経産省・新着情報

2024年4月2日(火曜日)
8時33分~8時42分
於:国会本館2階閣議室前

冒頭発言

先端半導体支援

おはようございます。初めに私から3点申し上げます。
1点目ですが、本日、次世代半導体の製造拠点を目指すラピダスについて、外部有識者による進捗の精査の結果、2024年度の計画を承認し、追加支援を決定しました。
引き続き、IBMやimecとの共同研究を継続し、量産を意識した製造プロセスの精度改善や製造拠点への装置導入などを行います。また、最近のグローバルトレンドでは、後工程の重要性が増しています。ラピダスも前工程に加え、先端後工程の開発を行うこととしており、国として支援することとしました。
ラピダスが取り組む次世代半導体は、生成AIや自動運転など日本産業全体の競争力の鍵を握るキーテクノロジーであると考えています。本年度はラピダスにとって非常に重要な1年になっていくと認識しています。経済産業省としても、プロジェクトの成功に向けて全力で取り組んでいきたいと思います。詳細は事務方によるブリーフィングでお尋ねいただけたらと思います。

LPガス商慣行是正

2点目は、LPガスについてです。消費者の方々から、料金が不透明で高いとの指摘を数多く頂戴してきました。そして、その原因たる商慣行を是正するため、液化石油ガス法に係る経済産業省令を改正し、本日、これを公布しました。
今回の制度改正により、LPガス事業者が、不動産関係者に対し、設備貸与や紹介料などの形で過大な利益供与を行うことや、LPガス料金として、エアコンなど、ガスとは関係ない費用を上乗せ回収することを禁止するなどの措置を講じます。
今回の制度改正を契機として、LPガス事業者や不動産関係者がこれまでの商慣行を徹底的に是正していただければと思っています。
経済産業省としても国土交通省や消費者庁、公正取引委員会といった関係省庁とも連携して、市場監視体制を強化してまいります。

FIT/FIP交付金一時停止措置

3点目です。昨日4月1日、地域と共生した再エネ導入を進めるための事業規律を強化する改正再エネ特措法を施行させました。この中では、関係法令に違反する事業者には早期の是正を促すために、FIT/FIP交付金を一時停止することとしています。法施行後、速やかに対応すべく、本日、森林法違反が明らかな9件に対して、この措置を実施します。
引き続き、関係省庁や自治体と連携しつつ、現地調査を行う体制も強化しながら、違反案件には厳格に対応し、地域と共生した再エネの導入を進めていきたいと考えています。
私からは以上です。

質疑応答

東電柏崎刈羽原発再稼働

Q:私から、柏崎刈羽原発についてお伺いいたします。
先日、大臣から新潟県知事へ再稼働への理解を要請され、幹部の方が直接説明にも行かれました。ただ、新潟県内では能登半島地震をきっかけに、避難などへの不安が高まっており、例えば、新潟市長からは、県民の不安に十分に応えていない段階での要請は、やや早いのではないかといった発言が出ています。政府は地元の理解を得て再稼働を進める方針ですが、理解を要請するタイミングは適切だったのかどうか、御見解をお願いいたします。
また、東電は28日に燃料の装荷予定を発表しました。これを含めた一連の動きについて、長岡市長は、違和感があると述べています。今の段階で燃料を装荷する東電の判断についても大臣の御見解をお聞かせください。よろしくお願いします。

A:まず、柏崎刈羽原発については、3月15日、私が昨年末に求めた地域の信頼回復に向けた取組の方針について、東京電力から報告を受け、その上で18日に花角知事はじめ、首長の皆様にお電話を差し上げました。
21日には、村瀬長官らを派遣し、柏崎刈羽原子力発電所の再稼働に関する方針等を説明しましたが、これは理解活動の出発点です。様々な声があることも真摯に受け止め、丁寧に説明を尽くしてまいりたいと考えています。
また、御指摘の燃料装荷は、再稼働そのものではありません。機器の健全性を確認するためのプロセスの一環であると承知していますが、東京電力におかれましては、そうしたことも含めて地域の皆様に丁寧に説明を行うとともに、原子力規制庁の指導の下、安全最優先で対応してもらいたいと考えています。
いずれにしても、規制委員会が新規制基準に適合すると認めた場合のみ、地元の理解を得ながら再稼働を進めるという政府の方針は変わりません。御理解を得られるよう説明を尽くし、地元の実情を踏まえて丁寧に進めてまいりたいと考えています。

先端半導体支援

Q:ラピダスへの追加支援について伺いたいです。今回の追加支援額の規模を伺いたいのと、あと先端半導体を国産化する意義というのを改めて伺えればと思います。

A:まず規模について、今回発表する支援額は、上限5,900億円となっています。
その内訳を申し上げますと、前工程プロジェクトへの追加で上限5,365億円、新たに開始する先端後工程プロジェクトについては、上限535億円の支援額となっています。
意義については、御案内のとおりだと思いますが、半導体は、デジタル化や脱炭素化、経済安全保障を支えるキーテクノロジーです。今後、AIや自動走行技術といった先端デジタル技術の利活用拡大に応じて、世界需要が大幅に拡大していくことが見込まれており、これからの我が国の産業、ひいては世界全体の産業基盤であると言っても過言ではありません。
日本経済は、失われた30年とも言われて久しいですが、あえて言えば、半導体産業基盤を喪失し、先端半導体を活用する意識が薄れていったことが、こうした経済の停滞・我が国の産業の国際競争力の喪失を招いてきたと言ってもいいのではないかと思っています。
ラピダスが取り組む次世代半導体は、我が国産業の未来、将来の経済成長を左右する最重要技術であるという強い認識の下で、経済産業省としても必要な予算もしっかりと確保しつつ、プロジェクトの成功に向けて全力で取り組んでいきたいと考えています。

以上

最終更新日:2024年4月2日

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