外務省・新着情報

令和6年4月4日

 4日2日、我が国がUNRWAへの資金拠出の一時停止を解除し、資金の適正性を確認しながら支援を実施していくとの方針を公表したことを受け、また、最近のイスラエル・パレスチナ情勢について意思疎通すべく、上川陽子外務大臣は、ムスタファ・パレスチナ首相兼外務・移民庁長官(2日)、カッツ・イスラエル外相(3日)との電話会談に続き、本4日、レバノン、エジプト、ヨルダン外相とそれぞれ電話会談を行ったところ、概要は以下のとおりです。

  1. 本日実施した外相電話会談
    1. アブダッラー・ブハビーブ・レバノン外務・移民大臣(H.E. Mr. Abdallah BouHabib, Minister of Foreign Affairs and Emigrants of Lebanese Republic)
      午後5時から約15分間
    2. サーメハ・シュクリ・エジプト外務大臣(H. E. Mr. Sameh Shoukry, Minister of Foreign Affairs of the Arab Republic of Egypt)
      午後5時25分から約20分間
    3. アイマン・サファディ・ヨルダン副首相兼外務・移民大臣(H. E. Mr. Ayman Safadi, Deputy Prime Minister and Minister of Foreign Affairs and Expatriates of the Hashemite Kingdom of Jordan)
      午後6時10分から約20分間
  2. UNRWAの拠出再開に関するやり取り
    1.  各会談において、上川大臣から、ガザの人道状況が悪化の一途を辿っていることに強い危機感を持っていると述べた上で、3月25日、ラマダン期間中の即時停戦や人道支援の拡大等の緊急の必要性を指摘した国連安全保障理事会決議の採択にあたり、日本が果たした役割に言及しました。また、こうしたガザ地区の悲惨な人道状況やUNRWA側のガバナンス改善策を踏まえ、2日、UNRWAへの資金拠出の一時停止を解除し、資金の適正性を確認しながら支援を実施していくことを発表した旨述べるとともに、拠出を通じて周辺国・地域のパレスチナ難民に医療サービスの提供等の支援を行っていくほか、ガザ地区では、劣悪な衛生状況に対応する女性や乳幼児向け物資を供与していく旨伝えました。
       このほか、シュクリ・エジプト外相との会談では、上川大臣から、ガザ地区から重傷患者や新生児等を受け入れているエジプトの医療・保健ニーズに応えるべく、先月、WHOを通じた支援を決定した旨述べました。
    2. これに対する各大臣からの反応は以下のとおりです。
      1.  レバノン:ブハビーブ大臣から、日本のこれまでの対レバノン支援、及び対パレスチナ支援に対して謝意が示されるとともに、UNRWAへの拠出再開に感謝する、今後も、地域のパレスチナ人に対する日本の支援に期待する旨の発言がありました。
      2.  エジプト:シュクリ大臣からは、ガザ地区の人道状況は極めて深刻であり、UNRWAへの拠出再開は正しい決定であり、日本のパレスチナ支援を高く評価する旨の発言があるとともに、国連安保理を含む国際場裏での日本の役割への期待と謝意が表明されました。
      3.  ヨルダン:サファディ大臣からは、ガザ地区の人道状況は極めて深刻であり絶え間ない支援が必要であることを踏まえ、また、多くのパレスチナ難民を自国に抱えるホスト国としても、UNRWAへの拠出再開を含む日本のパレスチナ支援を高く評価する旨の発言があるとともに、これまでの我が国の支援に対する謝意が表明されました。
    3. また、エジプト及びヨルダンとの間では、ガザへの人道物資の搬入拡大が必要であること、ガザにおいて民間援助関係者が攻撃により死傷したことについても意見交換しました。
  3.  このほか、各会談において、最近のガザ情勢について意見交換した上で、上川大臣から、我が国として「二国家解決」を支持しており、そのためパレスチナ自治政府(PA)改革に積極的に貢献していく考えである旨述べました。特にシュクリ・エジプト外相との会談においては、地域への更なる波及の可能性、シリアにおけるイランの施設の攻撃事案について意見交換を行いました。
     その上で、いずれの会談においても、中東地域の平和と安定に向けて、引き続き協力していくとともに、二国間の連携を更に強化していくことを確認しました。

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