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令和6年3月18日

 3月18日(現地時間同日)、スリランカ民主社会主義共和国のコロンボ市において、水越英明スリランカ民主社会主義共和国駐箚日本国特命全権大使と、カナカラトゥナ・ムディヤンセラゲ・マヒンダ・シリワルダナ・スリランカ民主社会主義共和国財務・経済安定・国家政策省次官(Mr. Kanakarathna Mudiyanselage Mahinda Siriwardana, Secretary, Ministry of Finance, Economic Stabilization and National Policies of the Democratic Socialist Republic of Sri Lanka)との間で、以下の3件の無償資金協力(合計16.04億円)に関する書簡の署名・交換が行われました。

  1. 無償資金協力「経済社会開発計画」(漁民保護関連機材の供与)(供与額:2億円)
     近年、スリランカの北部州、東部州では漁民の海難事故(座礁、衝突、転覆、火災等)が増加傾向にあり、漁民の保護・救命のための海難事故対処能力の向上が喫緊の課題となっています。
     この協力は、スリランカ政府に対し、日本企業製品の漁民保護関連機材(救急パトロール艇、救護用複合艇等)を供与するものです。この協力により、紛争の影響により開発が著しく遅れている北部州、東部州を中心に漁民の海難事故への対応能力の向上が図られ、もって社会の安定化を通じた同国の経済社会開発に貢献することが期待されます。
  2. 無償資金協力「経済社会開発計画」(北部州女性支援関連機材の供与)(供与額:4.04億円)
     スリランカの北部州では、長年にわたった内戦の影響による紛争寡婦や女性世帯、国内避難民となり私財を失った女性が多数暮らしています。その多くは現在も十分な生計手段を得られず、経済社会的に脆弱な立場に置かれています。特に2022年来の経済危機や緊縮政策により、脆弱な妊産婦の健康に深刻な影響が出ています。
     この協力は、スリランカ北部州の女性支援として、同州の6つの公立病院に日本企業製品を含む母子保健医療機材(ベッドサイドモニター、可搬型超音波画像診断装置等)を供与するほか、州内の6か所の職業訓練所に縫製技術習得用の工業ミシンを整備するものです。この協力により、内戦による影響等で開発が遅れている北部州の母子保健及び能力開発を通じた女性の生計向上が図られ、もって同国の経済社会開発につながることが期待されています。
  3. 無償資金協力「経済社会開発計画」(油防除関連機材の供与)(供与額:10億円)
     インド洋のシーレーン上の要衝にあり、国際基幹航路に面するスリランカでは、毎日約700~800隻(2023年時点)の船舶が沖合を通過しており、その13%(2023年時点)を燃料輸送のタンカーが占めています。近年、スリランカ周辺海域では航行船舶数の増加に伴い、油の流出事故が増加しており、海洋生態系等負荷や、同国の主要産業である観光業、漁業等への悪影響が懸念されることから、我が国はこれまで油流出対策にかかる技術支援を継続してきました。
     この協力は、スリランカ政府に対し、日本企業製品の油防除関連機材(オイルフェンス展張船、オイルリカバリーセット等)を供与するものです。この協力により、同国沿岸部における海上油流出事故への対応能力の向上を図り、もって同国の経済社会開発に貢献することが期待されます。
(参考)スリランカ民主社会主義共和国基礎データ

 スリランカ民主社会主義共和国は、面積6.6万平方キロメートル(北海道の約0.8倍の大きさ)、人口約2,218万人(2022年、世界銀行)、1人当たり国民総所得(GNI)は、3,610ドル(2022年、世界銀行)。


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