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2024年2月15日

岩田経済産業副大臣は、2月13日(火曜日)から14日(水曜日)まで、フランス(パリ)に出張し、IEA閣僚理事会に出席しました。

1.IEA閣僚理事会

岩田経済産業副大臣は、2月13日(火曜日)から14日(水曜日)まで、IEA閣僚理事会に出席しました。今回はIEA設立50周年の節目となる会合であり、IEA加盟国を含む約50カ国、50以上の企業・関連機関が出席し、IEAの主要ミッションであるエネルギー安全保障に加えて、クリーンなエネルギー移行やIEA非加盟国へのアウトリーチなどのテーマについて議論を行いました。

岩田副大臣からは、(1)トリレンマ(エネルギー安全保障、気候危機、地政学リスク)への一体的対応、(2)多様な道筋の下での秩序ある形でのクリーンエネルギー移行、(3)多様な技術の社会実装と更なるイノベーション、(4)IEA非加盟国を含む世界全体での脱炭素化の重要性などについて発言しました。また、岸田内閣総理大臣より、ビデオメッセージにて、多様な道筋の下での秩序あるエネルギー移行の実現に向けて、エネルギー安全保障を中核ミッションとするIEAの更なる貢献に期待し、引き続き連携していく旨、発信しました。

会合の結果、成果文書(閣僚コミュニケ)がまとめられました。

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今回の閣僚理事会の成果文書(閣僚コミュニケ)のポイントは以下のとおりです。

(1) 序論

  • 2050年ネット・ゼロ実現に向けたエネルギーセキュリティ確保とクリーンエネルギー移行加速の緊急性を強調。
  • ロシアによるウクライナ侵略が世界のエネルギー安全保障の不断の脅威となっていることを認識。
  • IEA設立50周年にあたり、IEAがエネルギーに関する世界的な対話の中心であり続けることを決意。
  • COPグローバルストックテイクを想起し、エネルギーシステムにおける化石燃料からの移行に関するコミットメントを強調。2035年までに電力部門の完全または大宗の脱炭素化の達成を意図。

(2)クリーンエネルギー移行

  • 国ごとに決定された方法で、様々な世界的取組に貢献するよう求めるというCOP グルーバルストックの決定を想起し、公正で秩序ある衡平な方法による化石燃料からの移行の世界における必要性を強調。
  • 再エネ・省エネ:各国の状況を考慮しつつ、世界全体での再エネ容量3倍への貢献に関するコミットメントの確認、世界全体での年間エネルギー効率改善率2倍の目標に向けた政策と行動の支持。関心国に対し、世界全体のエネルギー貯蔵、系統、柔軟性の目標を含め、柔軟性を強化するための政策と施策の検討を奨励。
  • 原子力:気候変動への対処とエネルギー安全保障向上の両面における原子力の潜在性を認識。
  • 低炭素技術:クリーンエネルギー技術のさらなる開発、再エネ、低炭素水素・アンモニア、CCUS等の導入加速の必要性を強調。
  • 化石燃料サプライチェーンにおけるメタン排出削減の重要性を認識。
  • 産業脱炭素化の重要性を強調。

(3)エネルギー安全保障

  • ガス:ガスセキュリティ、適切に機能するグローバルなLNG市場の重要性等を認識。ガス分野におけるIEAの役割強化を歓迎。IEAに対して、適切な機関を通じた情報交換、ガスの貯蔵やリザーブメカニズムを通じた供給の柔軟性、透明性、安定性を強化する方法の検討・分析を要請。
  • 石油:世界の石油セキュリティに貢献する上でIEAの石油備蓄システムの重要な役割に留意。
  • 電力:化石燃料への依存低減とエネルギー安全保障確保の観点から、クリーン電力と電化の中心的かつ増大する役割を認識。
  • 重要鉱物:クリーンエネルギー移行における重要鉱物とそのバリューチェーンの中心的役割、重要鉱物分野におけるIEAの機能強化の重要性を認識。
  • クリーンエネルギーサプライチェーンの多角化の重要性を強調。

(4)クリーンエネルギー投資

  • 世界的なネット・ゼロ排出への移行を支援するための投資の更なる規模拡大を奨励。IEAに対して、排出集約部門の脱炭素化と1.5度との整合性を支援するためのトランジション・ファイナンスに関する新たな分析を要請。

(5)非加盟国との連携

  • ラトビアの新規加盟、チリ、コロンビア、イスラエル、コスタリカの加盟に向けたプロセスを歓迎。
  • ウクライナをIEAアソシエーション国として歓迎。電力等の重要分野における支援強化を承認。
  • ケニア、セネガルをIEAアソシエーション国として歓迎。
  • インドの戦略的重要性を認識し、IEA加盟に向けた協議及び建設的な関与の開始を歓迎。
  • シンガポールにIEA地域協力センターが開設されることを歓迎。

また、この機会に、閣僚理事会に出席した各国の代表等との間で会談を行いました。

2.各国の代表等との会談

(1)IEA ファティ・ビロル事務局長との会談

IEA設立50周年への祝辞を述べ、ガス・重要鉱物分野におけるIEA機能強化の必要性等を確認しました。

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(2)ドイツ ステファン・ヴェンツェル経済・気候保護省政務次官との会談

エネルギー分野(水素・アンモニア、再エネ、CCUS等)における二国間協力について意見交換を行いました。

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(3)韓国 崔南浩(チェ・ナムホ)第2次官との会談

水素・アンモニア、LNG、メタン削減等におけるエネルギー分野の二国間協力の深化について議論を行いました。

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(4)ポーランド クシシュトフ・ボレスタ気候・環境省国務長官との会談

エネルギー分野(原子力、水素、LNG等)における二国間協力について意見交換を行いました。

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(5)シーメンスエナジー アンヌ=ロール・ド・シャマール上級副社長との会談

エネルギー分野(水素、洋上風力)における協力について意見交換を行いました。

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(6)日立エナジー クラウディオ・ファキンCEOとの会談

エネルギー分野、特に電力分野における協力について意見交換を行いました。

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担当

資源エネルギー庁長官官房国際課長 白井
担当者:来海、笠井
電話:03-3501-1511(内線 4491~4494)
メール:bzl-kokusaika-france★meti.go.jp
※[★]を[@]に置き換えてください。

 

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