外務省・新着情報

令和6年3月7日
スブラマニヤム・ジャイシャンカル・インド外務大臣と握手する上川外務大臣
スブラマニヤム・ジャイシャンカル・インド外務大臣と会談する上川外務大臣
スブラマニヤム・ジャイシャンカル・インド外務大臣とともに記者会見に臨む上川外務大臣

 3月7日、午後6時30分から、上川陽子外務大臣は、外務省賓客として訪日中のスブラマニヤム・ジャイシャンカル・インド外務大臣(H.E. Dr. Subrahmanyam Jaishankar, Minister of External Affairs of India)との間で、第16回日印外相間戦略対話(約90分)及びワーキング・ディナー(約60分)を行ったところ、概要は以下のとおりです。

  1. 冒頭、上川大臣から、ジャイシャンカル外務大臣の訪日を歓迎する旨述べた上で、能登半島地震の被害に対するモディ首相からの温かいメッセージへの謝意を述べました。また、今年は「日印特別戦略的グローバル・パートナーシップ」の立ち上げから10年目となることに触れ、世界が歴史の転換点にある中、法の支配に基づく「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向け、また、国際社会の諸課題への解決策を共に創り出すべく、一層協力していきたい旨述べました。これに対し、ジャイシャンカル外相からは、訪日に際する謝意が述べられ、両国の協力を一層強化していきたい旨述べました。
  2. 二国間関係
    1. 上川大臣から、日印関係は、首脳・外相間をはじめ、頻繁なハイレベルの接点がその屋台骨としての役割を果たしてきている旨述べ、今後もこうした対話を頻繁に実施していくことで一致しました。
    2. 両外相は、近年の厳しい安全保障環境を踏まえ、安全保障分野において、全ての軍種で共同訓練が実施されていることを歓迎するとともに、防衛装備・技術協力を積極的に推進していくことを確認しました。また、今後、宇宙やサイバー等の新たな領域における協力の可能性を広げていくことで一致しました。
    3. 経済面では、上川大臣からジャイシャンカル大臣に対し、対印官民投融資5兆円目標の達成に向け、インドにおけるビジネス環境改善に向けた協力を要請しました。また、上川大臣から、先月、インド北東部関連事業を始めとする円借款9件の交換公文(E/N)の署名を行ったことを紹介し、ジャイシャンカル大臣から日本によるこれまでの開発協力に対する謝意が述べられました。両外相は、高速鉄道事業やインド北東部開発を推進していくことについても確認しました。これらに加え、日印両国の強みを生かした形で第三国の発展を共に支えていくべく、今回新たに日印関係者間で開発分野での第三国協力に係る協議の場を設けることで合意しました。
    4. 両外相は、人的交流分野について、今後一層取組を強化していくことを確認しました。具体的には、2023年度に実施している「日印観光交流年」を来年度も延長することで一致しました。
  3. 地域情勢・国際場裡における協力
    1. 両外相は、東アジア情勢、南アジア情勢、ウクライナ情勢を含む地域情勢について率直な意見交換を行い、核・ミサイル問題や拉致問題を含む北朝鮮への対応等を含め、緊密に連携していくことで一致しました。
    2. また、両外相は、安保理改革などの国際社会の諸課題や、「グローバル・サウス」との連携のあり方について意見交換し、国連をはじめとするグローバル・ガバナンスの改革や、地球規模課題への対処において連携していくことを確認しました。
  4. なお、今回の外相間戦略対話においては、能登半島地震における被災地の復興を願い、上川大臣から輪島塗のボールペンを贈呈しました。また、夕食会においては、北陸産の食材を使った料理とともに、両外相の好物であるきんぴらごぼうを提供し、ジャイシャンカル大臣からは、心のこもったもてなしに対する謝意が示されました。


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