外務省・新着情報

令和6年2月15日

 2月12日から14日にかけて、辻󠄀清人外務副大臣は、パリで開催された第29回国際エネルギー機関(IEA)閣僚理事会に出席するため、フランス共和国を訪問したところ、概要は以下のとおりです。同閣僚理事会には、岩田和親経済産業副大臣も出席しました。

  1. 閣僚理事会概要
    1. 本閣僚理事会は、ル・メール仏経済・財務・産業・デジタル主権大臣及びライアン・アイルランド環境・気候・通信大臣兼運輸大臣の共同議長の下、IEAメンバー国及びEUに加え、アソシエーション参加国、参加申請国、世界のエネルギー関連企業等の代表が出席し、IEA設立50周年を記念して開催されました。
    2. 14日の閣僚理事会開会セッションでは、岸田文雄内閣総理大臣がビデオ・メッセージを送り、多様な道筋の下での世界全体の秩序あるエネルギー移行の実現に向けて、エネルギー安全保障を中核ミッションとするIEAの更なる貢献に期待するとともに、引き続きIEAと連携していく旨述べ、IEA設立50周年を祝福しました。
    3. 13日のハイレベル閣僚対話及び14日の閣僚理事会では、世界のエネルギー安全保障に重要な役割を果たしてきているIEAのこれまでの功績を踏まえつつ、2050年のネット・ゼロに向けて、エネルギー安全保障を確保しつつ公正で秩序あるクリーン・エネルギー移行を推進するためのグローバルな協力や取組に関する議論が行われました。また、会合の成果として閣僚コミュニケが採択されました。なお、同コミュニケでは、インドのIEA加盟に向けた協議の開始を歓迎しました。
    4. 辻󠄀副大臣は、14日の閣僚理事会において、IEAのこれまでの活動とG7への協力を評価し、今後もIEAが世界のエネルギー安全保障とエネルギー移行において重要な役割を果たしていくことへの期待を述べました。また、辻󠄀副大臣は、13日にオランダが主催したハイレベル閣僚対話「アフリカの持続可能な経済発展のための再生可能エネルギー」に出席し、アフリカの発展に資するエネルギー移行のために持続可能なアプローチと人材育成が重要である旨述べ、日本がこれまで行ってきたアフリカ自身による取組への支援を紹介しつつ、今後も日本はIEAとも連携して協力していく旨発言しました。また、辻󠄀副大臣は、昨年のG7広島サミットの「G7クリーン・エネルギー経済行動計画」の要請に基づき13日にサイドイベントとして開催されたエネルギー・イノベーション・フォーラムにも出席し、地政学的リスクと気候危機の下で歴史的なエネルギー移行期にある中で、ネット・ゼロという共通の目標に向けて多様な道筋の下でエネルギー移行を加速するためには、官民学の幅広い連携と幅広いクリーン・エネルギー技術の活用を推進することが重要である旨発言しました。
  2. 辻󠄀副大臣と各国・国際機関要人との会談
    1. 13日、デコット仏外務次官と会談をしたほか、ジュヌヴァール国民議会仏日友好議連会長と個別に会談し、日仏は互いに価値や原則を共有する「特別なパートナー」であり、今後も両国は緊密に協力していくことを確認しました。
    2. 14日、コーマンOECD事務総長と会談し、日本が議長を務める次回OECD閣僚理事会に向け率直な意見交換を行い、引き続き緊密に協力していくことを確認しました。
    3. 14日、ビロルIEA事務局長と会談し、日本議長下のG7に対するIEAによる多くの協力に感謝した上で、IEAのアジアでの活動の拡大を歓迎し、引き続き緊密に協力していくことを確認しました。
    4. 14日、ベリー・インド政策委員会(NITI Aayog)副委員長と会談し、インドのIEA加盟に向けた協議の開始を歓迎するとともに、二国間の協力について意見交換を行いました。
  3. 邦人関係者との懇談会
     辻󠄀副大臣は、今次訪問の機会に、各方面で活躍する在留邦人との懇談会を行いました。参加者からは、フランスでの経験に基づき、日仏関係の更なる発展に向けた様々な意見が述べられました。
(参考1)IEA閣僚理事会

 IEA閣僚理事会世界のエネルギー安全保障に重要な役割IEAの最高意思決定の機会であり、2年に開催。

(参考2)アソシエーション

 IEAが、グローバルなエネルギー安全保障の強化のため、非加盟国との協力に向けて2015年の閣僚理事会において立ち上げた枠組み。参加国はアルゼンチン、ブラジル、チリ、エジプト、インド、インドネシア、モロッコ、シンガポール、南アフリカ、タイ、ウクライナ、ケニア、セネガル。IEAは、アソシエーション参加国と、データ・統計制度構築の協力、エネルギー政策の助言等を主におこなっている。

(参考3)参加申請国

 参加申請国は、現在、チリ、コロンビア、コスタリカ、イスラエルの4か国(これまで、参加申請国であったラトビアは、今次閣僚理事会でメンバー国となった。)

(参考4)エネルギー・イノベーション・フォーラム

 本フォーラムは、我が国が昨年G7議長国として発出した「G7クリーン・エネルギー経済行動計画」の中で、「IEAに対し、公的部門、金融、企業、研究及びスタートアップ企業の関係者を集めた国際的なフォーラムを開催するよう招請」したことを受けて、今回実現したもの。イノベーションの障壁や、それを克服するための政府とイノベーターとの協働のあり方等について、官民学にわたる幅広い参加者を得て議論された。

(参考5)関連リンク・別添PDF

  1. IEA閣僚コミュニケ(英文別ウィンドウで開く仮訳(PDF)別ウィンドウで開く
  2. 岸田総理大臣ビデオ・メッセージ(和文別ウィンドウで開く英文別ウィンドウで開く

発信元サイトへ