外務省・新着情報

令和6年4月4日

 4月4日(現地時間同日)、パキスタン・イスラム共和国の首都イスラマバードにおいて、和田充広駐パキスタン・イスラム共和国日本国特命全権大使とカジム・ニアズ・パキスタン・イスラム共和国経済省次官(H.E. Mr. Kazim Niaz, Secretary to the Government of the Islamic Republic of Pakistan, Ministry of Economic Affairs)との間で、2021年1月25日に書簡を署名・交換した無償資金協力「サッカル市における気象レーダー設置計画」(19.86億円)の供与限度額を28.18億円に、また、2021年8月31日に書簡を署名・交換した無償資金協力「シンド州における母子保健医療施設拡充計画」(34.45億円)の供与限度額を41.16億円に変更することに関する書簡の署名・交換が行われました。なお、これらの供与限度額の変更は、近年の機材価格の高騰等を背景に行うものです。

各案件の概要は、それぞれ以下のとおりです。

  1. 「サッカル市における気象レーダー設置計画」
     パキスタンは、自然災害による被害を頻繁に受けています。その地形的特徴から、一度大雨が降ると、洪水、鉄砲水や地滑り等の災害が発生しやすい状況にあり、頻発する自然災害は、同国民の尊い生命や財産を脅かし、社会経済発展の停滞を招く要因となっています。
     この協力は、パキスタンのシンド州サッカル市に気象レーダーシステムを整備することにより、同国の災害を引き起こす気象現象の監視能力の強化及び気象・洪水情報や予警報の精度向上を図るものです。この協力により、観測精度が向上するとともに、正確な気象情報の提供が可能になり、災害軽減策の実施促進、二次災害防止につながることが期待されます。
  2. 「シンド州における母子保健医療施設拡充計画」
     パキスタンは、南アジア地域において母子保健・医療体制が最も脆弱な国の一つであり、特にシンド州はパキスタンの中でも母子保健に関する整備が最も遅れている州の一つとされています。同州ハイデラバード県の中核病院であるリアクアット大学病院においても、年々増加する患者数に対し、特に新生児・小児病床が絶対的に不足しており、また、リスクを伴う出産に対応できる体制も十分ではなく、母子保健医療体制が特に脆弱な状況にあります。
     この計画は、リアクアット大学病院において、母子保健センターを新設し、医療機材の整備を行うものです。この計画により、同病院の母子保健に関する診断・治療体制が強化され、もってパキスタンにおける母子を対象とした保健・医療サービスの体制強化及び質の向上が期待されます。
(参考)パキスタン・イスラム共和国基礎データ

 パキスタン・イスラム共和国は、面積約79.6万平方キロメートル(日本の約2倍の大きさ)、人口2.35億人(2022年、世界銀行)、人口1人当たりの国民総所得(GNI)1,580米ドル(2022年、世界銀行)。


発信元サイトへ