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2024年3月21日

JISは、製品やサービスの品質などを定めた国家規格であり、社会的環境の変化に対応して、制定・改正を行っています。今月制定・改正したJISについてお知らせします。

1.日本産業規格(JIS)とは

日本産業規格(JIS:Japanese Industrial Standards)は、産業標準化法(JIS法)に基づく国家規格であり、製品、データ、サービスなどの種類や品質・性能、それらを確認する試験方法や評価方法などを定めています。

JISは、製造事業者やサービス事業者が、品質の良い製品やサービスを生産・提供することや、消費者等が、品質の良い製品やサービスを入手・利用すること等のために用いられています。
関係府省では、技術の進歩や社会的環境の変化等を踏まえ、必要に応じて、JISを制定・改正しています。

JISの制定・改正は、経済産業大臣等の主務大臣により、日本産業標準調査会(JISC)※1での審議・議決を経て行われます。(認定産業標準作成機関※2が作成したJIS案については、同調査会の審議を経ずに主務大臣が迅速に制定・改正を行います。)

※1 JIS法に基づき経済産業省に設置されている審議会
※2 JIS法に基づき主務大臣の認定を受けた、迅速かつ安定的な標準化活動に関する専門知識及び能力を有する民間機関

2.今回のJISの制定・改正内容

今回は、21件の制定及び58件の改正を行いました。
なお、制定・改正したJISのうち、認定産業標準作成機関がJIS案を作成したものは、制定3件及び改正1件(一般財団法人日本規格協会)となります(資料1)。
以下、今月、制定・改正したJISのうち、新たに制定・改正した件を紹介します。

(1)チタン及びチタン合金中の多元素を同時分析できる方法に関するJISを制定(JIS H 1633)

軽量で高強度のチタン合金は、航空宇宙分野等において、欠かすことができない素材です。また、自動車エンジンにおけるチタン合金や燃料電池におけるチタンの採用は、燃費向上のみならず、脱炭素社会の実現に大きく寄与するものです。
これらチタン及びチタン合金を製品として使う際には、アルミニウム、バナジウム、鉄などの含有成分の分析が必須ですが、分析方法が成分ごとに異なるため、作業が煩雑であるという欠点がありました。
そのため、チタン及びチタン合金に含まれる多元素を同時に分析できるICP(Inductively Coupled Plasma:高周波誘導結合プラズマ)分析方法に関するJISが制定されました(資料2)。

画像1

(2)尿吸収製品用リサイクルパルプのJIS制定(JIS S 0261)

高齢化の進展に伴い需要が拡大している紙おむつは、使用後、そのほとんどが焼却処理されています。そのような中、脱炭素社会の実現に向け、紙おむつに使用される吸水性パルプのマテリアルリサイクルの普及拡大が期待されています。しかしながら、使用済み紙おむつから得られた材料を再利用するには、排泄物に含まれる成分が除去されているかの確認など再生材の衛生性・安全性を客観的に示すことが課題となっていました。
今般、尿吸収製品用リサイクルパルプの品質とその試験方法等を規定したJISを制定しました。これにより、リサイクルパルプの品質や安全性が客観的に担保されることで、様々な手法による紙おむつのリサイクル推進やリサイクルによるパルプの有効利用促進が期待されます(資料3)。

画像2

様々なリサイクル手法から得られた材料の品質と試験法のJIS活用イメージ図
提供:(一社)日本衛生材料工業連合会

(3)レディーミクストコンクリートに関するJISを改正(JIS A 5308)

レディーミクストコンクリート(いわゆる「生コンクリート」)は、建設基礎資材として広く用いられ、土木・建築重要構造物になくてはならない社会インフラ製品です。品質管理が極めて重要な製品であるため、品質要求事項等を定めるJIS及びJISマーク表示制度が、生産者のみでなく、発注者(公共・民間事業者)、建設業者、認証機関等の広範な利害関係者の取引等で重要な役割を果たし、全国で広く活用されています。
今般、製造におけるリサイクル材の活用や廃棄物削減等の環境負荷低減の社会的要請、生産者からの製造・試験・検査等の合理化に関する要望や広範な利害関係者のニーズ等を踏まえ、JISを5年ぶりに改正しました。
これにより、レディーミクストコンクリートの製造における他産業で発生した副産物の活用や、廃棄物の削減、CO2排出低減などの環境負荷低減の進展、省力化やDXの推進などの生産性の向上が期待され、ひいては、レディーミクストコンクリートの品質、社会からの信頼性の向上や生産・使用の合理化に資することが期待されます(資料4)。

写真1  
工場での試料採取の状況 

写真2 
タブレット端末(電磁的記録)による納入書

提供元:全国生コンクリート工業組合連合会

3.各規格のお問合せ先について

今回制定・改正された各規格の詳細についてお問い合わせされる場合は、資料1に記載された担当課にメールにてご連絡ください。その際は、御氏名、御所属(企業からのお問合せの場合)、御連絡先を明記していただくようお願いします。

4.過去のニュースリリース

日本産業規格(JIS)制定・改正関連のリリースはこちらを御覧ください。

関連リンク

日本産業標準調査会ホームページ外部リンク
経済産業省ホームページ標準化・認証
経済産業省METI Journalオンライン2月号の政策特集は、「標準と経営が恋をする」(標準化)でした

JISの閲覧は、こちら外部リンクより検索ください。

関連資料

担当

  • 本発表資料のお問合せ先

    産業技術環境局 基準認証調査広報室長 小嶋
    担当者:小島
    電話:03-3501-1511(内線3421~3422)
    メール:bzl-kijun-Koho★meti.go.jp
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  • 規格のお問合せ先

    産業技術環境局 国際標準課長 西川

    担当者:(1)田中、加藤、伊藤
    (2)田中、小川(晶)、村松
    (3)田中、関野、牧

    電話:03-3501-1511(内線3423~3427)
    メール:bzl-s-kijun-ISO★meti.go.jp
    ※[★]を[@]に置き換えてください。

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