形成について、フェルナンデス次官からJOGMEC-GecaminesのMOU締結を歓迎し、具体的な案件形成に向けてのサポートについて申し出があり、EUを含めた3者でさらに連携を深めていくことで一致しました。

米国 フェルナンデス国務次官との会談

フランス バンジャマン・ガエゾ首相府戦略的鉱物・金属資源の供給に関する省庁間代表との会談

JOGMECやJBIC等の政府系機関との連携も含め、二国間での重要鉱物分野における協力について確認しました。

フランス バンジャマン・ガエゾ首相府戦略的鉱物・金属資源の供給に関する省庁間代表との会談

2.コンゴ民主共和国(DRC)

(1)官民ミッション派遣の経緯

2022年12月に西村大臣(当時)とンサンバ鉱山大臣との間で締結した鉱業分野の協力に関する共同声明で合意したロードマップに基づき、石井大臣政務官を団長に、商社・非鉄メーカー7社及び政府関係者等、総勢29名からなる「DRC官民ミッション」が、DRCのSociété pour le traitement du terril de Lubumbashi(STL)社及び加・Ivanhoe Mines社のカモアカクラ鉱山を訪問しました。

※:大臣間で合意したロードマップ
(1)両国大臣の会談(2022年12月に実施)、(2)DRC大臣が出席するビジネスラウンドテーブルの開催(2022年12月に実施)、(3)日・DRC鉱業フォーラムの開催(2023年6月に実施)、(4)DRCへの官民ミッション派遣(今回)

(2)STL社訪問

STL社はGecamines社の100%子会社で、まだ多くの有用金属成分が残っている製錬残渣から亜鉛、銅などを生産しています。さらに昨年、湿式精錬設備を増強し、ゲルマニウム精鉱(1%程度の品位)の生産に向け調整を行っています。
官民ミッション一行は、STL社の精錬施設を視察し、同社幹部との意見交換を行いました。同社からは、日本からの投資を歓迎する旨、発言があり、施設の状況や投資機会などについて紹介がありました。

  • 意見交換の様子STL社との意見交換の様子
  • 視察STL社の視察(精錬残渣(右手奥)の前にて)

(3)カモアカクラ鉱山訪問

カモアカクラ鉱山は、加・Ivanhoe Mines社が運営する、世界最高品位の銅鉱山の一つです。また、同社は、周辺での探鉱活動も活発に行っており、同鉱山から20km程度離れたウェスタンフォアランド地区に大規模な銅鉱床の可能性があるとされています。
官民ミッション一行は、同社創設者であるロバート・フリードランド氏の出迎えを受け、同氏やIvanhoe Mines社幹部から、同鉱山の概要や今後の計画などの説明を受け、実際に同鉱山の坑道での作業の様子やウェスタンフォアランド地区の探鉱活動(ボーリング)の様子などを視察しました。また、従業員向けの教育・研修施設や、周辺住民支援の一環で同社がサポートしている、養魚場や縫製工場、レンガ工場なども視察しました。今般の視察を通じ、難しい条件下にも関わらず、最先端の鉱山操業や手厚い周辺住民対応を行っている状況が確認でき、日本企業にとって、DRCでの鉱山操業の実態についての理解促進、同地域への参入検討につながりました。

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  • 意見交換Ivanhoe Mines社との意見交換の様子
  • 視察ボーリングコアの視察の様子
  • 地域住民が勤務する縫製工場の視察地域住民が勤務する縫製工場の視察の様子

担当

  • 資源エネルギー庁 資源・燃料部 鉱物資源課長 有馬
    担当者:田中、岸、延時
    電話:03-3501-1511(内線4701)
    メール:bzl-koubutsu-kokusai★meti.go.jp
    ※[★]を[@]に置き換えてください。
  • 通商政策局アフリカ室長 名倉
    担当者: 古崎、橋本
    電話:03-3501-1511(内線 3008)
    メール:bzl-s-tsusei-africa★meti.go.jp
    ※[★]を[@]に置き換えてください。

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