外務省・新着情報

令和6年3月13日

 3月13日(現地時間同日)、カンボジア王国の首都プノンペンにおいて、高村正大外務大臣政務官と、ソック・チェンダ・サオピア・カンボジア王国副首相兼外務国際協力大臣(H.E. Mr. SOK Chenda Sophea, Deputy Prime Minister, Minister of Foreign Affairs and International Cooperation of the Kingdom of Cambodia)との間で、総額211億400万円を限度とする円借款(注)に関する書簡の交換・署名が行われました。
 (注)円借款: 開発途上国に対してインフラ等の整備や財政上必要な資金を緩やかな条件(低い金利や長い返済期間)で貸し付ける協力。開発途上国にとっては、日本への返済を前提とした資金なので、効果的な活用や自立的発展に繋がることが期待される。

  1. 対象案件の概要
     カンボジアでは、首都プノンペンと地方との医療サービスの格差が大きく、地方の医療サービスの質の改善及び医療サービスへの物理的アクセスを改善する必要があります。また、非感染性疾患の罹患・死亡の増加が深刻化しつつあるものの、首都プノンペンの国立病院を除いては、高度な診断・治療が求められる悪性腫瘍、脳神経疾患、心疾患等の非感染性疾患の診断・治療に対応できないため、地方の住民は診療のために首都や周辺国まで移動する必要があります。
     本計画は、シェムリアップ州及びコンポンチャム州において、州病院を高度医療の提供が可能な広域病院に格上げするために必要な医療施設及び医療機材を整備することにより、地方における高度医療へのアクセス改善を図り、もって首都と地方の医療格差の是正及び地域住民の健康増進に寄与するものです。地方の医療サービスの質の改善及び医療サービスへの物理的アクセスを改善する本案件は、地方開発を重視するカンボジアの国家開発計画においても優先度の高い事業として位置付けられ得るものであり、先方政府が重要視する分野において我が国支援を行うことは、両国の更なる関係強化に資することが期待されます。
  2. 供与条件
    1. 金利 :TORF+0.3%(下限金利は0.1%。またコンサルタント部分は年0.2%。) 
    2. 償還期間:30年(10年の据置期間を含む。)  
    3. 調達条件:アンタイド
(参考1)TORF(Tokyo Term Risk Free Rate)

  東京ターム物リスク・フリー・レートと呼ばれ、円借款の変動金利を表す際に用いられる金利指標である。
(参考2)カンボジア王国基礎データ

  カンボジア王国は、面積約18万平方キロメートル(日本の約0.48倍)、人口約1,695万人(2021年、世界銀行)、人口1人当たりの国民総所得(GNI)は1,550米ドル(2021年、世界銀行)。

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