農林水産省・新着情報

坂本農林水産大臣記者会見概要

日時 令和6年3月19日(火曜日)9時00分~9時09分 於: 本省講堂
主な質疑事項
  • 福島県産農産物等流通実態調査の結果について
  • 海外向け代理購入ECサイトにおける登録品種の種苗購入について
  • 能登半島地震による農地・農業用施設の被害及び営農再開に向けた支援について

質疑応答

記者

  先日15日に発表された福島県産の米や牛肉などの出荷量が震災前の水準を未だ下回っていますが、そのことについての受け止めと今後の農水省としての対応を教えてください。

大臣

  3月15日に公表した、令和5年度(福島県産農産物等流通実態)調査の結果にもあるとおり、引き続き、ブランド化の取組は重要であると認識しています。今後、生産者、流通事業者等に対し、調査結果の説明を行うとともに、関係省庁と連携して、福島県産品の販売促進に向けて協力要請等を行ってまいります。

記者

  登録品種の海外流出の懸念について、海外に住んでいる人が日本のECサイトで商品を購入する際に使う代理購入サイトで、栽培地域が日本国内に制限されている登録品種の種苗が購入できるようになっているサイトも複数ありまして、実際に購入されて海外に発送されてしまうと、有望品種の流出にも繋がりかねませんが、農水省としての受け止めや対策について、お伺いしたいのですが。

大臣

  国内の大手フリマサイト等に出品された種苗について、海外向け代理購入を行うECサイトがあることは承知しています。こうしたECサイトによる種苗の販売が拡大し、海外も含め不特定多数の者に購入機会が広がることが、優良品種の海外流出の新たなリスクになることを懸念しています。知的財産としての種苗については、令和2年に種苗法を改正し、登録品種の海外持出しを制限できるようにしたことにより、育成者権者に無許可で輸出する行為を、損害賠償請求や刑事罰の対象としたところです。農林水産省としては、サイト運営者も含めて関係者に種苗法上の制度を周知し、種苗の海外への配送を不可とするシステム変更などの働きかけをしてきたところです。さらに、デジタル化の進展に応じた優良品種の保護・活用の在り方について、農林水産省内で外部有識者による検討会を開始したところであり、この中で、海外向けの代理購入サイトも含め、ECサイト取引に係る対応も検討してまいります。外部有識者による検討会は、3月6日に第1回目を行いました。この後も複数回の検討会を行いまして、5月末か6月には中間取りまとめをしたいと思っています。

記者

  その中間取りまとめ後、何かしら具体策を検討されるような運びになるでしょうか。現時点での見通しを伺いたいのですけれども。

大臣

  まだ1回開催したばかりですので、中間取りまとめを拝見しながら、これからの対応をしていきたいと思っています。制度改正の可能性も含めて、有識者の皆様方に検討していただいているところですので、まずは、結論に予断を持たず、検討会で議論をしていただきたいと思っています。

記者

  能登半島地震の被災地の農地について、春の営農に向けて、今年、田植えするかどうかなどの決断がそろそろ迫られる時期の中で、避難者が多いために農地の調査などもうまく進んでいないといったお話も聞きます。現在の農地の被害調査の状況と営農意向について、今、調査などされていたら、どういった意向が出ているか教えてください。また、営農ができない期間が続くと離農の可能性も高くなることも、農水省はずっと懸念されているかと思います。離農が進まないように、どういった支援策等を検討されているかも教えてください。

大臣

  農地・農業用施設の被害について、3月18日現在で、石川、富山、福井、新潟、長野、岐阜の6県において、農地1,132か所、農業用施設5,081か所、合計6,213か所の被害が報告されています。特に被害の大きかった石川、富山両県については、積雪等の影響もあり、全体像の把握には多少の時間を要すると考えていますけれども、農水省では延べ7,300名のMAFF-SATを現地に派遣し、被災自治体や関係団体等と連携して、被害の状況把握や応急対策等を全力で進めているところです。
  稲作などの地域農業を支える方々の営農再開については、5月上旬からの田植えを実施できるよう、現地に派遣したMAFF-SATが、県、市町、土地改良区等と連携しながら、水張りが可能かどうか、ほ場の被害状況等を確認しているところであり、必要な苗の確保等については、県、市町、JA等と連携しながら農業者のご意向を把握し、スピード感を持って進めているところです。1か月間の育苗期間が必要ですので、5月上旬に田植えを考えた場合には、3月中には水張りが可能かどうか判断しなければいけないと考えています。その上で「被災者の生活と生業支援のためのパッケージ」に基づき、査定前着工制度を活用し、仮設水路や応急ポンプにより用水を確保するとともに、農地等の早期復旧を図るほか、どうしても水稲の作付けを断念せざるを得ない場合には、大豆、そば等の代替作物の種子の購入支援や、それらを作付けした際の「水田活用直接支払交付金」の活用など、各種支援を重層的に講じて、離農を食い止めたいと思っています。さらに、これらの支援策が、被災地の農業者の皆様方にご活用いただけるように、石川県下のJA等に、石川県、JA、農林水産省の職員が常駐した相談窓口を設置しており、農業者の個別の相談を受けつつ、事業申請手続の伴走支援を行ってまいります。

報道官

  よろしいでしょうか。それでは、これで大臣会見を終わります。

以上

 

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