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令和6年4月11日
会話するバイデン大統領、岸田総理大臣とマルコス大統領 日米比首脳会談(写真提供:内閣広報室)
集合写真 日米比首脳会談(写真提供:内閣広報室)
会合の様子 日米比首脳会談(写真提供:内閣広報室)

 現地時間4月11日午後4時20分(日本時間12日午前5時20分)から約50分間、米国ワシントンDCを訪問中の岸田文雄内閣総理大臣は、ジョセフ・バイデン米国大統領(The Honorable Joseph R. Biden, Jr., President of the United States of America)及びフェルディナンド・マルコス・フィリピン共和国大統領(H.E. Ferdinand R. Marcos, Jr., President of the Republic of the Philippines)との間で日米比首脳会合を行ったところ、概要は以下のとおりです。

1 冒頭

 バイデン大統領から、岸田総理大臣及びマルコス大統領の米国訪問と日米比首脳会合の初開催を歓迎するとともに、今回の首脳会合を踏まえて、安全保障、経済の様々な分野で日米比協力を更に発展させていきたい旨発言がありました。
 これに対し、岸田総理大臣から、日米比首脳会合の初開催を歓迎した上で、世界が複合的な危機に直面する中、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持・強化に向けて、同盟国・同志国との重層的な協力が重要、日米比三か国は、太平洋で繋がれた海洋国家であり自然なパートナーである、インド太平洋地域の平和と繁栄のためにも、日米比協力の更なる強化を確認し、その具体的な方向性を示したい旨述べました。
 また、マルコス大統領から、バイデン大統領のイニシアティブに感謝しつつ、これまでの日本及び米国からの支援に謝意表明するとともに、日米比協力を一層強化したい旨発言がありました。

2 地域情勢

  1. 三か国の首脳は、日米同盟及び米比同盟がインド太平洋の平和と安全を守ってきたことを確認した上で、地域の安全保障環境について議論を行いました。バイデン大統領から、日米同盟及び米比同盟に基づくコミットメントの確認がありました。
  2. 三か国の首脳は、航行・上空飛行の自由への揺るぎないコミットメントを強調しました。
  3. また、三か国の首脳は、中国による南シナ海や東シナ海における力による一方的な現状変更の試みに反対し、毅然として対応することを確認しました。
  4. さらに、こうした地域情勢を議論する中で、岸田総理大臣から、日比部隊間協力円滑化協定(RAA)の早期妥結に向けた交渉やフィリピンへの政府安全保障能力強化支援(OSA)による沿岸監視レーダー供与、ODAによる巡視船の追加供与といった協力が進展していることに加え、先般、防衛装備移転に関する制度の見直しを行った旨説明し、両大統領から日本の取組に対する評価や歓迎の意が示されました。

3 三か国間協力

  1. 岸田総理大臣から、日米比協力は、フィリピンをはじめとする地域に平和と安定、そして経済的な繁栄をもたらす包摂的なものであると述べた上で、経済分野を中心に、今後の具体的な協力の方向性について議論を行いました。
  2. 三か国の首脳は、経済的威圧に対する懸念と強い反対を表明した上で、経済的威圧に対して緊密に連携して対応していく必要性を強調しました。
  3. 三か国の首脳は、戦略的重要インフラの整備を進めることの重要性を確認した上で、「グローバル・インフラ投資パートナーシップ(PGII)ルソン経済回廊」立上げの発表を歓迎しました。
  4. 三か国の首脳は、半導体や重要鉱物を含む重要物資のサプライチェーン強靱化に向けた連携強化を確認しました。
  5. 三か国の首脳は、オープンRANに係る協力等をはじめとする情報通信分野における連携強化を確認しました。
  6. 三か国の首脳は、日米比サイバー・デジタル対話の立ち上げ等を通じて、サイバー分野における連携強化を確認しました。
  7. 三か国の首脳は、脱炭素はアジアの共通課題であり、民生用原子力を含むクリーンエネルギー分野における連携強化を確認しました。
  8. 三か国の首脳は、防衛当局間協議や共同訓練等を通じた安全保障・防衛協力のほか、海上保安機関間の連携・協力を通じた海上保安協力を引き続き強化していくことで一致しました。

(参考) 

  日比米首脳による共同ビジョンステートメント(英文(PDF)Open a New Window和訳(PDF)別ウィンドウで開く

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