経産省・新着情報

2024年2月16日(金曜日)
9時40分~9時49分
於:本館10階記者会見室

冒頭発言

産業競争力強化法等の一部改正法案閣議決定

おはようございます。
初めに私から1点申し上げます。
本日、産業競争力強化法等の一部改正法案を閣議決定しました。我が国経済には30年ぶりの高水準の賃上げ・国内投資という潮目の変化が生じています。この変化を持続させ、長年続いたデフレ構造から完全に脱却すべく、民間企業が投資・イノベーションを主導し、高い水準の賃上げが続いていくような成長型の経済への移行が求められています。
そのためには、戦略的な国内投資の拡大や、イノベーション・新陳代謝の促進が必要です。こうした考え方の下、本法案では、戦略分野への投資・生産に対する大規模・長期の税制措置や、研究開発拠点としての立地競争力を強化する税制措置、また、中堅企業・スタートアップへの集中支援などの措置を講じてまいります。
詳細につきましては、後ほど事務方から説明をさせていただきたいと思います。
私からは以上です。

質疑応答

高レベル放射性廃棄物処分

Q:先日、高レベル放射性廃棄物の最終処分場の選定に向けて、北海道寿都町と神恵内村で進めていた文献調査について、次の段階の概要調査の候補になり得るという報告案を公表されました。一方で、北海道の鈴木知事は反対の姿勢を示しており、また、北海道に続く候補地も現れていない状況です。
電力の安定供給と脱炭素の実現には、原発の活用が重要と位置付けていますが、それには、廃棄物処理の問題の解決が欠かせません。今回の調査結果の受け止めと、次の段階に向けた方針、また、今回の調査対象地域以外だけでなく、ほかの自治体も含め、どう理解を求めていくかお聞かせください。

A:2月13日、総合資源エネルギー調査会の作業部会の地層処分技術ワーキンググループでNUMOが作成した文献調査報告書の原案をお示ししたところです。
資源エネルギー庁が昨年11月に取りまとめた評価の考え方に基づき、報告書の原案が適切に作成されているか、正に作業部会での議論が始まったところです。
原案の内容や概要調査への移行見込みについては、現時点で私からコメントするのは差し控えたいと思います。
また、文献調査の実施地域拡大に向けては、昨年4月に改定した基本方針に基づき、全国の自治体を個別訪問する全国行脚を開始し、今年1月末までに73自治体の首長を訪問するなど、取組を強化しているところです。
引き続き、地域の皆様の声にしっかりと向き合い、説明を重ねながら、文献調査プロセスを丁寧に、そして着実に進めていきたいと考えています。今の時点で言えることはここまでです。

産業競争力強化法等の一部改正法案

Q:今回の産競法の改定で、中堅企業を創設する意義と狙いについて改めてお聞かせください。

A:中堅企業は、10年前と比較すると大企業を上回る従業員数の伸び率や給与総額の伸び率を示してきておりますし、国内売上げ・国内投資の着実な拡大を通じて、地方における良質な雇用の提供者にもなっています。更には、経営資源の集約化等により前向きな新陳代謝の担い手としての役割を果たしている重要な企業群になってきていると思います。
他方、中堅企業から大企業へと成長する企業の割合を見ますと、国際的には低い状況にあることや、人手不足等の課題に対応しつつ、国内外の大企業と競争していくための成長投資やM&A等を十分に行えていないといった課題も存在していると思います。
本法案によりまして、中堅企業のうち特に賃金水準や投資意欲が高い中堅企業を対象にしまして、複数の中小企業のM&Aに対する税制措置等を講じ、中堅企業の更なる成長や中堅企業・中小企業によるグループ一体での収益力の向上などを推進していきたいと思っています。
新たにこうした中堅企業支援の枠組みを構築することで、成長意欲のある我が国企業が、中小企業から中堅企業、そしてその先へとシームレスに成長を目指せるような環境の整備につながっていくと考えています。

株価

Q:株価についてお伺いいたします。バブル期に付けた株価の史上最高値が迫っておりますが、一方で、世界で株高が進んできた一方、日本は上がるまで34年ほどかかった要因について、日本の経済政策の反省点などあればお聞かせください。
また、日本企業の設備投資や新規事業への挑戦は十分だったというふうに受け止めていらっしゃるでしょうか、お伺いできればと思います。

A:大変重要な御質問だと思います。
株価は、昨日の終値では3万8,157円で、これは34年ぶりの水準です。株価の日々の動向自体については、経済状況や企業の活動など、様々な要因によって市場において決定されるものですので、経済産業大臣として、水準そのものにコメントすることは控えたいと思いますが、その上で、これまでの日本経済を振り返ると、バブル崩壊後の、いわゆるバランスシート不況や長引くデフレの中で、企業がコストカットに注力して利益拡大を図るコストカット型経済となっていたという認識を我々は持っています。
また、政府も民間主導という考え方の下で、民間の制約を取り除く市場環境整備策を政策の中心として考えておりまして、需要を開拓する新たな価値創出に向けた取組が、結果として不十分であったのではないかと認識しています。
他方、現在の日本経済は、国内外のマクロ環境の変化と社会課題解決を成長のエンジンとする積極的な産業政策により、私は潮目の変化を迎えていると思います。国内投資は約30年ぶりの水準となっていますし、スタートアップの資金調達は10年間で10倍となるなど、順調な増加基調が見られます。
こうした変化の兆しを確実なものとして、コストカット型経済から投資も賃金も物価も伸びる成長型経済へ転換できるよう、この機を逃すことなく積極的に取り組んでいきたいと考えています。

 

以上

最終更新日:2024年2月16日

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