経産省・新着情報

2024年3月8日(金曜日)
9時03分~9時12分
於:本館10階記者会見室

冒頭発言

日産自動車下請法違反

おはようございます。
私から初めに3点申し上げます。
1点目ですが、昨日7日、公正取引委員会が、日産自動車に対し、同社が下請事業者との取引で用いていた割戻金の運用について、下請法が規定する下請代金の減額の禁止に違反する行為が認められたとして勧告を行いました。
物価上昇を上回る賃上げを中小企業でも実現するため、官民一体となって、価格転嫁をはじめとする取引適正化をサプライチェーン全体で進めている中、こうした事案が生じたことは極めて遺憾であります。
日産自動車に対しては勧告を真摯に受け止め、今後の取引適正化に向けて、法令遵守のための社内体制の整備や遵守状況についての定期的な点検などの取組の徹底と、経済産業省への取組状況の速やかな報告を求めました。
経済産業省としましては、同様の下請法違反行為の未然防止に努めるよう、広く産業界に対し要請を行うとともに、取引実態の把握のための調査を通じて問題のある取引慣行の改善に引き続き取り組んでいきたいと思っています。

再生支援の総合的対策

2点目ですが、本日、金融庁・財務省とともに再生支援の総合的対策を策定しました。
本年4月に迎える民間ゼロゼロ融資の返済開始の最後のピークに万全を期すため、コロナ借換保証などのコロナ資金繰り支援を本年6月末まで延長するとともに、中小企業の経営改善・再生支援を強化します。
具体的には、信用保証協会向け監督指針の改正による協会の支援の質の向上、また、再生支援を担う中小企業活性化協議会の機能強化などを通じて、中小企業の経営改善・再生をしっかりと後押ししてまいります。
本対策を周知徹底すべく、関係大臣とともに、官民金融機関に対して的確な対応を要請するとともに、中小企業の方々にも対策の内容を分かりやすくお伝えしていきたいと思っています。
詳細は事務方からブリーフィングをさせますので、よろしくお願いします。

東日本大震災追悼復興祈念式出席

3点目ですが、3月11日で、東日本大震災から13年を迎えます。同日に、福島県が主催する東日本大震災追悼復興祈念式に出席してまいります。
被災された方々に心からお見舞いを申し上げるとともに、亡くなられた方々に心から哀悼の意を表し、献花をしてまいります。
福島復興と東京電力福島第一原子力発電所の安全かつ着実な廃炉は経済産業省の最重要課題です。今後とも、一日も早い復興に向け被災者の皆様に寄り添いながら、全力で取り組んでいきたいと思います。
私からは以上です。

質疑応答

IAEAの柏崎刈羽原発・福島第一原発視察

Q:原子力発電所関連でお伺いいたします。
IAEAが25日から東京電力柏崎刈羽原子力発電所のテロ対策の改善状況について調査することになりました。また、来週にはIAEAのグロッシー事務局長が東京電力福島第一原子力発電所を視察し、処理水放出に係る現状を確認する予定です。それぞれに期待することを教えてください。

A:柏崎刈羽原子力発電所については、核物質防護に関する原子力規制委員会の追加検査を終えて、現在東京電力による自主的な改善の取組が進められているところと認識しています。
昨年末に私から小早川社長に伝えましたように、IAEAのような社外の目線も積極的に取り入れ、地域・社会からの信頼回復に向けて自立的な改善を継続してもらいたいと思います。また、ALPS処理水の海洋放出についても、これまで繰り返しIAEAのレビューを受けて、その安全性について確認を受けてきました。
今回、グロッシーIAEA事務局長が訪日する中で、東京電力福島第一原子力発電所に訪問し、海洋放出開始後の現場を確認される予定だと承知しています。引き続きIAEAによる厳正なレビューを受けながら、長期にわたるALPS処理水の安全性の確保に万全を期していきたいと考えています。

米国半導体規制強化

Q:半導体についてお伺いします。
アメリカのバイデン大統領は、日本を含む同盟国に対して中国による半導体技術へのアクセス制限を強化するように求めています。これに対する受け止めと、また国内半導体関連産業に対する影響をお聞かせください。

A:まず、アメリカを含む関係国とは、輸出管理全般について、日頃から様々な意思疎通を行っているところですが、詳細については外交上のやり取りということもありますので、お答えは差し控えたいと思っています。
半導体装置については、我が国では、昨年7月に国際的な平和及び安全の維持の観点から、輸出管理を強化する措置を開始しています。当該措置の着実な実施を進めているところであり、現時点で新しい措置を行うことは予定していません。
また、我が国の半導体製造装置の輸出管理措置は全地域を対象として行っているものであり、特定国を念頭に置いているものではないと御紹介しておきたいと思います。

日産自動車下請法違反

Q: 日産の下請法違反に関しまして、現在の下請法はペナルティーが軽いのではないかという指摘があります。適正な取引環境のため、ペナルティーを重くする必要があるのではないでしょうか。また、減額強要は、日産だけではなく業界全体の問題であるとの指摘もあります。経産省としてどのように対応されていくか、お考えをお聞かせください。

A:大事な御指摘だと思います。
まず、ペナルティを含め、下請法の制度そのものにつきましては、公正取引委員会の所管ですのでコメントは差し控えますが、経済産業省としては、公正取引委員会とともに同法を執行する立場にありますので、厳正な法執行に努めていきたいと思っています。
また、業界全体の問題との御指摘もございましたが、今般の事案そのものは個社の事案ではありますけれども、業界としてもしっかりと受け止めて、一層の取引適正化に向けた契機としていただく必要があるのではないかと考えています。
自動車業界では、これまでも取引適正化に向けた自主行動計画、徹底プランの策定や、自動車工業会と自動車部品工業会による共同セミナーの開催といった自主的取組を進めていると聞いています。健全な業界の発展に向けて業界レベルでの取組が果たす役割は大きいと思いますので、一層の取組をお願いしたいと思っています。
経済産業省としては、今般の事案を契機に、下請法違反行為の未然防止に努めるよう、自動車業界を含め広く産業界に対し、不当な減額の未然防止など取引適正化に資する取組の推進を要請するとともに、取引実態の把握のための調査を通じて問題のある取引慣行の改善に取り組んでいきたいと考えています。

以上

最終更新日:2024年3月8日

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