農林水産省・新着情報

坂本農林水産大臣記者会見概要

日時 令和6年3月15日(金曜日)8時32分~8時42分 於: 参議院議員食堂
主な質疑事項
  • (大臣から)鹿児島県におけるイモゾウムシの発生について
  • 日ロさけ・ます漁業交渉について
  • 南米5か国の関税同盟との経済連携協定について
  • 食料自給率その他の食料安全保障の確保に関する事項の目標について
  • 食料供給困難事態対策法案の罰則について

冒頭発言

大臣

  私から1件ご報告がございます。鹿児島市におけるイモゾウムシの確認についてです。イモゾウムシはカブトムシなどの甲虫の仲間であり、さつまいもに大きな被害を与えるため、植物防疫法の侵入警戒有害動植物として指定されています。そのイモゾウムシが、3月12日に鹿児島市内で確認されました。我が国では島しょ部を除き平成24年に根絶が確認されていましたが、迅速にまん延防止の取組を進めることが重要であり、13日には植物防疫官を派遣し、鹿児島県等と連携し、現地関係者から聞き取りを行うとともに、現在、発生範囲を特定するための調査を進めており、調査結果を踏まえて、適切に防除を進めていく予定です。自治体やJAとも連携して、まん延防止に全力で取り組んでまいります。本虫に限らず、生産者の皆様におかれましては、農作物に見慣れない病状がある場合には、最寄りの都道府県病害虫防除所、または農林水産省植物防疫所に通報していただくようお願いいたします。これは非常に厄介な害虫ですので、よろしくお願いいたします。

質疑応答

記者

  日本の排他的経済水域内のさけ・ます漁について、ロシアとの交渉が妥結したと、昨夜、発表がありました。その受け止めを聞かせてください。また、2022年以降操業が見送られているロシアの排他的経済水域内での漁業交渉について、今後どう対応されるのか教えてください。

大臣

  日ロさけ・ます漁業交渉は昨日14日(木曜日)に妥結し、今年、2024年の日本漁船による日本水域でのロシア系さけ・ますの操業条件等について合意しました。具体的には、漁獲量は前年同の2,050トンとしつつ、協力金の額は、前年よりも2千万円引き下げた、1億8千万円となりました。今回の妥結により、我が国漁業者が要望していた費用負担の軽減及び早期の出漁機会の確保を実現できたと考えています。また、ロシア水域のさけ・ます漁業交渉については、現在、対応を検討しているところであり、現時点で、今後の見通しについて予断を持ってお答えすることは差し控えたいと思います。

記者

  メルコスールとのEPAについて、パラグアイの外相が4月にも日本との交渉を始めると表明したとの一部報道が出ていますが、事実関係をお願いします。また、メルコスールには農畜産物の輸出国が含まれていて、国内農業への影響が心配されますが、農水省としての今後の対応を聞かせてください。

大臣

  報道について承知していますが、日本とメルコスールとの間でEPA交渉を開始することを決定したという事実はありません。メルコスールとの経済関係の強化の在り方については、国内の様々な意見も踏まえながら、引き続き慎重に議論を継続してまいります。国内生産者の方々についてはいろいろなご意見もありますので、しっかり受け止めながら、今後やってまいります。

記者

  今週の国会審議を聞いていますと、基本法の件ですが、食料自給率、これはかなり薄まるのかと。その他の(食料)安全保障の確保に関する事項などで、食料自給率が目標として薄まるのではないかと。それから、食料供給困難事態対策法の罰則が果たして適当か、かなり論点になりそうと思っているか、この辺をどう受け止めていますか。

大臣

  昨今、ウクライナ情勢の影響等により、肥料価格が高騰するなど、食料安全保障をめぐるリスクが増大しており、このような中で食料安全保障の確保を図るには、生産資材の安定供給など食料自給率という単独の目標のみでは評価できない課題があります。このため、食料自給率に加え、他の指標も組み合わせて食料安全保障の確保に係る適切な目標を設定することとしています。このことは、昨年9月に取りまとめられた食料・農業・農村政策審議会の答申も踏まえているところです。これを踏まえ、食料自給率については、食料・農業・農村基本法の改正法案において「食料自給率その他の食料安全保障の確保に関する事項の目標」と規定することとしたものであり、これまでの議論からすれば、食料自給率の重要性が変わるものではありません。新しい目標については、今後、新しい基本計画の策定過程において、我が国として食料安全保障の確保を図るため、適切な目標を設定すべく、検討を行ってまいります。
  食料供給困難事態対策法の罰則ですけれども、まず、今国会に提出した「食料供給困難事態対策法案」では、政府が農業者に生産増を指示して、農業者が生産増ができなかった場合に罰則をかけるということにはなっていません。具体的には、食料供給不足による国民生活・国民経済上の影響が発生する「食料供給困難事態」の公示を行ったときに、政府として確保可能な供給量を把握し的確な対策を実行するため、出荷・販売、輸入、生産を行う事業者に対し、供給計画の届出を指示できることとしています。計画の届出は、供給確保対策を講ずる際の現状を把握する上で不可欠なものであることから、計画の届出を行わない事業者に対しては20万円以下の罰金を規定していますが、この場合でも、増産等の計画を強制するものではなく、実施可能な範囲で計画を作成すればよいということ、輸入や生産の拡大など届出の内容を実行できなかったからといって、罰則の対象としているものではないことから、事業者に過度な負担をかけるものではないと考えています。他方で、輸入や生産の拡大などの要請や支援に応じていただくために、事業者に対しては、必要な財政上の措置を行うこととしており、法案の趣旨や必要性について、関係者に対して丁寧に説明を今後も行ってまいります。

報道官

  よろしいでしょうか。それでは、これで大臣会見を終わります。

以上

 

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