経産省・新着情報

2024年2月22日(木曜日)
11時14分~11時27分
於:本館10階記者会見室

冒頭発言

おはようございます。
初めに私から1点申し上げたいと思います。
明後日24日、熊本県に出張します。まず、熊本県菊陽町で開催されるJASM社1号棟の開所式に出席します。本件には経済産業省が2022年6月に支援を決定しており、当日は工場視察も実施したいと思っています。こうして無事開所式が開催されることを大変うれしく思っています。
また、開所式に先立ちしまして、TSMC社のマーク・リュウ会長、熊本県の蒲島知事とそれぞれ意見交換を予定しています。今後、我が国の半導体産業をより活性化させていくための意見を伺えればと思っています。
開所式終了後は、熊本大学におきまして、小川学長と半導体人材の育成について意見交換するとともに、半導体関連の教育施設を視察する予定です。
私からは以上です。

質疑応答

JASM第一工場

Q:冒頭発言に関連して二つお願いいたします。
第一工場の竣工なんですけれど、半導体の国内供給網の強靱化にどのような影響を与えるか、改めて教えてください。
また、他国と比較して非常に速いスピードで竣工に至ったことへの受け止めと、今後世界の供給網再編の上で、日本の優位性として生かしていけるのか、お考えをお聞かせください。

A:今回開所式を迎えますTSMC、JASM第一工場により、自動車を始めとする我が国の産業において、今後更に需要の増加が見込まれる28~12ナノのロジック半導体の製造基盤が国内に整備されることになります。これにより、我が国の半導体供給におけるミッシングピースが埋められることになります。したがいまして、我が国産業全体のサプライチェーン強靱化に大きく貢献していくものと期待しています。
経済効果としても、九州7県では2023年度の製造業の設備投資が前年度の2倍を超える計画となっており、伸び率で見れば過去最高となりました。本プロジェクトが牽引する形で多くの半導体関連企業による国内への新たな投資表明につながってきていると認識しており、大きな経済波及効果が出ていると承知しています。
また、御指摘のとおり、第一工場の建設については、通常3年かかると言われているところを1年半で完了しており、建設会社を始めとした関係者の御尽力に心から敬意を表したいと思っています。
こうした建設のスピードに加え、熊本県を始めとする地元自治体による協力など、関係者の御協力やサプライチェーンの厚み、人材の質といった様々な要素こそ、我が国の有する強みであると思っていて、こうした点が評価されたことが、先日、第二工場を建設する発表につながっていったのではないかと認識しています。

株価

Q:日経平均株価について伺います。今日の東京株式市場で、株価がバブル期に付けた終値としての史上最高値を超え、取引時間中で見ても最高値に迫る勢いになっていますが、これに対する大臣の受け止めをお願いいたします。

A:株価の日々の動向については、経済状況、企業の活動など、様々な要因によって、市場において決まってくるものですから、経済産業省としてはコメントを控えます。
ただ、現在、日本経済には100兆円規模に達しつつある国内投資や、3.5%を超える賃上げ、この双方において30年ぶりの高水準にあり、私は潮目の変化が見られると思っています。こうした変化の兆しを確実なものとし、コストカット型経済から投資も賃金も物価も伸びる成長型経済へ転換できるよう、この機を逃すことなく積極的に取り組んでいきます。

ALPS処理水

Q:福島第一原発の処理水放出開始から間もなく半年がたとうとしておりますが、大臣としての受け止めをお聞かせください。
また、依然、中国の水産物輸入停止の状況が続いておりますが、今後の漁業者支援の考えについても教えてください。

A:昨年8月から開始をしておりますALPS処理水の海洋放出については、これまでのモニタリングの結果から計画どおり放出できており、安全であることが確認されています。海洋放出開始後に行われたIAEAレビューミッションの結果においても、ALPS処理水の海洋放出が安全に行われていることが改めて確認されていると承知しています。
引き続き、安全性の確保に万全を期すとともに、国内外に対して丁寧な情報発信に取り組んでいきます。
一方、中国が日本産水産物に対する輸入規制措置を講じていますが、様々なレベルで中国側との意思疎通を行っており、継続的に輸入規制の即時撤廃を強く求めていきます。
また、輸入規制による影響を除き、水産物の価格の大幅な低下など、現時点で大きな風評影響が生じているとの声は聞いていませんが、輸入規制を踏まえ、水産業支援の万全を期すべく、水産業を守る政策パッケージ等による支援策を引き続き講じていきます。
なお、これまでに販路拡大支援や輸出先の転換対策を進めてきた中で、一定の成果は出てきていると思っておりまして、例えばホタテ貝について見ますと、昨年12月の時点で輸出は米国向け等の増加により、前年同程度の水準となっています。
国内消費について見ますと、2人以上の世帯での消費額が約1.4倍となっており、国民の皆様の温かい御協力があると思っておりまして、感謝したいと思っています。
今後も漁業者等の方々の事情を丁寧にお伺いしながら、政策パッケージの実行を通じて全国の漁業者の支援に万全を期していきます。

IPEFサプライチェーン協定

Q: 24日にインド太平洋経済枠組み(IPEF)のサプライチェーン協定が、日米を含む5か国で発効されます。改めてこの御所感と意義をお伺いできますでしょうか。

A:IPEFは、御案内のように日米に加えましてインド、インドネシア、タイといったグローバルサウスを代表する国々とも連携をして、インド太平洋地域における21世紀にふさわしい新たな経済秩序を構築する取組です。
そのうちの一つの柱でありますIPEFサプライチェーン協定は、サプライチェーンに関する初の多国間の協定で、明後日24日に発効することとなりました。これにより、信頼できる国々との間でサプライチェーンに関する平時及び緊急時における協力が進展し、同志国と協力しながら我が国のサプライチェーンが強靱化されることを期待しています。
具体的には、本協定が発効されれば、平時においては重要物品をまず特定し、その強靱性を高めるため、供給源の多様化などに取り組む行動計画を作成します。サプライチェーン途絶時においては、加盟国に支援を求めることが可能となります。こうしたサプライチェーン協定のメリットを速やかに実現できるよう、引き続き米国始め各国と緊密に協力していきます。

ALPS処理水

Q: 私も福島第一原発の処理水に伴った件について伺いたいと思います。経産省で風評被害対策に取り組まれる一方で、風評被害を受けたことで影響を受けた事業者に向けて販路の支援をしたりですとか、また漁業の開拓をするのに必要な支援をするのに計800億円の基金を用意されていると思います。こうした取組について大臣の評価、またその課題感などがあれば教えていただきたいと思います。
また、実際にこれまで800億円のうちのどれぐらいの金額を交付されたのか、その点も分かれば教えていただきたいと思います。

A:ALPS処理水の海洋放出に伴う対策として、需要対策基金で300億円、それから事業継続基金で500億円の二つの基金を措置しているところです。
この基金ですが、需要対策基金は、風評影響を受けた水産物の一時的な買取り・保管やその販路拡大等の取組について支援するもので、これまで計38件、約79億円を交付決定しており、基金の活用が図られてきていると思っています。
また、事業継続基金は、省燃油活動を通じた燃油コストを削減する取組等を支援しており、一次申請分として全国で計182件、金額にして約55億円の交付決定を行っているところです。
詳細については事務方に確認していただければと思います。

対ロシア制裁、アークティック2

Q:まもなくロシアのウクライナ侵攻から2年になります。日本政府としては、欧米と一緒に足並みを合わせロシア制裁を行ってきたところでありますが、JETROの調査で、ロシア事業を一部若しくは全面停止している企業は、日系企業の6割というデータも出ています。日本企業への影響をどう見ていらっしゃいますか。
もう一点関連して、米国の制裁対象となっているアークティック2について、日本の企業も事業に参加していますが、改めて影響をお聞かせください

A:今日、突然の質問なので、事前にデータをチェックできておらず申し訳ありませんが、ウクライナに対するロシアの行動は許し難い措置だと思っております。日本政府としては、G7を始めとする国々と協力をしながら、ロシアに対する制裁をしっかりやっていかなくてはならないという立場に変更はありません。
それから、アークティック2につきましては、現状を、今把握しておりませんので、改めて把握して御説明できたらと思います。

以上

最終更新日:2024年2月22日

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