外務省・新着情報

令和6年2月21日
日・メキシコ外相会談前のフォトセッション
日・メキシコ外相会談の様子

 現地時間2月21日午後5時(日本時間22日午前5時)から約30分、G20外相会合出席のためブラジル・リオデジャネイロを訪問中の上川陽子外務大臣は、アリシア・バルセナ・イバーラ・メキシコ合衆国外務大臣(H.E. Dr. Alicia Bárcena Ibarra, Secretary of Foreign Affairs of the United Mexican States)と会談を行ったところ、概要は以下のとおりです。

  1. 冒頭、上川大臣から、二度目となるバルセナ外相との会談実現を歓迎した上で、能登半島地震の被害に対するバルセナ大臣からのお見舞いに謝意を表するとともに、自然災害の経験を共有しつつ、将来の減災に係る取組につき引き続き両国で協力していきたい旨言及しました。さらに、中南米でG20やAPECが開催される本年は、日本と中南米の関係強化の好機であり、この機会に、独自の絆で結ばれた両国の戦略的グローバル・パートナーシップを強化したい旨述べました。バルセナ大臣からも再会を歓迎する旨述べるとともに、メキシコは日本との関係を高く評価し、絶大な信頼を置いており、日本企業によるメキシコへの更なる投資、特にニアショアリングやリロケーションの観点から、メキシコの電動モビリティや大規模インフラ事業における投資への期待を表明しました。さらに、人間の安全保障においても日本と協力したいとし、様々な自然災害に対するJICAの支援に感謝を表明しつつ、地震やハリケーン等共通の課題を抱える日本とメキシコの間で更に協力できることがあり、共に取り組んでいきたい旨述べました。
  2. 上川大臣から、本年は、日墨EPAの署名から20年、そしてメキシコ日本商工会議所発足60周年の節目であり、両国間の投資・貿易は飛躍的に拡大している旨述べ、両国の経済関係に加え、観光や研修生の派遣等の分野で人的交流が一層強化されることを期待する旨述べました。さらに、日系企業が中長期的視点で安心して投資できるよう、ビジネス環境整備上の諸課題に共に対処していきたい旨述べました。これに対し、バルセナ大臣からは、大臣からの要請を深刻に受け止めており、メキシコとしても認識の上対応しているが、大統領府にも懸念を伝えつつ、安心して日系企業に投資をしてもらうために、対応していきたい旨述べました。また、日墨戦略的グローバル・パートナーシップ研修計画は次の50年に向けての協力を確認するとともに、引き続き、経済だけでなく科学技術や文化の分野でも日本と協力すべく、人的往来についても取り組んでいきたい旨述べました。
  3. 上川大臣から、国際社会の平和と安定、繁栄を実現する上で、日本は「女性・平和・安全保障(WPS)」を力強く推進しており、先般の日・ウクライナ経済復興推進会議でも女性の更なるリーダーシップの重要性につき議論されたことを紹介した上で、UN Womenを通じて中米諸国の移民問題を支援するなど、移民問題においてもWPSの視点も踏まえて取り組んでいる旨述べました。また、上川大臣は、「フェミニズム外交」やWPSの推進等、伝統的に女性を外交政策の柱としているメキシコと共に、好事例の共有を含め連携していきたい旨述べました。これに対して、バルセナ大臣から、WPSを推進する日本の方針を歓迎し、WPSや中米移民問題についても、女性の視点を踏まえつつ、域内の第三国に対する支援や国際的議論において共に取り組んでいきたい旨述べました。
  4. 上川大臣から、日本が議長国を務める5月のOECD閣僚理事会において、OECD加盟30周年を迎えるメキシコが副議長国を務めることを歓迎する旨述べ、両大臣は、同閣僚理事会の成功裏の開催に向けて両国で連携していくことで一致しました。

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